更新日時 2023年09月10日

 長島鋳物株式会社は1945年(昭和20年)鋳物のまち川口市に誕生し、以来上下水道の歴史と共に歩んできた国内唯一のグラウンドマンホール(マンホール鉄蓋)専業メーカーです。開発コンセプトは「従来の枠に捕らわれない幅広い視野と、蓄積された技術と経験により、時代のニーズのトップランナーであること」です。時代の扉を開けながら、これまで市場に提供してきた商品の数々を見るとき、日本のグラウンドマンホールの歴史がそこに展開されています。強度や耐用年数が問題とされた時代から、デザインや色彩を追及した時代を経て、21世紀の長島鋳物は「安全」と「環境」をテーマにした商品を提供しております。豪雨などによる鉄蓋の浮上・飛散防止の自動ロック付きグラウンドマンホール、雨の日の二輪車にも安全なノンスリップ・グラウンドマンホール、除雪車の作業も安心な除雪対応グラウンドマンホール、緊急時に下水道マンホールカバーから簡単に災害用トイレへと変身する「エペットさん」、美しい河川の再生のための護岸工事用鋳鉄枠「鋳田籠(ちゅうたろう)」などなど。社是は人間は意欲し創造することによってのみ幸福である。
長島鋳物
長島鋳物株式会社久喜工場。
〒340-0201
埼玉県久喜市八甫2丁目34番地
TEL 0480-58-2211(代表)
FAX 0480-58-5665
※通常は工場見学はおこなっておりません。今回は歩鉄の達人のマンホール製作をお願いした縁で、工場見学をさせて頂きました。
久喜事業所は約50名ほど働いています。
長島鋳物株式会社。
久喜事業所配置図。
ミニチュアマンホール受枠製作体験見学会。
(2023年08月29日)
ミニチュアマンホール受枠製作体験見学会。たけし軍団が見学に来たみたいだ。
(2023年08月29日)
ミニチュアマンホール受枠製作体験見学会。マニアパさんの手書きイラスト及び鉄蓋Tシャツ。
(2023年08月29日)
カラーマンホールの塗料の耐候試験。
(2023年08月29日)
カラーマンホールの塗料の耐候試験のレベル出しにミニチュアのマンホールが使われている。
(2023年08月29日)
中子を乾かすのに夏場でもストーブを焚いています。
(2023年08月29日)
ミニチュアマンホール受枠製作体験。ミニチュアマンホールは機械で大量生産出来ますが受枠製作は1個1個手作りなのでコストがかかります。
(2023年08月29日)
出来た鋳型及びミニチュアマンホール受枠。
(2023年08月29日)
中子用の砂を出来た鋳型及びミニチュアマンホール受枠製作に使います。水ガラスが混ぜてあり、炭酸ガスで硬化させます。
(2023年08月29日)
型枠に砂を詰めて行きます。
(2023年08月29日)
砂を詰めた後は軽く木槌で叩きます。
(2023年08月29日)
余分な砂をそぎ取ります。
(2023年08月29日)
型枠を軽く叩いて砂が硬化した後に取れやすくします。
(2023年08月29日)
炭酸ガスを吹きかけて砂を硬化させます。
(2023年08月29日)
砂が硬化した後に再び木槌で型枠を叩いて外れやすくします。
(2023年08月29日)
型枠を外したところです。
(2023年08月29日)
型を外したところです。細かい平行四辺形が一部潰れてしまいました。意外と鋳型の製作は難しいです。
(2023年08月29日)
上側の鋳型を同じ要領で製作します。
(2023年08月29日)
鋳型に砂を詰めて行きます。
(2023年08月29日)
上側の鋳型が出来ました。
(2023年08月29日)
鋳型に湯(溶けた鉄)を流し込んだところです。
(2023年08月29日)
冷えて固まったところです。
(2023年08月29日)
鋳型をハンマーで叩いて壊します。
(2023年08月29日)
前回見学後に設備更新をした場所の差分をUPします。鋳型の砂をプレスするプレス機です。
(2023年08月29日)
中子をセットしていきます。間違わないように画面を見ながら確認して行きます。
(2023年08月29日)
湯(溶けた鉄)をホイストクレーンで運搬します。
(2023年08月29日)
湯の注湯を自動化にしました。
(2023年08月29日)
自動注湯ライン及び冷却ラインです。
(2023年08月29日)
黄色は鋳型の不良で注湯をしていない鋳型です。
(2023年08月29日)
カラーマンホールの色づけで仕切りが無い場所は粘土で土手を作り色づけしているそうです。手間のかかる作業です。約60カ所有るそうです。
(2023年08月29日)
マンホールナイト長島鋳物見学会打ち上げ後の酔っ払いの集団です。写真が暗いため誰が居るか全く解りません。(2015年9月5日)
今回の見学会のために食堂に用意して頂いた木型です。
(2015年9月5日)
お昼はお弁当を用意して頂きました。400円。
(2015年9月5日)
マンホールと同じ素材で出来た小型のレプリカです。
(2015年9月5日)
今回、お土産でもらった小型のマンホールのレプリカ。
