更新日時 2010年08月18日

 九州鉄道記念館(きゅうしゅうてつどうきねんかん)は、福岡県北九州市門司区清滝二丁目3番29号にある鉄道に関する博物館である。2003年8月9日に開館した。門司港駅の近くにあり、館の土地、建物、展示物は九州旅客鉄道(JR九州)の所有物であるが、管理運営は北九州市の指定管理者が行っている。敷地面積約7800平方メートル。旧0哩標がある。また、2007年(平成19年)11月30日には、本館(旧九州鉄道本社)が近代化産業遺産(北九州炭鉱 - 筑豊炭田からの石炭輸送・貿易関連遺産)に認定された。本館、車両展示場、ミニ鉄道公園の3つのエリアで構成されている。本館は1891年に建築された赤レンガ造りの初代九州鉄道本社社屋(のち鉄道院、鉄道省、国鉄が使用)を転用しており、九州鉄道の客車チブ37号をはじめ、鉄道模型(ジオラマ:演出時のナレーションは小島一慶)やヘッドマークの展示、門司港 - 門司間の疑似運転体験ができる運転シミュレーター、キッズルームなどがある。車両展示場では鉄道車両8両が保存されている。日本の鉄道の博物館では全国初であるミニ鉄道公園では、屋外に設けられた450mmゲージのレール上を走る模型鉄道車両(787系・813系・883系・885系・キハ72系)に乗車し、運転することができる。ただし実際は自動運転である。入場料は大人300円・子供150円で、SUGOCAを利用する場合は2割引となる。
 門司港駅(もじこうえき)は、福岡県北九州市門司区西海岸一丁目にある九州旅客鉄道(JR九州)鹿児島本線の駅である。鹿児島本線の起点。関門トンネルが開通するまで九州の鉄道の玄関口であり、対岸の下関駅との間に就航した関門連絡船との連絡中継駅として賑わった。駅舎は国の重要文化財に指定されている。駅構内には戦前から使用されている洗面所、手水鉢、上水道など様々な歴史的資産が存在する。現在は別用途に使用されているが、「一・二等客待合室」・「チッキ(手荷物)取扱所」・「貴賓室」・「関門連絡船通路跡」等も残されている。
 門司港駅構造は頭端式2面4線のホームの地上駅。3番線はホームに面していない留置線に付けられているので南側から1〜5番線となっている。また、隣接して車両基地(門司港運転区)がある。JR九州直営駅。また、みどりの窓口が設置されており、自動改札機もある。自動改札設置の提案が出たときには「レトロなイメージを壊す」として地元から反対意見が多数出たが、塗装を茶色にして目立たなくするということで同意ができ、現在でも問題なく稼動している。駅の東側の車両留置線の中からさらに北の方向へ、かつては外浜駅まで鹿児島本線の貨物支線が伸びていた。この路線は2005年に営業が休止された後、線路はそのままになっていた。この線路を再利用する形で、2009年4月26日に第3セクター平成筑豊鉄道の手で門司港レトロ観光線のトロッコ列車が運行を開始している。
 2つのホームの間には日本の鉄道開業100周年を記念して建立された九州の鉄道起点を示す0哩(マイル)標がある。ここは九州鉄道の起点となったところです。明治24年4月1日この門司港駅(当時の門司駅)から玉名駅(当時の高瀬駅)まで鉄道が開通しました。この時に門司港駅に0哩標が建植され九州の産業と文化はここを起点として伸びる鉄道と共に栄えてまいりました。その後駅舎の移転により0哩標は撤去され今日に至りました。ここに鉄道開業100周年を記念して先人の偉業をしのびつつ再び0哩標を建立しました。
 関門連絡船通路跡には旧日本軍の命令で設置された渡航者用監視窓の跡も残っている。これは当駅が外来航路の寄港地だったため、戦時下の不審者を発見する格好の場所だったとされるためである。
九州鉄道記念館入口。
 旧門司駅駅名標。旧0哩標:ここは九州鉄道が、明治24年に門司駅を開業したとき九州鉄道(鹿児島本線)の起点と定めたところです。九州の鉄道網の形成の原点となった場所です。その後、大正3年に駅が今の位置に移り、駅跡が無くなってしまいましたが、鉄道百年を記念して標識が埋められました。鉄道記念館の開館にあたって旧0哩標として立体的に復元しました。
 日本国有鉄道 59634号 製造初年:1922 製作社等:川崎造船所
9600型は初の国産貨物機関車で770両が作られました。その活躍の場は九州全域に及び、キュウロクの愛称で親しまれました。特徴は動輪上にボイラーあるため、車体高が高いことです。この機関車は昭和49年に米坂線から後藤寺機関区に転属してきました。遠くやって来た機関車はその番号から「ごくろうさんよ」とファンの間では呼ばれていました。筑豊地区で働いたのは1年足らずでしたが北九州地区最後の蒸気機関車の1両となっています。
 日本国有鉄道 C59 1号 製造初年:1941 製作社等:汽車製造会社
東海道、山陽本線の主力機関車として誕生。昭和31年に門司に配属され、寝台特急「あさかぜ」を始め、急行「雲仙」などに使用され、昭和37年には、熊本に転属。この年に誕生した熊本初の特急「みずほ」も牽引しています。昭和40年の熊本電化が完成した時点で、本線用で軸重が重く転属先がないことから廃車となりました。同型の9両は解体されましたが、この車両は準鉄道記念物として小倉工場で展示保管されていました。廃車までに地球62周分を走行しています。
 日本国有鉄道 EF10 35号 製造初年:1941 製作社等:東芝
