更新日時 2016年04月12日

ローカル線の旅 叡山電鉄
 叡山電鉄株式会社(えいざんでんてつ、Eizan Electric Railway Co.,Ltd.)は、京都市左京区の出町柳駅から八瀬・鞍馬への路線を運営する鉄道会社。略称は「叡電」(えいでん)。本社は京都府京都市左京区田中上柳町25番地の3(出町柳駅隣接)。京福電気鉄道の子会社として設立されたが、2002年から京阪電気鉄道の完全子会社となっている。全線が京都府京都市左京区内にある。 叡山本線 出町柳 - 八瀬比叡山口 5.6km。ラインカラーは比叡山の森から緑。八瀬比叡山口駅からは京福電鉄のケーブルカー・ロープウェイで比叡山の山頂まで行ける。 八瀬比叡山口駅からは京福電鉄のケーブルカー・ロープウェイで比叡山の山頂まで行ける。伝統的に「デナ」「デオ」「デト」といった独特の形式称号が使われている。営業用車のカタカナの2文字目は「ナ」が中型(なかがた)、「オ」が大型の略称である。なお、1995年のデナ21形廃車により「デナ」は形式消滅している。事業用車の2文字目は国鉄の貨車に準じていて、京福時代には「デワ」も存在した。車両は現在でも「デオ」といえども車体長16mクラスの現在の日本においては小型に属する車体である。また開業当時からにおいてデナ500形を除きすべて当線区での新造(実質車体新成含む)車両となっており、現存営業用車両は下記のような統一性がある。勾配区間での安全性やメンテナンス面から、すべて電動車かつすべての軸が駆動軸であり、抵抗制御と発電ブレーキの組み合わせによる制御、カルダン駆動となっている。車体においては無人駅での乗車券収集の便から車端に客用ドアが存在し(2両固定編成のデオ800系、デオ900形では連結面側は少し内側に寄っている)、乗務員室ドアが引戸となっているのも特徴である。なお、予備車となっているデオ600形は吊り掛け駆動方式で冷房装置は搭載せず、乗務員室ドアも開き戸である。また、以前の経緯より現存営業用車両のすべてが、かつて存在した、阪神系の武庫川車両工業製造となっているが、部品などでは京阪電気鉄道から譲渡され、再利用しているものも多い。
叡山電鉄叡山本線
出町柳駅 - 元田中駅 - 茶山駅 - 一乗寺駅 - 修学院駅 - 宝ケ池駅 - 三宅八幡駅 - 八瀬比叡山口駅
叡山電鉄鞍馬線
宝ケ池駅 - 八幡前駅 - 岩倉駅 - 木野駅 - 京都精華大前駅 - 二軒茶屋駅 - 市原駅 - 二ノ瀬駅 - 貴船口駅 - 鞍馬 駅
 出町柳駅(でまちやなぎえき)は、京都府京都市左京区にある、叡山電鉄・京阪電気鉄道の駅。駅番号は京阪電気鉄道がKH42、叡山電鉄がE01。「出町柳」で鴨川左岸(東側)の当駅周辺の地名として定着しているが、元は出町と柳の二つの地名を合わせた駅名である。出町は鴨川右岸(西側、上京区側)の河原町今出川付近一帯を指す俗称、柳は鴨川左岸(東側、左京区側)の当駅周辺の字である(なお、叡山電鉄側の現所在地が「左京区田中上柳町」、京阪電鉄側の現所在地が「左京区田中下柳町」である)。
出町柳駅 叡山本線色のラインカラー。 出町柳駅 鞍馬線色のラインカラー。
 出町柳駅駅構造は駅舎は1993年(平成5年)6月24日に竣工した「京阪出町柳ビル」で、かつては叡山電鉄本社もこのビル内に置かれていた(2014年に現在地の修学院駅前へ移転)。地上にある叡山電鉄の駅と、地下にある京阪電気鉄道へのメイン出入口が一体となった構造である。駅施設としては、地上1階に叡山電鉄のホームおよび駅施設・京阪の入口・バスターミナル、地下1階に京阪のコンコース、地下2階に京阪のホームがある。
