ローカル線の旅 南阿蘇鉄道

更新日時 2010年04月05日

 南阿蘇鉄道株式会社(みなみあそてつどう)は、熊本県で旧国鉄特定地方交通線の鉄道路線高森線を運営している南阿蘇村・高森町など沿線自治体が出資する第三セクター方式の鉄道会社である。本社所在地は熊本県阿蘇郡高森町大字高森1537-2。旧国鉄特定地方交通線であった高森線を第三セクターに転換して開業した路線。立野を出て北の阿蘇五岳(中央火口丘)、南の外輪山に挟まれた南郷谷を白川に沿って東に進み終点の高森に至る。高森駅を除いた全駅が南阿蘇村に属している。起点の立野駅は阿蘇カルデラを囲む外輪山の切れ目にあり、九州旅客鉄道(JR九州)豊肥本線と接続している。立野駅はスイッチバックがあることで知られているが、これは豊肥本線で阿蘇谷(阿蘇カルデラの北半分)に進む場合に通るもので、高森線を行く場合は経由しない。立野 - 長陽間にある立野橋梁は九州では珍しいトレッスル橋である。また同区間にある第一白川橋梁(高さ64.5m)は、完成当時日本一であった。現在でも、のちに建設された、高千穂橋梁、大井川鐵道関の沢橋梁に次ぐ高さである。1953年6月26日の熊本大水害時には、橋梁前後のトンネルにも水が押し寄せてきたという。この路線には日本一長い駅名の「南阿蘇水の生まれる里白水高原駅」があるほか、もうひとつ「阿蘇下田城ふれあい温泉駅」という長い駅名を持つ駅がある。かつては高千穂線とつながり九州中部を横断する予定だったこの路線も、南阿蘇の山々と田園風景の中を行くのんびりしたローカル線になっている。高森駅近くには、工事中の異常出水で工事を断念せざるを得なかった高森トンネルが高森町湧水公園として保存されている。豊肥本線の前身である宮地線の支線として開業した。改正鉄道敷設法で「熊本県高森ヨリ宮崎県三田井ヲ経テ延岡ニ至ル鉄道」として定められ、高森駅から三田井(高千穂)を経て延岡までの延伸が計画されていたが、宮崎県側の高千穂 - 延岡間が高千穂線(現在の高千穂鉄道高千穂線)として開業したのにとどまり、高森 - 高千穂間の建設はトンネル掘削中の異常出水事故により中断、1980年凍結された。完成していた一部のトンネルや高架橋は1998年までに解体された。
南阿蘇鉄道高森線
立野駅 - 長陽駅 - 加勢駅 - 阿蘇下田城ふれあい温泉駅 - 南阿蘇水の生まれる里白水高原駅 - 中松駅 - 阿蘇白川駅 - 見晴台駅 - 高森駅
 立野駅(たてのえき)は、熊本県阿蘇郡南阿蘇村立野1576番地に所在する九州旅客鉄道(JR九州)豊肥本線・南阿蘇鉄道の駅。JRの駅九州交通企画が駅業務を遂行する業務委託駅である駅長配置。マルスは無いがPOS端末機の設備がある。また、自動券売機が設置されている。
 豊肥本線 駅構造は島式ホーム1面2線を有する。 勾配緩和のためのスイッチバック設備を有する駅として知られる。駅舎およびホームはスイッチバック構造の底点に位置している。瀬田駅(熊本方面)から来た豊肥本線の列車は当駅(スイッチバック底点)で進行方向を変えて後進し、スイッチバック頂点に向かう。頂点でさらに進行方向を変えて前進し赤水駅(大分方面)に向かう。
 JRの駅本屋はJRホームから見て構内踏切を渡った地点に所在する。駅本屋を出ると正面に南阿蘇鉄道高森線のホームがあり、右手が外部へ出る折返し階段となっている。また、南阿蘇鉄道の駅本屋は高森線のホーム上にある。階段や高森線ホームなどが狭い空間に配置されているためJR駅舎の出口周辺は奥まった雰囲気がある。
