更新日時 2009年12月31日
高千穂線(たかちほせん)は、宮崎県延岡市の延岡駅から宮崎県西臼杵郡高千穂町の高千穂駅に至る高千穂鉄道の鉄道路線である。以前は日本国有鉄道(国鉄)、九州旅客鉄道(JR九州)の路線であった。国鉄時代に建設中止となり未成線となった区間についても詳述する。路線距離(営業キロ):50.0km 廃止区間:延岡 - 槇峰間 29.1km 休止区間:槇峰 - 高千穂間 20.9km 軌間:1067mm 駅数:19駅(起終点駅含む)複線区間:なし(全線単線) 電化区間:なし(全線非電化)閉塞方式:特殊自動閉塞式。旧国鉄特定地方交通線であった高千穂線を転換して開業した路線。五ヶ瀬川に沿って宮崎県北部の工業都市延岡市と神話の里高千穂町を結ぶ。深角 - 天岩戸間の高千穂橋梁(全長353m)は日本一高い鉄道橋としても有名で、水面からの高さは105mある。そのため、旧国鉄時代から同橋梁上では乗客に対して眺望や高さを堪能させることも目的とした徐行運転を行っていた。しかし、2005年9月6日の台風14号による増水で第一五ヶ瀬川橋梁、第二五ヶ瀬川橋梁が流失するなど全線にわたって甚大な被害を受け、運行休止となった。宮崎県や沿線自治体が復旧費用の負担に難色を示したため、高千穂鉄道としての復旧・運行再開を断念し、全線廃止とすることが決定された。ただし、民間で復旧・運行再開をする企業・団体が現れれば譲渡を検討するとしており、宮崎県内外からいくつかの企業が名乗りを上げたほか、高千穂町の観光・商工関係者らが部分運行再開のための会社の設立準備をしている。地元資本による会社では、会社名を「神話高千穂トロッコ鉄道」(2008年4月に「高千穂あまてらす鉄道」と改称)とし、まずは日之影温泉 - 高千穂間での部分運行再開し、その後日之影温泉から槇峰、将来的には、かつて廃線となった延岡までの再開を目指している。なお、鉄道輸送休止後の延岡 - 高千穂間の鉄道輸送の代替的輸送は、既存のバス路線もあった宮崎交通を中心とするバス輸送によって実質的に行われている。 | |
宮崎県北部のローカル鉄道・高千穂線を経営していた第三セクター「高千穂鉄道」(同県高千穂町、TR)は2008年12月20日開いた取締役会で、2009年1月6日の臨時株主総会に会社の解散決議を諮ることを決めた。2008年12月28日には、国への槙峰‐高千穂間の廃止届が確定して全線廃線となり、73年の歴史に幕を閉じることから、会社の清算手続きを進める。同線は2005年9月の台風被害で全線不通となり、TRは同年12月に経営断念を決めていた。山間部の暮らしを支え、同県延岡市と高千穂町間約50キロを結んだ高千穂線は1935年に部分開通。TRは、JR九州から同線の運行を引き継ぐため、同県や沿線の1市2町などが出資して88年に設立された。同線存続をめぐっては、高千穂町観光協会などが2006年3月に民間会社を設立し、運行再開を模索。募金活動を展開するなどしたが、開業資金は確保できず、国から鉄道事業の許可を得るめどが立たなくなり、廃線を回避できなかった。TRは2009年3月末までに会社清算を終える予定で、土地や鉄道施設などの資産は沿線自治体へ無償譲渡される。高千穂町長でもある内倉信吾社長は「懸命な誘致活動で開通した高千穂線の廃線は非常に残念。譲渡を受ける資産は、鉄道が通っていたことを後世に伝えるような形で活用したい」と話した。鉄道事業法に基づき、路線廃止の1年前に国に届け出る廃止届は、06年9月に延岡‐槙峰間約29キロ(既に廃止確定)、07年12月に今回の槙峰‐高千穂間約21キロ分を提出していた。 | |
高千穂線廃止区間 延岡駅 - 西延岡駅 - 行縢駅 - 細見駅 - 日向岡元駅 - 吐合駅 - 曽木駅 - 川水流駅 - 上崎駅 - 早日渡駅 - 亀ヶ崎駅 - 槇峰駅 - 日向八戸駅 - 吾味駅 - 日之影温泉駅(日ノ影駅) - 影待駅 - 深角駅 - 天岩戸駅 - 高千穂駅 |
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廃線探索 高千穂鉄道 高千穂駅−日之影温泉駅間(2009年04月探索) 廃線探索 高千穂線未成線区間(2013年12月探索) |
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高千穂あまてらす鉄道リンク | TR高千穂鉄道 延岡駅。 |
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延岡駅(のべおかえき)は、宮崎県延岡市幸町3丁目4420番地に所在する九州旅客鉄道(JR九州)・日本貨物鉄道(JR貨物)日豊本線の駅。 2005年9月5日までは高千穂鉄道高千穂線が乗り入れていたが、台風14号の被害により運休となり、休止を経て2007年9月6日限りで廃止された。旧・高千穂鉄道は、JRの駅舎に接する単式ホームの北延岡(西延岡)方にあった切欠式ホーム1面1線を使用していて、夜間に停泊する運用があった。その南側に接して高千穂鉄道の小さな駅本屋が置かれ、ホームへは駅外部およびJRのホームから駅本屋の改札を通じて出入りするようになっていた。 | |
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西延岡駅(にしのべおかえき)は、宮崎県延岡市松山町にあった高千穂鉄道高千穂線の駅である。2007年の同線部分廃線によって廃駅となった。単式1面1線ホームの地上駅である。無人駅。待合室のみ設置である。 | |
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行縢駅(むかばきえき)は、宮崎県延岡市高野町にあった高千穂鉄道高千穂線の駅である。2007年の同線部分廃線によって廃駅となった。単式ホーム1面1線を有する地上駅。無人駅で駅舎はなく、待合室のみが設置されている。春には桜が咲く。 | |
