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更新日時 2016年08月20日

煉瓦構造物 川越市 三軒家樋管
@川越市 三軒家樋管。
住所:埼玉県川越市渋井
明治43年(1910年)に設置された悪水を新河岸川に吐くための樋管で、上流側の呑口と下流側の吐口のアーチ数と型式が異なる。三軒家樋管は埼玉県に4基しか現存しない、呑口と吐口でアーチの数が異なる樋管である。現存する樋管の中で最も最後に建設されている。なお、竣工後の明治43年8月には、明治期最大の被害をもたらした大洪水が埼玉県全域を襲うのだが、竣工間もない煉瓦樋管は難を免れている。
@三軒家樋管の吐口は、煉瓦造りの壁と堰柱、二連のセグメンタルアーチからなり、アーチ・リングは三重である。吐口を二連のアーチで分割しているのは、開口面積を狭くして、人力による制水の微調整を容易にできるように考えられたようである。
@天端には、石の銘板が1文字ずつ埋め込まれ、右から「三」「軒」「家」「樋」「管」と記されている。合理的な形状で意匠的にも工夫されており、近代土木遺産の特徴をあらわしている。
@三本の堰柱のうち両端の日本は巻き揚げ式堰板の縦溝が残る。両端の堰柱の一部には、右の角を削って煉瓦が五層ずつ嵌め込まれており、石と煉瓦の素材と色によるコントラストが意匠となっている。
@三軒家樋管の呑口は煉瓦造りのセグメンタルアーチ(分円アーチ)で構成され、四重に積まれたアーチ・リングが施されている。両壁部の銘板には、右から「明治四十三年五月戌」と刻まれ、竣工年代を明らかにしている。
@天端の煉瓦には刻印が見つからなかった。
@天端の煉瓦には刻印が見つからなかった。
@三軒家樋管の呑口のアーチリングは煉瓦小口の4重巻き立て。異形煉瓦は使われていない。樋管の内部から眺めるとアーチ部の煉瓦は長手積み、側壁はイギリス積みで組まれている。樋管部と翼壁の接合箇所には隅石(補強材)は使われていない。
@三軒家樋管の内部もイギリス積みとなっている。
@天端の煉瓦には刻印が見つからなかった。
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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
出典: 「国土地理院の電子国土Web(地図画像)『川越市』を掲載」
出典: フカダソフト\きまぐれ旅写真館\埼玉の煉瓦水門