上記レプリカのマンホールをオリジナルカラーマンホールを作成するため、蛍光塗料とインジェクターを買いました。
まずは、蛍光塗料用アンダーコートの白色を塗ります。下地が白以外の時に使います。色づけすると模様がハッキリ解ります。
アサヒペンの水性蛍光塗料で色づけしました。オリジナルカラーマンホールの出来上がりです。
このマンホールは蓋を開ける穴が無いエラーマンホールで、工場内の下水の蓋として使われていますが、二度と開かないそうです。
(2015年9月5日)
工場内に生えていたキノコです。
見た目はあんパンみたいで美味しそうです。
(2015年9月5日)
歩鉄の達人の木型です。
木型の値段は内緒です(笑)
以下は2013年10月に見学した内容です。マンホールナイトの見学会ではSNSに写真のUPは禁止でしたが、以下の写真は公開の許可を得ています。
木型の保管庫です。
小型の型の保管庫です。
自治体のマーク等、木型の一部を交換します。
マンホールの種類は上記組み合わせ等で長島鋳物さんで、約50,000種類有るそうです。
表の型と裏の型を合わせて使います。これは裏側の型で後ろのリブの高さは強度により違うみたいですね。丸い孔付は雨水用ですかね。
砂の投入工程です。
上から砂を落として行きます。
鋳物用の砂は純度の高い桂砂に特別な添加物を混ぜて固めます。
振動を掛けて圧縮して固めます。
造形後の砂型です。
触って見ましたが、かなり固いですね。
この後の工程で、表の型と裏の型を自動で重ね合わせます。
表と裏を重ね合わせた型に重しをの載せます。
型は表が下側になります。
メーカーによって重しを載せたり、クリップ形式だとか、金型自体が重しにしているメーカーがあるそうです。
これは別の工程の砂型です。
こちらは、砂に樹脂を混ぜて固めます。
型の表面を滑らかにするために、シルトにアルコールを混ぜたものを吹き付けます。
シルトを吹き付けた後に、混ぜていたアルコールに火を付けて乾かします。
マンホールに使われる高級スクラップです。スクラップ成分の保障付きだそうです。
スクラップを電気炉に入れて溶かします。それに桂砂等を入れると、不純物が浮いてきます。それを取り除いて湯(鐵を溶かしたもの)が出来上がりです。
出湯です。
出湯の温度はとても高温だそうです。
電気炉のため、夏場は東京電力の要請で、平日を休みにして土日出勤したそうです。
出湯したものを小分けします。
注湯工程です。
下側から炎が出ていますが、砂に混ぜていた添加物が燃えています。
燃えた添加物からのガスで鋳物の表面を滑らかにし、鋳物と砂が付着するのを防ぎます。
湯(鐵を溶かしたもの)を入れる作業も作業員の手作業で、熟練度が必要となります。
注湯ユーチューブ動画リンク
鋳物が冷えたら、砂型から鋳物を取り出します。
注入部分の不要な部分を取り外します。取り外した部分は再度溶かして再利用します。
ショット・ブラスト処理をして、表面を軽く削り取ります。
ショットブラスト は、単にブラストとも呼ばれ、投射材と呼ばれる粒体を加工物(ワーク)に衝突させ、ワークの加工等を行う手法である。この手法は主にワークのバリの除去、表面研削、梨地加工のような模様付けなど広い意味での研削に用いられているが、金属の表面近傍に残留圧縮応力を付与させることによりばねやギアなどの疲労強度の向上、耐応力腐食割れの向上等にも用いられ、これを「ショットピーニング」という
ショット・ブラスト処理後のバリ取り工程です。
カバー(蓋)加工ラインです。
蓋の外周部を削り加工します。
受枠(フレーム)を削り加工しています。
受枠加工後に削りカスをバキュームで掃除します。
粉体塗装ラインです。
粉体塗装(パウダーコーティング)とは、有機溶剤や水などの溶媒を用いない100%固形分の粉末状(固体)の粉体塗料を使用して、主に静電粉体塗装法(吹き付け塗装)にて行われる工業塗装法です。被塗装物の素材は金属類が主体であり、工業塗装方法として多用途に利用されています。粉体塗装による完成塗膜は、塗料に使用される高分子樹脂の特性により高膜厚で優れた塗膜強度、耐化学薬品性、耐食性、耐候性を保持しています。粉体塗料は1回の塗装で200ミクロン位まで膜厚が自由に得られます。
粉体塗装工程で静電気で塗料を付着させます。
粉体塗料を付着させた後、焼き付け工程で焼き付けを行います。
エポキシ樹脂の注入工場です。
エポキシ樹脂の注入工程です。
エポキシ樹脂はマンホール専用の調合がされています。
YouTube動画リンク
歩鉄の達人のマンホール完成です。エポキシ樹脂の硬化時間は24時間〜48時間です。
今回のマンホールの製作値段は内緒です(笑)
長島鋳物さんも個人用のマンホール製作は初めてと言っていました。
浮上防止実験装置。
大量の水を下から吹きだして、マンホールの蓋が外れないか試験を行います。
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出典: 長島鋳物株式会社
マンホール製作工場 長島鋳物