 櫛型ホーム4面3線を有する地上駅である。改札は1か所で、駅員配置駅となっており、自動改札機も設置されている。駅舎(京阪出町柳ビル)2階部分にはTSUTAYA出町柳駅店がある。以前までは叡山電鉄に一括賃貸されていたため叡山電鉄本社がフランチャイズ営業を行っていたようで、その際は、店名が「叡電出町柳店」であった。1階には京都バスターミナルに面した側にはロッテリアがあり、以前は、構内1番線ホーム側からも利用することが可能な構造となっていた。2009年12月末には、駅改装工事によって、駅ホームと改札外の間の壁がガラス張りとなり、改札外からも列車を見ることができるようになった。京阪の駅の出入口はメインのものが叡電の改札前にあり上下エスカレータが備わっているほか、エレベーターは南西側の角近くにある。駅前の道路から構内はごくゆるいスロープになっていて、その先ホームまでは平面で、車椅子等での移動は容易である。もともとの駅舎は仏堂形式の歴史ある建築物である。京阪鴨東線開業時に建設された新駅舎に隠されて表からは見えなくなったが、ホーム側の先からは旧駅舎を見ることができる。1番線ホームは1両のみ、2・3番線ホームは2両編成の停車が可能である。かつては1番線も2両分の長さがあったが、八瀬比叡山口行がほとんど単行運転になったため、1両分が埋められて通路となっている。また、1番線乗車ホームはその先にも延びており、トイレへの通路となっている。なお、ホーム上屋は完全に整備されておらず、2両編成の場合は2両目が上屋からはみ出る。鞍馬の火祭開催時は、鉄道の輸送力や鞍馬集落への収容に限りがあるため入場制限が行われる。そのため、発生する行列は、京阪出町柳駅の地下階段のあたりにまで長く伸びる。
出町柳駅 ホームが鋭角に・・・狭い私鉄ではの光景 電車内の路線図駅
元田中駅(もとたなかえき)は、京都府京都市左京区にある叡山電鉄叡山本線の駅。駅番号はE02。
 元田中駅駅構造は千鳥式2面2線のホームを持つ駅員無配置駅。出町柳行きホームにのみ券売機が設置されており、8時から20時30分の間稼動する。両ホームとも約1両分の長さの上屋が設置されている。かつて京都市電と平面交差していた事の名残から上下ホームは東大路通を挟んで両側に分かれている(下りホームは西側、上りホームは東側)。1949年から1955年までは京都市電が宝ヶ池駅まで乗り入れていたため、渡り線が設置されていた。上下共にバリアフリーには対応していない。ホーム面までスロープなどはなく、車椅子等での利用には介護者が必要。
元田中駅駅名標。
元田中駅。
 茶山駅(ちゃやまえき)は、京都府京都市左京区田中北春菜町にある叡山電鉄叡山本線の駅。駅番号はE03。茶山という名称は、駅西方の山にかつて江戸時代の豪商茶屋四郎次郎の山荘があり「茶山」と通称されていたことに由来する。多客時は鞍馬線の電車に車掌が乗り込むが、出町柳駅まで乗務せずに、この駅で車掌だけ鞍馬駅行きに乗り換える姿が見られる。
茶山駅駅駅名標。
 茶山駅構造は対面式2面2線のホームを持つ。駅員無配置駅。出入り口はホームの出町柳駅側の踏切に面している。出町柳駅方面行きホームのみ自動券売機が設置されており、8時から20時30分までの間稼動する。宝ヶ池駅方面行きホームはホームのほぼ全体を、出町柳駅方面行きホームには約1両分の長さの上屋が設置され、ワンマンカーの乗降口をカバーしている。また、同ホーム北側には駐輪場があるが、自転車が度々不法投棄されている事に電鉄側も頭を抱えている状態が続き、その対策として有料化された。上下共にバリアフリーには対応していない。レール面からホーム面までの階段のみであるが(画像参照)車椅子等での利用には介護者が必要。
 一乗寺駅(いちじょうじえき)は、京都市左京区一乗寺里ノ西町にある叡山電鉄叡山本線の駅。駅番号はE04。
一乗寺駅駅名標。
 駅名は駅所在地の地名に由来する。地名のもととなった一乗寺はかつて平安中期から中世にかけて当地に存在した寺院であるが、その詳しい所在地は不明である。