昭和17年の関門トンネル開通時にこの区間だけが孤立した電化区間となり、トンネル専用のEF10型直流電気機関車が配置され、下関と門司で機関車がつけれかえられました。昭和36年に九州側が交流2万ボルト、本州側が直流1千5百ボルトの電化となり、交直両用機関車に役目を譲ることになりました。この機関車はその後、本州各地で昭和54年まで使用され、引退後は門司大里公園で保存されていました。
 日本国有鉄道 ED72 1 号 製造初年:1961 製作社等:東芝
北九州電化で使用する交流電気機関車として登場。暖房用ボイラーを載せているため、車長が長く中央に動力の伝わらない中間台車があるのが特徴です。暖房が蒸気から電気に変わり、ボイラーも不要となったため、旅客用に限定する必要もなくなり晩年は貨物列車にも使用されていました。この車両は試作機関車で他の同型機とは若干趣が異なっていますが、九州初の交流電気機関車として北九州市門司区の老松公園に保存されていました。
 日本国有鉄道 キハ07 41号 製造初年:1937 製作社等:日本車両
戦前の代表的な機械式(クラッチで変速する方式)気動車で、連結運転の時は双方の運転士が合図しながら走っていました。昭和27年にガソリンエンジンをディーゼルエンジンに変更。この車両は昭和32年に豊後森機関区に配置され、宮原線で使用されました。昭和44年に引退となり豊後森機関区や大分運転所で大切に保管されていました。戦前に製造された同型車で原形を保っているのはこの車両だけです。
キハ07 41号サボと車内。
 日本国有鉄道 クハ481 603号 製造初年:1969 製作社等:日本車両
昭和33年に登場した電車特急「こだま」型の発展型で、熊本電化にあわせて誕生したのが交流・直流の両方で運転できる481系です。この車両は昭和44年にクロ481-5として誕生、東北地方で活躍していましたが、昭和58年に鹿児島車両所に配属となり、普通座席車へ改造されてクハ 481-603と車号が変わりました。九州では特急「にちりん」、「かもめ」、「有明」として使用されたのち、平成9年以降は小倉工場で保存されていました。
 日本国有鉄道 クハネ 581 8号 製造初年:1968 製作社等:日立製作所
世界初の寝台電車特急「月光」としてデビュー。昼間は座席特急として昼も夜も運転できる便利な特急用車両です。昭和45年には仲間も増え「つばめ」、「はと」などの関西、九州間特急に使用されました。昭和59年に小倉工場で普通電車に改造され交流電車715系(クハ7151)として生まれ変わり、おもに長崎、佐世保線で平成12年まで活躍しました。廃車後は登場当時の特急塗装に戻され小倉工場に保存されていました。
クハネ 581 8号車内。  セラ1形石炭車(貨車) セラ1239鞍手町中央公民館で保存されていたものを修復・移設した。九州の石炭車の歴史は九州鉄道が開業時にドイツから7トン積み15両を輸入したことに始まります。その後、国産車も加わり石炭全盛期の昭和34年には全国で8000両を超えています。これらの多くは九州で使われ、50両以上も連結された石炭専用貨物列車が筑豊地区を中心に走っていました。この車両は17トン積のホッパ車で石炭専用の底開式になっています。
 旧九州鉄道本社屋:1888年(明治21年)九州最初の鉄道会社として「九州鉄道会社」が設立されました。この会社は1889年(明治22年)に博多〜高瀬(玉名駅)を開業した時点でここを起点と定め、ここから九州各地への鉄道網を形成しました。当初は博多に仮本社を置いていましたが、門司駅の開業と同時に本社として建てられたのがこの建物です。以後、鉄道院、鉄道省、日本国有鉄道、九州旅客鉄道株式会社などと名前は変わりましたが、一貫して鉄道の中枢機能を担う建物として使われてきました。門司港レトロ地区で保存されている建物の中でも、古いもののひとつです。
 この車両は九州鉄道が設計した客車で、全部で47両製作されたもののうち37両目の車両です。国の鉄道(当時は鉄道院)の車両番号ブチ37として明治42年(1909年)に誕生したこの客車は、約20年間活躍した後、昭和4年に耶馬溪鉄道(大分交通耶馬溪線)に譲渡されました。この客車は昭和46年まで同線で活躍しました。その後、中津市の「汽車ぽっぽレストラン」で保存されていましたが、当館の建設にあたって寄贈され、生まれ故郷の小倉工場で開館にあわせて約95年ぶりに往時の姿に復元されたものです。
当時の客車は畳敷きだった。
1F館内の雰囲気。 九州鉄道記念館限定鉄道ラムネ1セット1000円。
川崎造船所兵庫分工場鐵道部製造。 硬券の型。
硬券類。
2F展示物。 2Fより1Fの吹き抜けを見る。
2F展示物。 展示レールにしては長すぎです(笑)
名門列車「つばめ」 のヘッドマーク。 九州を走った列車たちのヘッドマーク。
 九州を舞台にしたHOゲージ(線路幅16.5mm)の鉄道模型。博多駅、門司港駅からJR九州を代表する列車が次々と発車し、迫力ある映像とナレーションで楽しめます。 ぜひ九州の鉄道大パノラマがおりなす九州一周の旅をお楽しみ下さい。ショーを行っていない時には、実物のマスコンを活用した運転操作卓からHOゲージを 操作できるようにするほか、パノラマ内にCCDカメラを設置し、模型の世界への没入感を高め、 より楽しんでいただけます。また、2階の床面が一部ガラス張りになっており、パノラマ模型を真上から覗くこともできます。 屋外の軌道自転車。
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出典: 九州鉄道記念館
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