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細見駅(ほそみえき)は、宮崎県延岡市細見町にあった高千穂鉄道高千穂線の駅である。2007年の同線部分廃線によって廃駅となった。単式1面1線ホームを持つ地上駅である。無人駅で待合室のみ設置。 | |
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日向岡元駅(ひゅうがおかもとえき)は、宮崎県延岡市岡元町にあった高千穂鉄道高千穂線の駅である。2007年の同線部分廃線によって廃駅となった。現在、ホームは撤去されている。島式ホーム1面2線の地上駅である。無人駅で駅舎はない。 | |
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吐合駅(はきあいえき)は、宮崎県延岡市北方町曽木にあった高千穂鉄道高千穂線の駅である。2007年の同線部分廃線によって廃駅となった。単式1面1線ホームの地上駅である。無人駅。待合室のみ。駅は床屋の脇道から入る。 | |
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曽木駅(そきえき)は、宮崎県延岡市北方町曽木にあった高千穂鉄道高千穂線の駅である。2007年の同線部分廃線によって廃駅となった。単式1面1線片面ホームの棒線地上駅で無人駅。駅舎は旧国鉄時代の木造駅舎。 | |
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曽木駅より先の橋は台風により流失している。 | |
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川水流駅(かわずるえき)は、宮崎県延岡市北方町川水流にあった高千穂鉄道高千穂線の駅である。2007年の同線部分廃線によって廃駅となった。島式1面2線ホームの地上駅である。無人駅。駅舎は旧国鉄時代の木造駅舎。 保線用設備を備えており高千穂線における保線の中心的役割を担っていたが、2005年の台風災害で保線用車両を含め駅全体が水没し壊滅。存続問題に大きな影響を与えた。 | |
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台風で流失した橋が有ったところ。 | 高千穂鉄道廃線跡。 |
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高千穂鉄道廃線跡左上 右五ヶ瀬川。 | 高千穂鉄道廃線跡。コンクリート橋。 |
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上崎駅(かみざきえき)は、宮崎県延岡市北方町上崎にあった高千穂鉄道高千穂線の駅である。2007年の同線部分廃線によって廃駅となった。単式1面1線片面ホームの棒線地上駅である。無人駅。駅舎は無く、緑色の待合室がある。現在では軌道が撤去され、面影がうっすらと伺える程度である。 | |
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上崎駅待合室の駅看板。 | 高千穂鉄道廃線跡 コンクリート橋。 |
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高千穂鉄道廃線跡 コンクリート橋。 | 全国で唯一、干支の十二支が字名となっている北方町の国道218号線に架かっています。(上崎駅〜早日渡駅間)【橋長 320m、水面からの高さ 80m】 |
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干支の町、北方町国道218号線に架かっています。車窓からの眺めは、まさに「天に架かる虹の橋」のようです。(早日渡駅〜亀ヶ崎駅間)【橋長385m 水面からの高さ100m】 | 早日渡駅に渡る橋 五ヶ瀬川 |
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早日渡駅(はやひとえき)は、宮崎県延岡市北方町早日渡にあった高千穂鉄道高千穂線の駅である。2007年の同線部分廃線によって廃駅となった。単式1面1線片面ホームの棒線地上駅である。無人駅。駅舎の代わりに公民館が設置されている。 | |
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亀ヶ崎駅(かめがさきえき)は、宮崎県延岡市北方町早日渡にあった高千穂鉄道高千穂線の駅である。2007年の同線部分廃線によって廃駅となった。単式1面1線片面ホームの棒線地上駅である。無人駅。簡単な待合室がある。 | 高千穂線の廃線跡 左コンクリート橋。 |
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槇峰駅(まきみねえき)は、宮崎県西臼杵郡日之影町大字七折にある高千穂鉄道高千穂線の駅である。 単式ホーム1面2線の地上駅である。無人駅。 かつては駅舎に面した所にホームがあったほか、交換設備や側線を持つ構造だったが、槇峰鉱山の閉山後は棒線化された。1995年に電子閉塞化された際に、交換設備を設けた。 2007年の部分廃止後は高千穂線の終端駅となっている。 |
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高千穂線の廃線跡 コンクリート橋。 | 日向八戸駅駅舎。 |