 開業当時は現在より約100メートル北側にあり、駅出口は現在駅前にあるプラザ修学院の裏の道に面していて、ここが駅前通りとなっていた。駅構造、配線等は現在とほぼ同じであった。駅業務ならびに運輸関係の事務所は駅西側、現在の北山通あたりにあり、駅前通を挟んで離宮道との間(現在の京福マンションの位置)にも事務所や倉庫があった。東側のホーム裏(現在の北山通の位置)は車庫裏というべき場所で、草むした線路の上に廃台車や部品が放置されていた。1960年代までは出町柳方面行きホームの入口脇に売店があり、出札窓口を兼ねていたが、通常時は上下ホームともに集札は乗務員と駅員によって車両ドア付近で行われており駅への出入は自由であった。1970年に北山通の建設により南へ約100メートルほど移動し、事務所も現在のトイレ横の建物に移動している。なおこの建物は叡山電鉄として独立してから、出町柳駅隣接のビルが完成するまで本社事務所(2012年現在でも登記上の本店所在地)となっていた。駅前通りにあった商店の多くは駅東側のプラザ修学院(半数は店舗付住宅)に移動した。1980年頃の東側住宅地は学生アパートなどが多く、駅周辺にも牛丼屋・ハンバーガーショップ・中華レストランといったファーストフード店が進出し、ある意味華やかであった時代である。しかしこれらの店舗は当駅の利用客減少や、京都市内の大学の南部移転などで主な客層である学生が減ったため撤退している。その一方、修学院車庫では北山通の建設で一部建物の移動ならびに配線変更が行われ、入口に近い所の分岐器が叡山電鉄で唯一の複分岐器となり、倉庫兼休憩所として用いられていたデナ1形の廃車体が撤去されている。その後、ローズマンションが建設され、事務所が構内東側に移転するなどしているが配線等はほぼこの時点のままである。
 修学院駅(しゅうがくいんえき)は、京都府京都市左京区山端壱町田町にある叡山電鉄叡山本線の駅。駅ナンバリングはE05。
学習院駅駅名標。
 修学院駅構造は相対式ホーム2面2線を有する地上駅。両ホームはほぼ全体が上屋に覆われている。無人駅であるが、出町柳方面ホームには自動券売機が設置されている。かつては上下ホーム入り口にスルッとKANSAI共通カード対応自動改札機(ゲートのないタイプ)が設置されていたが、2016年1月31日をもってスルッとKANSAI共通カードへの対応を取り止めた際に運用を停止した直後に撤去されている。出入口は北の北山通側(宝ヶ池駅側)にある。八瀬比叡山口駅・鞍馬駅方面行きホームの南側には男女共用のトイレがある。下りホームには改札横のスロープ通路から、上りホームにはホーム裏から下記運輸課への入口を介して車椅子等での移動が可能なバリアフリールートが確保されているが、運輸課の定期券販売所やトイレへのバリアフリールートは確保されていない。ホーム有効長は上下線ともにぎりぎり3両分の長さがあり、1990年代までは単行と2両編成の電車の車両交換が行われていた。長く駅員の手旗合図によってきたが、末期には代用の色灯信号も設置されていた。現行ダイヤでは当駅での車両交換は実施されていない。必要な場合は出町柳まで回送して交換している。出町柳行きホーム隣のローズマンション2階には叡山電鉄の運輸課があり、定期券販売所では定期券のほか各種乗車券を発売している。大人用回数券については駅前のセブンイレブン京都修学院駅前店でも発売。当駅で乗務員の交代が行われる列車がある。また、叡山電鉄唯一の夜間滞泊設定駅である。駅東側の地名「修学院」は現在では「しゅうがくいん」と読むが、駅開設当時は「しゅがくいん」と読んでいた。変遷の経緯や時期には諸説あるが、現在でも修学院離宮をはじめ「しゅがくいん」と発音するものもある。
 宝ヶ池駅(たからがいけえき)は、京都市左京区にある叡山電鉄叡山本線・鞍馬線の駅。駅ナンバリングはE06。駅ナンバリングは叡山本線の番号のみ付与されているが、駅番号を表記する色はホームごとにそれぞれの路線のラインカラーが使われている。また、構内に設置されている駅名標や路線図・公式サイトなどにはすべて宝ケ池と表記されているほか、新型駅名標に併記された中国語表記では「宝池」と表記されている。
