更新日時 2010年10月18日

 王滝村で2010年10月10日「王滝森林鉄道フェスティバル2010」が開かれた。記録映画の上映や講演で王滝森林鉄道の歴史を振り返り理解を深めるほか、体験乗車などで往時をしのんだ。王滝村と上松町を結んだ王滝森林鉄道は1975(昭和50年)年5月に廃線に。フェスティバルは廃線から30年を記念して2005年5月に初めて開き今回で3回目となる。今回は2005年11月に王滝村の松原スポーツ公園で始まった軌道の保存事業が2010年7月に一段落し、本線の延長が832mとなったのを記念した。木曽谷の林業や生活にとって多大な功績を残した木曽王滝森林鉄道の鬼渕(上松)〜三浦(王滝)間が開通してから80 年。昭和50年木曽森林鉄道王滝本線は永い役目を終えて廃線となったが、今も木曽の生活の歴史にとって貴重な遺産として、多くの人々に全盛時代の姿が語り継がれている。
ディーゼル機関車132号機と木材を積んだ運材台車動画リンク
モーターカーNo.4,No.14, 関西電力モーターカー,ディーゼル機関車142号機とB型客車動画リンク
 この日は前日の雨が嘘のように晴れて御嶽山が見える。 せせらぎ線開通出発式のテープカット。
王滝森林鉄道保存会。 動態保存車輌群が出発を待ちます。
給油タンクなど実際に使われていた物が現存します。
せせらぎ線の線路。松原スポーツ公園は埋立てられた為、王滝森林鉄道の旧線路跡は約20m下になる。
せせらぎ線の線路。松原スポーツ公園は埋立てられた為、王滝森林鉄道の旧線路跡は約20m下になる。
一番の撮影ポイント。 せせらぎ線の踏切。
せせらぎ線は現在ここで折り返す。折り返しのための入れ替え線が有る。
せせらぎ線開通出発式を待つディーゼル機関車142号機とB型客車。
 昭和50年10月製造のB型客車。B型客車の車体は上松運輸営林署の工機課製で、台車が岩崎レール工業製。王滝村により滝越の水交園に展示保存されていたB型客車は主に支線で使用されていた小型のもので、永らく水交園で保存展示されていましたが、2009年の初夏に松原ワークスに搬入し、王滝村の有志の手により約2年間かけてレストアされ2010年10月の森林鉄道フェスティバルで御披露目。
B型客車内の風景。 ディーゼル機関車142号機
ディーゼル機関車142号機とB型客車。行きはバックで牽引し、帰りは前向きで牽引する。
 ディーゼル機関車132号機と木材を積んだ運材台車。No.132はマニュアルクラッチ車です。新製後すぐに上松営林署に配属され小川線の支線などで活躍していました。昭和41年に王滝営林署に転属し、昭和40年代後半は主に三浦本谷線(本谷〜麦島)で活躍していました。うぐい川線が廃止された後も、しばらくは田島停車場構内に留置されていましたが、その後王滝村に譲渡され松原スポーツ公園に展示保存され現在に至っています。
ディーゼル機関車132号機。形式 DB5 A型5t
製造年 昭和35年 製番 6330
SAKAI WORKS SHIBAURA TOKYO
 王滝村により松原スポーツ公園に展示保存されていた運材台車は、日本農林機械で製造された。木曽谷では日本農林機械製の運材台車は少数派で、運転手たちからは脱線しやすいと不評でした。森林鉄道フェスティバルに向けて2007年にレストアしました。
 関西電力では王滝本線廃止後も滝越〜三浦ダム間で人員や物資の輸送のため軌道を使用し続けていました。昭和50年に岩崎レールで落成し、その後、昭和51年にもモーターカーを新製しています。林道の整備やダムの遠隔監視システムの発達により昭和54年5月にさよなら運転を行い、木曽谷での使命を終えました。これら2両のモーターカーは昭和54年の12月に黒部峡谷鉄道に譲渡され、翌年4月より整備の上、保線車として新たな活躍が始まりました。りんてつ倶楽部で保存中の昭和50年製は保線車No.1、昭和51年製は保線車No.2となりました。その後、昭和61年10月に協三工業製4.1tの保線車が新製され保線車No.1の名称が受け継がれました。昭和50年製のモーターカーは、この時点でNo.2に改番され、昭和51年製のモーターカーは廃車になっています。平成11年春に協三工業製の5.6t保線車が保線車No.2として新製導入され、これにともない昭和50年製も廃車解体される運命となりました。これを、りんてつ倶楽部が解体業者より救いだし、20年ぶりに木曽谷へ里帰りした昭和50年製のモーターカーは、新製時から約24年の比較的短い生涯だった事になります。
関西電力のモーターカー車内。 関西電力のモーターカー走行風景。
関西電力のモーターカー走行風景。
 トラックのようなNo.14は、新製時から上松運輸営林署に配属されていた様で、晩年は大鹿で良く見かけたのでファンにもなじみの深い車両です。王滝本線廃止後に滋賀県のドライブイン光陽が保存し、その後、置き場所が土地整理されるために1985年頃に千葉県松戸市の個人に引き取られ保存されていましたが、りんてつ倶楽部が譲り受け王滝村に運び込みました。2008年春から約3年間かけてレストアし、2010年10月の森林鉄道フェスティバルで御披露目。
モーターカー14号機車内。窓が無いため、冬場は寒いだろう(笑)
モーターカー14号機走行風景。
 モーターカーNo.4は新製後すぐに薮原営林署に配属され、昭和42年頃に王滝営林署に転属しています。晩年はうぐい川線でも良く見かけたのでファンにもなじみの深い車両です。No.132と同様に昭和50年頃に王滝村に譲渡され松原スポーツ公園に展示保存されていました。
モーターカーNo.4号機の走行風景。
 ミニSL体験乗車会も開催。ボールドウィン蒸気機関車は、タマネギのような丸みを持った煙突を備えていました。
廃線探索 王滝森林鉄道
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出典: 王滝村 出典: りんてつ倶楽部
王滝森林鉄道フェスティバル2010