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日向八戸駅(ひゅうがやとえき)は、宮崎県西臼杵郡日之影町大字七折にある高千穂鉄道高千穂線の駅である。単式ホーム1面1線を有する。 | |
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霧が掛かり幻想的な風景である。 | |
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吾味駅(ごみえき)は、宮崎県西臼杵郡日之影町大字分城にある高千穂鉄道の高千穂線の駅である。単式1面1線片面ホームの棒線地上駅である。無人駅の割には、駅舎は赤い三角屋根の凝ったデザインとなっている。 | |
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高千穂線の廃線跡 コンクリート橋。 | 高千穂線の廃線跡 コンクリート橋。 |
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高千穂線の廃線跡 鉄橋。 | 高千穂線の廃線跡 第4五ヶ瀬川橋梁。 |
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日之影温泉駅(ひのかげおんせんえき)は、宮崎県西臼杵郡日之影町大字七折にある高千穂鉄道高千穂線の駅である。 | |
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日之影温泉駅。 | 日之影温泉駅 台風にて流失した線路。 |
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日之影温泉駅からコンクリート橋で続き右側のトンネルへ。 | 青雲橋,日之影川に架かる鉄橋の遥か上空に、アーチトラスの偉容を誇ります。水面からの高さは日本一。列車は徐行してご案内していました。(日之影駅〜影待駅間)【橋長 410m、水面からの高さ 137m】 下高千穂鉄道廃線鉄橋 |
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影待駅(かげまちえき)は、宮崎県西臼杵郡日之影町大字七折にある高千穂鉄道の高千穂線の駅である。 断崖絶壁と凄い場所に建っている。国道218号に近いが、車道から駅へ向かうには急な階段を5,6箇所も昇り降りしなくてはならない。アクセスが悪く、利用客が少ない。秘境駅とも呼ばれている。単式1面1線片面ホームの棒線地上駅である。無人駅で、駅舎はなく簡素な待合室のみである。 |
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深角駅(ふかすみえき)は、宮崎県西臼杵郡日之影町大字七折にある高千穂鉄道の高千穂線の駅である。駅は国道218号の下にあるが、急斜面に建っていてアクセスが悪く、利用客が少ないことから秘境駅と呼ばれている。単式1面1線片面ホームの棒線地上駅である。無人駅で、駅は渓谷の斜面に設置されている。 | |
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国道218号線のアーチ橋。 | 旧道 県道237号線は通行止めだ。 |
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高千穂線の廃線跡 コンクリート橋。 | 高千穂線の廃線跡 コンクリート橋。 |
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天岩戸駅(あまのいわとえき)は、宮崎県西臼杵郡高千穂町大字三田井にある高千穂鉄道高千穂線の駅である。日本全国で有名な天岩戸神社の最寄駅である。(駅から7kmほど、車で5分)単式1面1線片面ホームの棒線地上駅である。無人駅で、駅は渓谷の斜面に設置されている。国道218号線の雲海橋の上流に架かる鉄道橋です。水面からの高さ105mは東洋一を誇ります。この岩戸川上流4kmのところに、天の岩戸神社があります。列車は徐行してご案内いたします。【橋長352m、水面からの高さ105m】 | |
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民間で復旧・運行再開をする企業・団体が現れれば譲渡を検討するとしており、宮崎県内外からいくつかの企業が名乗りを上げたほか、高千穂町の観光・商工関係者らが部分運行再開のための会社の設立準備をしている。地元資本による会社では、会社名を「神話高千穂トロッコ鉄道」(2008年4月に「高千穂あまてらす鉄道」と改称)とし、まずは日之影温泉 - 高千穂間での部分運行再開し、その後日之影温泉から槇峰、将来的には、かつて廃線となった延岡までの再開を目指している。 | |
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高千穂駅(たかちほえき)は、宮崎県西臼杵郡高千穂町大字三田井にある高千穂鉄道の高千穂線の終点駅である。 島式1面2線ホームの地上駅で、延岡駅以外では唯一の有人駅。駅の先端には車止めの代わりに車両基地がある。国鉄時代は停泊がなく、折り返していたが、高千穂鉄道になって車庫が設置され、列車の停泊が行われるようになった。 | |
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橋が流失したため高千穂駅に取り残されている。 | 経営断念のお知らせ平成18年1月31日。 |
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