 宝ヶ池駅構造は島式1面・相対式2面4線のホームを持つ無人駅。当駅の南側(出町柳側)で複線の叡山本線から鞍馬線が左方向に複線分岐して、当駅ホーム部分では各々の複線が並行し、叡山本線が1・2番線、鞍馬線が3・4番線(2・3番線が島式の形状)となっている。各ホームの中ほどには上屋が設置されているほか、2・3番ホームには待合室もあるが、室内には自動販売機と建付けの幅の細いベンチが設置されているだけで、出入口の扉や窓ガラスは撤去されている。通路の中央付近に出町柳方面の先発電車を示す簡単な表示板がある。また発車案内用の自動放送設備がある。ホームの南側に駅構内踏切(第1種甲)があり各ホームを結んでいるが、無人駅で改札口が無いため一般の人や自転車の横断も多く、車両通行禁止であるにも関わらずバイクの通行もある。また、踏切の東西には有料駐輪場があるほか、かつては西側にトイレが設置されていた。バリアフリー対応の状況は、西側の白川通側入口から鞍馬方面の4番線ホームへはスロープとなっているため車椅子などでの移動が可能だが、他のホームへは踏切のレール面からホームの高さまで3,4段の緩やかな階段があるため、車椅子などでの利用は介護者が必要である。
宝ヶ池駅 叡山本線色のラインカラー。
宝ヶ池駅 鞍馬線色のラインカラー。
宝ヶ池駅の旧駅名標。
宝ヶ池駅−三宅八幡駅間。
 三宅八幡駅(みやけはちまんえき)は、京都府京都市左京区にある叡山電鉄叡山本線の駅。駅ナンバリングはE07。
三宅八幡駅の駅名標。
 三宅八幡駅構造は相対式2面2線のホームを持つ無人駅。出町柳駅行きホームには1両分程の長さの上屋があり、八瀬比叡山口駅行きホームの中ほどには小さな上屋を備えたベンチがある。柵や上屋の柱などは三宅八幡宮に因んで朱色に塗られている。主要な出入り口はホームの八瀬比叡山口駅側にあり、駅構内踏切(第1種甲)もこちら側にあるが、出町柳駅行きホームの出町柳側にも小さな出入り口がある。上下共にバリアフリーには対応していない。レール面からホーム面までの階段のみであるが、車椅子等での利用には介護者が必要。
三宅八幡駅−八瀬比叡山口駅間。
 八瀬比叡山口駅(やせひえいざんぐちえき)は、京都府京都市左京区にある叡山電鉄叡山本線の終着駅。駅ナンバリングはE08。
八瀬比叡山口駅の駅名標は古いタイプの駅名標。
 八瀬比叡山口駅構造は開業以来からの木造駅舎と、終着駅に特有のドーム状の屋根がかつての栄光を偲ばせる。原則として無人駅であるが、多客時のみ係員が配置され、自動券売機も稼働する。かつては自動改札機も設置されていたが、現在では撤去されている。ホームは3面2線の櫛形ホーム。改札口は出町柳駅や鞍馬駅のように頭端部ではなく、頭端部に向って左側の北側にある。頭端部には団体用の臨時出入口があるがほとんど利用されない。改札口側が1番線ホームで一番南側が2番線ホーム。中間の細い降車用ホームは2番線側に電車が到着した場合に利用されているが、ホーム番号はない。通常は1番線のみが使われ、2番線は平日朝ラッシュ時や紅葉シーズンで臨時増発される(特にライトアップ特別休日ダイヤ時の日中)場合や臨時列車運行の発着時に使われる。1番線ホーム側の一番出町柳側にはホームに面してトイレがあるが「乗務員専用」と表示があり、一般客は改札の外側の2番線側にあるトイレを使うことになる。乗務員用トイレの隣には、電車折り返し時用の運転手の休憩室がある。ドーム状の屋根は、現在は1両の電車は車止めぎりぎりに止まらないこともあり、電車の長さにはわずかに足りないが、1番線ホームだけはホーム全体に上屋が延長されている。駅前からホームまで平面であり車椅子等での利用は容易。