南阿蘇鉄道 駅構造は島式ホーム1面2線を有するが、1線は撤去されている。
スイッチバック駅であり、第三セクターの南阿蘇鉄道高森線の分岐駅。
立野駅跨線橋より撮影。
発電所踏切より撮影。
南阿蘇鉄道の立野橋梁。トレッスル橋。
立野橋梁。 第一白川橋梁(高さ64.5m)完成当時日本一。
 鮎返ノ滝:旧長陽栃木の白川にかかる滝で、落差は40mあります。この滝は、阿蘇山が火砕流を噴出し、カルデラを形成した後に噴出した中央火口群の溶岩である「鮎返ノ滝溶岩1」にかかっています。立野溶岩、赤瀬溶岩よりも以前に白川本流を立野東方より戸下まで流れ下った溶岩流が「鮎返ノ滝溶岩」です。この溶岩流は2枚あり、下位のものを「鮎返ノ滝溶岩2」、上位のものを「鮎返ノ滝溶岩1」と呼んでいます。この「鮎返ノ滝溶岩」は戸下で栃ノ木溶岩や立野溶岩に覆われることから、中央火口丘群の噴出物の最も古いものと考えられています。また、鮎返東方ではカルデラ湖成層である久木野層に覆われています。栃ノ木溶岩は年代測定により約7万3千年前となっており、このことによって古立野火口瀬に流れ込んだ各種溶岩流の前後関係がわかります。鮎帰りの滝は「鮎返ノ滝溶岩1」にかかっていますが、鮎返ノ滝溶岩1の岩質は輝石かんらん石玄武岩です。黒っぽい玄武岩の中に輝石とかんらん石と呼ばれる鉱物の斑晶を見ることができます。鮎返ノ滝も以前は、戸下の黒川と白川の合流点付近にありましたが、浸食により1200mも後退し、現在の位置に達していると考えられています。鮎返ノ滝の後退距離から、数万年をかけた流水の壮大な力を想像することができます。地域の伝説によると、「鮎返ノ滝は、鮎はよく滝を上って遡行するが、その鮎も上れないほど滝の水の流れが激しいということでこの名前になった。」と言われています。
長陽駅(ちょうようえき)は、熊本県阿蘇郡南阿蘇村大字河陽にある南阿蘇鉄道高森線の駅。
 長陽駅構造は単式ホーム1面1線を有する地上駅。無人駅だが木造の駅舎がある。 現在は、駅事務所であった部分を改装した駅舎カフェ久永屋が土日のみ営業している。
 長陽駅名の由来は南阿蘇は外輪山の影響で日照時間が短いが、外輪山が立野で切れているためにこの地には西日が長く当たる。そのため長陽の名が付いたとされる。
加勢駅(かせえき)は、熊本県阿蘇郡南阿蘇村大字河陽にある南阿蘇鉄道高森線の駅である。
駅構造は単式ホーム1面1線を有する地上駅。
踏切より撮影。
 阿蘇下田城ふれあい温泉駅(あそしもだじょうふれあいおんせんえき)は、熊本県阿蘇郡南阿蘇村大字河陽にある南阿蘇鉄道高森線の駅。駅名は日本で5番目に長い。
 阿蘇下田城ふれあい温泉駅構造は単式ホーム1面1線を有する地上駅。天正年間近傍にあった下田城をイメージして城郭風の駅舎となっている。有人駅で温泉浴場を併設している。泉質は中性単純泉、露天風呂はない。
