更新日時 2013年11月24日
鍛冶屋原線(かじやばらせん)とは、かつて徳島県板野郡板野町の板野駅から同県板野郡上板町の鍛冶屋原駅までを結んでいた、日本国有鉄道(国鉄)の鉄道路線。1972年(昭和47年)1月16日に廃止された。1923年(大正12年)に阿波電気軌道(後に阿波鉄道に改称)の手で池谷 - 阿波大寺(後の板西、現・板野) - 鍛冶屋原間が開業し、1935年(昭和10年)の高徳本線(現・高徳線)全通と同時に、板西 - 鍛冶屋原間が鍛冶屋原線として分離され盲腸線となった。開業当時は、牽引する蒸気機関車の出力不足が原因で、多客の際に列車が犬伏駅付近の上り坂で頻繁に立ち往生したことから、地元では「急ぎゃ自転車、急がにゃ歩け、なおも急がにゃ汽車に乗れ。」と揶揄されていた。戦争中は不要不急線に指定されて1943年(昭和18年)11月より営業休止となったため、国鉄は代替に国鉄バス(当初は鍛冶屋原線、1946年(昭和21年)に穴吹駅まで延長されて阿波線となる)を運行した。戦後、1947年(昭和22年)に営業を再開したが、徳島バスの路線と競合する関係となった。また、鉄道の再開後も国鉄バス路線は引き続き営業した。自動車が普及する以前から乗車率が低かったため、全国屈指の赤字ローカル線として有名な存在だった。国鉄は1961年(昭和36年)ごろに板野・鍛冶屋原間の国鉄バスの運行を休止し、鉄道に一本化することで効率化を図った。しかし状況は改善されず、列車の本数を1968年(昭和43年)10月1日国鉄ダイヤ改正で3往復削減(改正後は1日13往復)、その後も削減されたのちに最終的に1972年(昭和47年)に廃止された。赤字83線に指定され、実際に廃止された数少ない路線の一つである。廃線跡の大半は県道鳴門池田線に転用されている。なお「鍛冶屋」の漢字が難しいため、沿線の商店のチラシなどでは「かじや原線」「カジヤ原線」など、ひらがなやカタカナで表記することも多かった。 | |
鍛冶屋原線(廃線) 板野駅 - 犬伏駅 - 羅漢駅 - 神宅駅 - 鍛冶屋原駅 |
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@板野駅(いたのえき)とは、徳島県板野郡板野町大寺平田にある、四国旅客鉄道(JR四国)高徳線の駅である。駅番号はT07。板野 - 引田間は利用者が減少するため、徳島駅方面からの普通列車はこの駅で折り返す便が多い。1972年まで、隣の上板町鍛冶屋原へ6.9kmの鍛冶屋原線が運行されていた。 | |
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@板野駅構造はホームは島式2面3線(2面4線の1線を外した3線)である。かつては構内踏切があった。駅舎は地上駅で、駅舎内部にはタッチパネル式の自動券売機(オレンジカード利用可)が1台設置されている。業務委託駅で、みどりの窓口が設置されていたが廃止された(廃止後も指定席券は購入可能)。キオスクは撤退した。駅スタンプがある。便所は男女別の汲み取り式。 | |
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@堀川工機株式会社製の軌道モーターカー。形式:WD-H18TA。レールの保線用に使われている。 | |
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A鍛冶屋原線の板野駅 - 犬伏駅間の廃線跡。道路に転用されている。 | |
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B鍛冶屋原線の板野駅 - 犬伏駅間の廃線跡。道路に転用されている。 | |
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C鍛冶屋原線の板野駅 - 犬伏駅間の廃線跡。道路に転用されている。 | |
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D犬伏駅(いぬぶしえき)は、かつて徳島県板野郡板野町犬伏に存在した日本国有鉄道(国鉄)鍛冶屋原線の駅(廃駅)である。電報略号は、イヌ。廃止時の構造はホーム1面1線。ホームに隣接して木造駅舎が建っていた。 | |
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E鍛冶屋原線の犬伏駅 - 羅漢駅間の廃線跡。道路に転用されている。 | |
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F鍛冶屋原線の犬伏駅 - 羅漢駅間の廃線跡。道路に転用されている。 | |
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G羅漢駅(らかんえき)は、かつて徳島県板野郡板野町羅漢に存在した日本国有鉄道(国鉄)鍛冶屋原線の駅(廃駅)である。電報略号は、ラカ。駅構造は営業末期はホーム1面1線。ホームに隣接して木造駅舎が建っていた。 | |
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H鍛冶屋原線の羅漢駅 - 神宅駅間の廃線跡。道路に転用されている。 | |
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I鍛冶屋原線の羅漢駅 - 神宅駅間の廃線跡。道路に転用されている。神宅東バス停。 | |
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J神宅駅(かんやけえき)は、かつて徳島県板野郡上板町神宅に存在した日本国有鉄道(国鉄)鍛冶屋原線の駅(廃駅)である。電報略号は、カン。駅跡は現在ではバス停となり、小さな公園が整備されている。 | |
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K鍛冶屋原線の神宅駅 - 鍛冶屋原駅間の廃線跡。道路に転用されている。上板中学前バス停。 | |
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L鍛冶屋原線の神宅駅 - 鍛冶屋原駅間の廃線跡。道路に転用されている。 | |
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M鍛冶屋原線の神宅駅 - 鍛冶屋原駅間の廃線跡。道路に転用されている。上板町役場前。 | |
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N鍛冶屋原駅(かじやばらえき)は、かつて徳島県板野郡上板町七条字西栗ノ木に存在した日本国有鉄道(国鉄)鍛冶屋原線の駅(廃駅)である。電報略号は、カチ。廃止時の駅構造は小規模な機関車駐泊所を備えた駅であった。当駅跡の一角(阿波銀行とITセンタ−の狭間)には、記念の碑が建てられている。 | |
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