 駅名の通り比叡山への西の入口で、叡山ケーブル・叡山ロープウェイを乗り継いで比叡山山頂に向かうルートを構成している。京都電燈によって開業して以来、駅名が「八瀬」→「八瀬遊園」→「八瀬比叡山口」と変わっている。周辺は開業当時から京都電燈や地元が中心となり開発され、一時期駅名となった遊園地「八瀬遊園」が開設されるなど観光地として賑わった。現在では一部の休日を除けば、散策を楽しむような静かな観光地である。駅前にあった八瀬遊園地の後身である「スポーツバレー京都」→「森のゆうえんち」は2001年に閉園となり、翌年に現在の駅名である八瀬比叡山口駅に改称された。跡地は現在、大規模な会員制ホテル「エクシブ八瀬離宮」を中心に老人ホームなども立地し、静閑な土地を生かした再開発が行われている(駅から少し北、または南の地区でも住宅開発がされている)。駅周辺には昔ながらの茶屋が数軒あり、にしんそばや猪肉など京都らしい食事が出来る。駅前の高野川には木造の橋があり、その河原ではバーベキューや写生を楽しむ人も多い。現在、平日昼中は出町柳発において、本来の本線である当駅までが毎時3本であるのに対し、観光客が多く、学校や住宅の多い鞍馬線方面の運転本数が二軒茶屋駅折り返しも含めると毎時6本と多くなっている。また、休日も含め鞍馬駅までの列車は2両編成が主体であるのに対し、当駅に来る列車は単行が主体である。市中心部から大原方面へ向かう場合、この駅で、国道367号を走るバスに乗り換えることもできる。叡山ケーブルのケーブル八瀬駅は、改札を出てすぐにある木橋を渡り300メートルほど離れたところにある。なお、ケーブルカー・ロープウェイは、年末年始を除く冬期間は運休する。
八幡前駅の駅名標。
 八幡前駅(はちまんまええき)は、京都市左京区にある叡山電鉄鞍馬線の駅。駅ナンバリングはE09。駅構造は相対式2面2線のホームを持つ無人駅。両ホームとも出町柳側・鞍馬側の南北両側に出入り口がある。北側は一般道の踏切で、南側は駅構内踏切で両ホームを結んでいる。ホームをほぼすべて覆う上屋が設置されている。また、駅名の由来となった近隣の三宅八幡宮に因み柵や上屋の柱は朱色に塗られている。なお、三宅八幡宮への最寄り駅であるが、表参道は叡山本線の三宅八幡駅からとなる。上下共にバリアフリーには対応していない。レール面からホーム面までの階段のみであるが(画像参照)車椅子等での利用には介護者が必要。
 岩倉駅(いわくらえき)は、京都市左京区にある叡山電鉄鞍馬線の駅である。駅ナンバリングはE10。
 岩倉駅構造は相対式2面2線のホームを持つ無人駅である。それぞれのホームに出入口があり、スロープも備えている。ホームのほぼ全体を上屋が覆っているほか、出町柳駅行きホームにはトイレおよび、稼働時間帯を限定した自動券売機が設置されている[1]。無人駅だが、特定の時間帯のみ定期券の予約受付のため駅員が配置される。両ホームは駅の出町柳駅側の府道踏切で連絡する。なお、以前は他の駅と同様に府道の踏切から階段で出入する構造であったが、2006年の隣接地への京都市岩倉地域包括支援センター開設に伴うバリアフリー化のために現在の構造に改築された。
 第二次世界大戦後の1958年から32年間にわたって複線区間の末端であったため、当駅折り返しの列車が多く設定されていたが、後に二軒茶屋駅まで複線区間が延伸されてからは折り返し列車の設定はない
木野駅(きのえき)は、京都府京都市左京区にある叡山電鉄鞍馬線の駅。駅ナンバリングはE11。
 木野駅構造は相対式2面2線のホームを持つ無人駅。ホーム全体を覆う上屋が設置されている。出入り口はホームの出町柳駅側にある。両ホームは駅構内踏切(第1種甲)で結ばれているが、道路扱いとなっており一般の人や自転車の横断も多い。なお、この構内通路は軽車両・小特以外の「車両通行止め」となっている(画像参照)。ホームへはスロープも整備されているが急で幅も狭いため車椅子での利用には介護者が必要。 京都府立北稜高等学校の最寄り駅のため休校日以外の朝時間帯は係員が出張することが多く、係員詰め所もある。ただし、普段の平日は下りホームにのみ20分ほどの係員配置である。
 京都精華大前駅(きょうとせいかだいまええき)は、京都市左京区にある叡山電鉄鞍馬線の駅。叡山電鉄の中で最も新しい駅である。駅ナンバリングはE12。駅名の通り、京都精華大学の最寄り駅である。駅ホームから大学の通用門にアクセスでき、キャンパスの中心部は大学の正門からよりも近い。まさに大学のための駅となっている。