 阿蘇下田城ふれあい温泉駅には縁結びの石がある。平成11年12月阿蘇観光ホテルが閉館になったため、人目に触れることがなくなった縁結びの石と男性を表している石灯籠を阿蘇下田城に移転しました。同ホテルに古くから伝えられた縁結びの石には、石の両側にあいた穴の中で男女が固く手を結び合うとその二人は必ず結ばれると言い伝えがある。これまで多くの男女が永遠の愛を誓ってきた。この縁結びの石はこれからもこの新しい地で多くの愛を見守り続けていく・・・ また、この阿蘇下田城の近くには吉祥天さんがあり、その中にあるかやの木に生息している子安貝は安産のお守りとして有名。子安貝を持ち帰り安産の後は元に戻すのがしきたり。また、子安貝を子供の枕の下に入れておくと夜泣きに効くと言い伝えられている。
 南阿蘇水の生まれる里白水高原駅(みなみあそみずのうまれるさとはくすいこうげんえき)は、熊本県阿蘇郡南阿蘇村大字中松にある南阿蘇鉄道高森線の駅。1992年4月1日の開設当初は、正式表記での文字数が14文字で単独の日本一、読み仮名でも22文字で「長者ヶ浜潮騒はまなす公園前駅」(鹿島臨海鉄道大洗鹿島線)と並んで日本一長い駅名だった。2001年4月、一畑電気鉄道北松江線の「古江駅」が「ルイス・C.ティファニー庭園美術館前駅」(記号を含めた正式表記が18文字、読み仮名で23文字)に改称されたことにより日本一の座を明け渡し、さらに同年7月27日、ディズニーリゾートラインの開通に伴い「東京ディズニーランド・ステーション駅」と「リゾートゲートウェイ・ステーション駅」が開業(ともに記号を含めた正式表記が17文字)したため正式表記での文字数は4位に後退。しかし2007年3月31日にルイス・C.ティファニー庭園美術館が閉館となり、駅は同年5月21日に「松江イングリッシュガーデン前駅」(正式表記が14文字)へ改称されたため、2009年現在で、読み仮名では「長者ヶ浜潮騒はまなす公園前駅」と並んで22文字の日本一、正式表記では東京ディズニーランド・ステーション駅とリゾートゲートウェイ・ステーション駅に次いで14文字で全国3位(松江イングリッシュガーデン前駅と同じ)である。あまりの駅名の長さのため、案内やきっぷなどでは「白水高原駅」と略称する場合がある。なお、音節数も日本で一番長い駅名である。
 南阿蘇水の生まれる里白水高原駅構造は単式ホーム1面1線を有する地上駅。開業当初から無人駅である。十二角形の開放的なログハウス風待合所が置かれている。
川地橋の跨線橋よりの風景。
中松駅(なかまつえき)は、熊本県阿蘇郡南阿蘇村大字一関にある南阿蘇鉄道高森線の駅である。
 中松駅構造は相対式ホーム2面2線を有する地上駅。線内で唯一交換設備を有する。無人駅だが、凝ったデザインの駅舎がある。駅舎内では土曜・休日にそば屋が営業される。
 DB16形(DB161・162) - 2007年製。トロッコ列車「ゆうすげ号」の牽引に使用される機関車。 トラ70000形(トラ70001・トラ70002) - トロッコ列車「ゆうすげ号」でトロッコ客車として使用。 トラ20000形(トラ20001) - 2007年に新製されたトロッコ列車「ゆうすげ号」のトロッコ客車。
DB16形(DB161・162) 中松駅 - 阿蘇白川駅間の橋梁
中松駅 - 阿蘇白川駅間の吉田2号踏切より撮影。
中松駅 - 阿蘇白川駅間の竹崎踏切より撮影。
中松駅 - 阿蘇白川駅間の竹崎踏切より撮影。
 阿蘇白川駅(あそしらかわえき)は、熊本県阿蘇郡南阿蘇村大字吉田にある南阿蘇鉄道高森線の駅である。
阿蘇白川駅構造は単式1面1線ホームを持つ地上駅。
阿蘇白川駅 - 見晴台駅間の白川水源踏切より撮影。
阿蘇白川駅 - 見晴台駅間の橋梁。 阿蘇白川駅 - 見晴台駅間の水道橋?
