更新日時 2015年11月01日

 留萠鉄道臨港線は、留萠港からの石炭・木材の積み出しのために建設された貨物線で、北岸線と南岸線の2路線を有した。この貨物線こそが本鉄道の名称の由来であり、炭砿線の使命を補完するものであった。当初は北岸線のみの鉄道敷設免許を得て旅客貨物営業を目論んだが、留萌港の築港工事に伴って南岸でも石炭荷役を行うことになり、南岸線(旅客貨物営業)を追加した。開業後は両線とも貨物営業のみを行い、南岸線の旅客運輸営業については、道庁の報告によればガソリンカーの導入も検討されたようだが、旅客用施設建設など具体化に至らず、留萠町内で乗合自動車の運行が始まると旅客営業の必要は薄れ、結局実現することのないまま営業廃止している。なお、1934年には南北両線で一時限りの旅客輸送許可を得ている。これは当時、北満に出兵していた第7師団の交代兵員を留萌港に輸送するため、第7師団より通知された日時に国鉄客車を直通運転するものであった。1934年には北岸線より分岐し古丹浜に至る約1.2kmを着工したが、古丹浜駅設置予定地の土地買収が予定通りに進まず、その手前に設けた仮古丹浜駅で木材を中心とする貨物扱いを行った。臨港線は留萠駅の改良に伴って1941年に買収国有化され、国鉄留萠駅の構内側線となった。列車の運行管理については、開業から買収に至るまで鉄道省に委託されていた。
留萠鉄道臨港線
南岸線 留萠駅 - 西留萠駅 1.2km
北岸線 留萠駅 - 北留萠駅 1.0km、分岐点(留萠起点0.3km) - 仮古丹浜駅 1.1km
 @留萌駅(るもいえき)は、北海道留萌市船場町2丁目にある北海道旅客鉄道(JR北海道)留萌本線の駅である。北海道北部の西海岸の中心都市・留萌市の中心駅。かつては日本国有鉄道(国鉄)羽幌線天塩炭砿鉄道線留萠鉄道臨港線の分岐駅であった。駅名の由来はルル・モ・ペ→ルルモッペ(潮入り→海水・穏やかな・もの→川)から転訛したもの。
 @留萌駅構造は相対式ホーム2面2線を有する地上駅である。朝の1本を除いて、駅舎側の1番のりばを使用する。ホーム間の移動は跨線橋を使う。当駅 - 増毛駅間がスタフ閉塞のため運転業務を取り扱う必要から、終日社員配置駅である。留萌本線の中間駅では現在唯一の運転取扱い駅でもある。営業担当社員は日中のみ配置のため、改札業務は7時50分 - 16時20分に限る。みどりの窓口・旅行相談室(営業時間:9時 - 17時30分、日・祝日・年末年始休業)を併設する。毛が増えるということで縁起物切符として人気の増毛駅の硬券入場券も取り扱う。かつては、留萌炭田の各炭鉱から産出される石炭の積出港として栄えた留萌港に広がる、広大な留置線と多数の貨物側線・転車台を有し、夜間滞泊の基地としても使われていた。2007年度(平成19年度)より、貨物側線跡・羽幌線ホーム跡の公園化が進められている。現在の駅舎は1967年(昭和42年)に建て替えられた2階建ての大きな建物である。立派な跨線橋があり、以前は羽幌線ホーム(4.5番線)方向へ長く伸びていたが、羽幌線が廃止となりその部分を取り壊している。待合室内に立ち食いそば・うどん店屋があり、駅舎2階にはFMもえるのスタジオが入居している。
A留萠鉄道臨港線の南岸線 留萠駅 - 西留萠駅間の廃線跡。
B留萠鉄道臨港線の南岸線 留萠駅 - 西留萠駅間の廃線跡。鉄橋が残る。
C留萠鉄道臨港線の南岸線 留萠駅 - 西留萠駅間の廃線跡。留萌線の留萌市街道路踏切より撮影。
D留萠鉄道臨港線の南岸線 留萠駅 - 西留萠駅間の廃線跡。橋台が残る。
E留萠鉄道臨港線の南岸線 留萠駅 - 西留萠駅間の廃線跡。橋台が残る。
F留萠鉄道臨港線の南岸線 留萠駅 - 西留萠駅間の廃線跡。
F留萠鉄道臨港線の南岸線 留萠駅 - 西留萠駅間の廃線跡。旧国鉄の境界杭が残る。
G留萠鉄道臨港線の南岸線西留萠駅跡。石炭を降ろす桟橋があった。
H留萠鉄道臨港線の北岸線 留萠駅 - 北留萠駅間の廃線跡。
I留萠鉄道臨港線の北岸線 留萠駅 - 北留萠駅間の廃線跡。仮古丹浜駅への分岐部分。
J留萠鉄道臨港線の北岸線 留萠駅 - 北留萠駅間の廃線跡。レールが残る。
K留萠鉄道臨港線の北岸線 留萠駅 - 北留萠駅間の廃線跡。レールが残る。
L留萠鉄道臨港線の北岸線北留萠駅跡。
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出典: 「国土地理院の電子国土Web(地図画像)『留萌市』を掲載」
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