 京都精華大前駅構造は相対式2面2線のホームを持つ無人駅。両ホームは全体が上屋で覆われており、ホームごとに上屋や柱・壁のデザインを変えている。それぞれのホームに出入り口がある。基本は無人駅であるが大学の繁忙期(入学式や受験時)や朝ラッシュ時には係員が配置される。そのため係員の詰所が両出入口の脇にある。かつては鞍馬駅方面行ホームに自動改札機があったが現在では撤去されている。回数券の一部は大学構内の画箋堂で発売している。両ホームと大学構内を結ぶ橋は「パラディオ橋」と呼ばれ、京都精華大学名誉教授の上田篤によって制作されたものである。下りホームから住宅地、上りホームから大学正門付近へはスロープでバリアフリーに対応しているが、反対側への移動は「パラディオ橋」のみによっており、構内や隣接の踏切がないのでかなり迂回が必要。
 二軒茶屋駅(にけんちゃやえき)は、京都市左京区にある叡山電鉄鞍馬線の駅。駅ナンバリングはE13。かつて鞍馬などへ行く旅人のための茶屋が2軒あったことが駅名の由来だが、1軒は昭和初期に市原へ移転したのち廃業、もう1軒も平成4年に廃業された。
 二軒茶屋駅構造は相対式2面2線のホームを持つ無人駅。ホームの鞍馬駅側に駅構内踏切(第1種甲)があり、両ホームを結んでいる。出入口は踏切の鞍馬行きホーム側。鞍馬寄りに片渡り線2組があり、その先は上り線側が単線の本線、下り線側が引上線となっている。引上線は出町柳方面からの当駅折返し列車が使用している。かつては鞍馬方面ホームにのみ自動改札機が1台設置されており、京都産業大学の休日以外の朝時間帯に稼動していた。回数券の一部は大学内8号館のファミリーマート京都産業大学店で発売している。構内踏切からホームへは、レール面からホーム面までのゆるい階段でスロープも併設されているが、駅前道路から構内踏切までは階段のみであるため(上の写真参照)車椅子等での利用は困難。この階段は道路側から見て左半分のみ高齢者などに配慮して段差を半分にする追加工事が行われているが、そのため1段あたりの幅が極端に狭くなっており、急いで下るときなどは注意が必要となっている。
二軒茶屋駅。ここから単線になる。
市原駅(いちはらえき)は、京都市左京区にある叡山電鉄鞍馬線の駅。 駅番号はE14。
 市原駅構造は1面1線単式ホームの地上駅。 無人駅である。 ホームは上屋で覆われている。 出入口はホームの両端にあるが、いずれにも階段があるため車椅子での利用には介助が必要である。出町柳寄りの出口から石段を下りたところの叡山電鉄市原変電所前には叡山電鉄が設置した無料駐輪場がある。 市原駅構内踏切(第4種踏切)の先は大神宮社へ通じている。鞍馬寄りの出口は鞍馬街道旧道 上市原橋へ下りる階段である。 出口の傍らには「伝・後藤顕乗の墓石」と「阿弥陀坐像石仏」がある。当初は複線であった二軒茶屋 - 市原は1939年、当時の運営事業者である鞍馬電気鉄道の経営合理化のため単線化された。1990年までに他の不要不急指定区間(宝ケ池 - 二軒茶屋)は再複線化されたが、この区間は現在まで単線のままである。 複線の痕跡は上りホーム跡や鞍馬川に架かる市原橋梁の橋台・橋脚、大神宮社参道に架かる市原陸橋の橋台に見られる。 かつての複線区間の架線柱は複線分の幅がある。近年の周辺人口の増加により、2002年から平日の朝と夕方以降にこの駅で折り返す列車が設定されている。 そのため単線区間でありながら出発信号機が設置されている。 また、多客時の鞍馬線列車に乗務する車掌は、この駅で下車し上り列車で折り返すこともある。
市原駅二瀬駅間の紅葉のトンネル。
市原駅二瀬駅間の紅葉のトンネル。
市原駅二瀬駅間の紅葉のトンネル。
市原駅二瀬駅間の紅葉のトンネル。
 二ノ瀬駅(にのせえき)は、京都府京都市左京区にある、叡山電鉄鞍馬線の駅。駅ナンバリングはE15。単線区間のほぼ中間に位置し、日中はすべての列車がこの駅で列車交換する。