阿蘇白川駅 - 見晴台駅間の跨線橋より撮影。
見晴台駅(みはらしだいえき)は、熊本県阿蘇郡南阿蘇村大字両併にある南阿蘇鉄道高森線の駅。
 駅構造は単式ホーム1面1線を有する地上駅。開業時は、駅名のとおりの屋上は見晴らしのいい展望台になっていたが、老朽化により現在のログハウス調の駅舎に改築された。無人駅となっている。
見晴台駅 - 高森駅間の上森山踏切より撮影。
見晴台駅 - 高森駅間の南在踏切より撮影。ここから湧水トンネル方向へ分岐していた。
見晴台駅 - 高森駅間の高森西踏切より撮影。
 高森駅(たかもりえき)は、熊本県阿蘇郡高森町大字高森にある南阿蘇鉄道高森線の駅で、同線の終着駅でもある。
 高森線は国鉄時代、高千穂線(現・高千穂鉄道高千穂線)と結ばれて九州横断鉄道の一部となる予定であったが、高森線開通時には高森〜高千穂間の工事予定がまだ決まっておらず、駅は利便性を考えて町の中心部に造られた。九州横断鉄道全通時には、高森トンネル(現在高森町が運営する高森湧水トンネル公園)の入口付近に駅が移転する予定であったが、高森トンネルの出水事故や国鉄再建法成立などにより九州横断鉄道建設は中止となり、駅移転の話も立ち消えとなった。
駅構造は単式ホーム1線1面のほかに留置線も持つ地上駅で、列車の停泊もある。
 MT-2000形(2001-2003) - 1986年製。MT-2001には「はなしのぶ」、MT-2002には「しらかわ」MT-2003には「りんどう」の愛称がある。
 C12241号機は昭和21年鹿児島区で指宿枕崎線で活躍し熊本区に転じ高森線の客貨牽引で最後の活躍をした。 高森駅前に屋根つきで保存されている。
廃線探索 高千穂鉄道(未成線)高森駅 - 高千穂駅
湧水トンネル公園は高森駅の南側、歩いて10分のところにあります。旧国鉄高森線と高千穂線を結ぶ工事が昭和48年12月から着手されましたが、昭和52年2月、突然トンネル工事で大量の出水に見舞われ、その後も度重なる出水事故が発生して中断となり、その結果、今は高森町の貴重な水源地となっています。トンネルの長さは2,055メートル。常時、毎分32トンの湧水量があり、この大量の湧水を利用して公園化されました。トンネル内550メートルが開放されていて、奥には流れ出る美しい水玉が落ちたり登ったりと不思議な動きをする「ウォーターパール」があります。トンネル内はひんやりと涼しく、夏は納涼スポットとして人気。夏は「七夕まつり」冬は「クリスマスファンタジー」のイベントが開催され、トンネル内は美しく幻想的な雰囲気に包まれます。
【開園時間】4月〜10月 9:00〜19:00 /11月〜3月 9:00〜18:00
【入園料】大人300円・子供100円 【休園日】なし(年中無休)
高森湧水トンネル公園はトンネル内の湧水で川になるほどの水量が有ります。
高森湧水トンネル公園トンネル入口。
 1975年2月、掘削中の高森トンネル(予定延長6500m)の入口から2050m地点の坑内で、地下水の水脈を切断してしまったために毎分36tの異常出水が発生、これにより高森町内の湧水8ヶ所が枯れ、井戸水を使用していた約1,000戸もの家庭で水道が断水するという事故が起きた。そのため鉄道公団側はトンネルからの水をポンプで吸い上げ、町内の家に配水するよう処置したが、被害は町内の水田約113haにも及んだ。翌年トンネル工事は一時中止となり、事故を巡って鉄道公団と地元との補償交渉が開始され、事故から10年以上経った1989年に補償協定が成立した。この出水事故が最大の要因となり鉄道敷設工事は中断のまま、その後の1980年国鉄再建法成立により工事予算が凍結され、全面的に中止となった。高千穂 - 高森間の工事の進捗率は30%であったが、当時鉄道公団高千穂鉄道建設所の話では「あと7年あれば全線開通出来る」状態であったという。異常出水により工事中断となった高森トンネルは、無償譲渡を受けた高森町が親水公園として整備を行い、現在は掘削された2055mの内550mが「高森湧水トンネル公園」として一般に開放されている。
かなりの湧水量が有ります。
湧水トンネル内はイルミネーションで飾られています。
鉄道のトンネルの名残で待避口が有ります。 ウオーターパール。
湧水トンネルの現在の行き止まり。大量の湧水が有ります。
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出典: 南阿蘇鉄道株式会社  (鮎返ノ滝)出典: 熊本県庁