 二ノ瀬駅構造は相対式ホーム2面2線の無人駅である。出町柳駅行きホームにはログハウス状の待合室がありワンマンカーの乗車口にあたるため、上屋は設置されていない。鞍馬駅行きホームには短い上屋を備えたベンチがある。主要な出入り口はホームの鞍馬駅側にあり、駅構内踏切(第4種)によって両ホームは結ばれている。駅から二ノ瀬集落へは階段で下る[1]。出町柳駅行きホームの出町柳側にホームを下ったところにトイレがあり、このトイレ前からも階段で集落に下ることができる。叡山電鉄で最も山深い雰囲気の駅である。立地上、車椅子等での利用は不可の状態。
 貴船口駅(きぶねぐちえき)は、京都府京都市左京区鞍馬貴船町にある、叡山電鉄鞍馬線の駅。駅ナンバリングはE16。貴船神社で知られる京都の奥座敷貴船への玄関口となる駅である。駅構造は片面ホーム1面1線の無人駅である。春秋等の観光シーズンや観光客が多い週末など、混雑時に駅員が駐在するための事務室がある。かつては無人駅ながらスルッとKANSAI共通カード対応自動改札機(ゲートのないタイプ)が設置されていたが、2016年1月31日をもってスルッとKANSAI共通カードへの対応を取り止めた際に運用を停止した直後に撤去されている。駅ホームは一部、鞍馬川・貴船川の合流点付近および、京都府道361号上黒田貴船線の鉄橋上に存在する。主な出入口は府道の貴船側に沿ってあり、駅への上り口に自動券売機が設置されていて、駅員が配置されている時などには稼動する[1]。その隣には売店が入居しており、そこから階段を登ったところにホームがある。売店脇からホームに向って左側に下ったところにトイレが設置されていて、その先は鞍馬小学校方面への通路となり、木々に包まれた鉄橋やホームを見上げることができる。駅自体の立地上、車椅子等での利用は困難。
貴船口駅−鞍馬駅間。
貴船口駅−鞍馬駅間。
貴船口駅−鞍馬駅間。
貴船口駅−鞍馬駅間。
 鞍馬駅構造は島式ホーム1面2線を有する地上駅。出入口は分離されており、出口のすぐ外側にトイレが設置されている。かつてはスルッとKANSAI共通カード対応自動改札機が設置されていたが、2016年1月31日をもってスルッとKANSAI共通カードへの対応を取り止めた際に運用を停止した直後に撤去されている。駅舎は寺院風の木造建築であり、京阪鴨東線開業時に改築された。朝晩以外は駅員が配置されている。また、自動券売機が設置されており、9時30分から16時30分(観光シーズンなどは延長あり)まで稼動する。駅員が配置されている間は、出町柳からの電車が到着し、乗客がすべて下車するまでは、入口にロープが張られてホームに入場することはできない。無人時間帯は電車にて無人駅と同様の扱いを行う。駅舎は閉鎖され、駅舎左側を回り有人時間帯の出口横の通路よりホームに入る。なお、駅前からホームまではほぼ平面である。駅前に天狗のオブジェがあり、構内に長年この線を走り続けたデナ21形電車の先頭部と動輪が保存されている。
 鞍馬駅(くらまえき)は、京都府京都市左京区鞍馬本町にある叡山電鉄鞍馬線の駅。終着駅である。駅ナンバリングはE17。スルッとKANSAIのフリーパスタイプカードが使用できる駅としては最北端の鉄道駅に当たる。
鞍馬駅。 鞍馬駅 鞍馬天狗?
 鞍馬駅:この車両は叡山鉄道の前身京都電灯と鞍馬電鉄の両社が、昭和3年鞍馬線の開通に備えて共通設計した車両で、昭和4年8月に就役いたしました。以来平成6年11月に引退するまでの65年間に217万q余りを走行し、沿線の皆様をはじめ多くの鉄道ファンに親しまれて来ました。最盛期には10両の仲間がいましたが、この車両を最後に姿を消しました。ここに、この車両の一部を保存展示し、当社の歴史にその名を留めたいと思います。平成8年8月6日 叡山電鉄株式会社。
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