更新日時 2017年09月03日

ひたちなか海浜鉄道湊線(勝田駅-阿字ヶ浦駅)
 ひたちなか海浜鉄道湊線は、茨城県ひたちなか市の勝田駅から旧那珂湊市街を経由して阿字ヶ浦駅とを結ぶ、ひたちなか海浜鉄道の鉄道路線である。旧称の湊鉄道や湊鉄道線と案内されることがある。全駅がひたちなか市内にある。那珂湊駅までは、那珂川北岸から少し離れた所を通り、那珂湊駅から阿字ヶ浦駅までは海岸沿いを通る。 1990年度までは海水浴シーズンに東日本旅客鉄道(JR東日本)常磐線上野駅から急行列車「あじがうら」(後にJR東日本水戸線小山駅からの快速「あじがうら」になる)が阿字ヶ浦駅まで乗り入れていた。2008年3月31日までは茨城交通の路線であった。2005年12月に、茨城交通は地元ひたちなか市に対して、赤字で経営状況が厳しいため2008年3月で廃線にする意向を示し、ひたちなか市は、財政支援も視野に存続を目指すと、2006年9月に報道がなされた。茨城交通は支援を受ければ赤字の解消や老朽化した施設の改善が可能として2007年3月31日に廃止届の提出を当面見合わせると発表した。設備更新には国の鉄道軌道近代化設備整備補助制度を利用し、その事業者負担分も市が負担する方針が示され、茨城交通の鉄道部門を別会社に分離することになった。当初市は茨城交通100%出資の子会社の設立を求めていたが、過半数の株式を保有することで連結子会社となると不採算部門から撤退することにならず茨城交通が難色を示したため、運営会社は第三セクター会社として市も出資して経営に参画することになり、同年9月27日に最終合意した。 2008年4月1日、湊線はその運営会社として設立されたひたちなか海浜鉄道に移管された。地元の支援も手厚く、2008年度はひたちなか市が湊鉄道線存続支援事業として199,521千円(内訳:出資金90,000 千円 貸付金40,000 千円 鉄道近代化等補助金57,218 千円 基金積立金11,000 千円)を支出している。
ひたちなか海浜鉄道 湊線
勝田駅 - 日工前駅 - 金上駅 - 中根駅 - 高田の鉄橋駅 - 那珂湊駅 - 殿山駅 - 平磯駅 - 磯崎駅 - 阿字ヶ浦駅
 @勝田駅(かつたえき)は、茨城県ひたちなか市勝田中央1-1にある東日本旅客鉄道(JR東日本)・日本貨物鉄道(JR貨物)・ひたちなか海浜鉄道の駅である。ひたちなか海浜鉄道湊線が発着する1番線ホームは、JR常磐線の2番線ホームの日暮里方の一部を切り欠いて設けられている。ホーム上にはひたちなか海浜鉄道が業務を行う中間改札口内が設けられ、2番線ホームとの間に柵が設置されている。JR線と湊線の乗換は中間改札口で精算と湊線の乗車券発売を行う。(2013年7月撮影)
@ひたちなか海浜鉄道湊線の勝田駅。(2008年10月撮影)
@2013年7月撮影の駅名標。 @2013年7月撮影。キハ20 5。
 @キハ20形 (205)1965年に帝国車輛にて製造。国鉄の元キハ20形で、西日本旅客鉄道(JR西日本)から水島臨海鉄道を経て、1996年1月28日に入線し、同年8月にワンマン改造を実施している。水島臨海鉄道時代にトイレの撤去と共に冷房化(デンソー製、サブエンジン式)もされている。塗色は国鉄気動車標準色の朱色地に窓周り肌色の2色塗装だが、朱色部分は国鉄色よりややオレンジがかっている。
@2008年10月撮影の駅名標。 @キハ3710。(2008年10月撮影)
 @キハ11-7。東海交通事業のキハ11形 204で、2015年3月のダイヤ改正により、高山本線・太多線の運用を外れていた。2015年4月22日に東海交通事業から購入し、愛知機関区まで回送された後、そこからトレーラによる陸送により、同年4月30日に湊機関区に搬入、必要最低限の改造工事ならびに整備・試運転・改番7に変更を行い、同年12月30日朝の始発から順次、営業運転を開始した。2016年4月1日より、キハ11-7がクリーニング専科ラッピングトレインとなった。(2017年08月撮影)
Aひたちなか海浜鉄道湊線の勝田駅 - 日工前駅間。ここでJRと分岐する。(2008年10月撮影)
 B日工前駅(にっこうまええき)は、茨城県ひたちなか市春日町にあるひたちなか海浜鉄道湊線の駅である。早朝の上下列車および夜間の上り列車は通過する。単式ホーム1面1線を有する地上駅。ホームには待合所が設置されている。駅員無配置駅。(2008年10月撮影)
B日工前駅の駅名標も新しくなっている。(2013年7月撮影)
B湊線の主力車両、キハ3710形気動車。 Cひたちなか海浜鉄道湊線。
 D金上駅(かねあげえき)は、茨城県ひたちなか市大平四丁目にあるひたちなか海浜鉄道湊線の駅である。駅構造は島式1面2線のホームを有する地上駅で無人駅である。駅舎はホーム上にある。ホームはかなり長い。2010年3月19日から新ホームでの営業が開始され、2010年6月26日からは新設された下り線ホームの運用が開始された。列車交換設備の「復活」にあたって、かつて使われていた施設をなぞるように設置するのではなく、分岐器およびホームは旧位置よりも勝田方に移動して設置される。これは、阿字ヶ浦方の分岐器があった場所に新たに建物が建てられてしまったことにより、駅そのものを移設しないと交換設備を設置できないための措置である。工事完了後も列車交換を用いたダイヤは組まれていなかったが、2010年9月1日のダイヤ改正による勝田 - 那珂湊間区間列車の増発に伴い、交換設備の使用が開始された。(2013年7月撮影)
 D金上駅は、かつて現在と同様に1面2線の島式ホームを有する交換駅であったが、下り線の線路は撤去されたため、2010年6月までは1面1線での営業となっていた。かつては島式ホームを有する交換駅で、勝田方では線路の跡に枕木が一部残存していた。2010年1月から3月までの期間で、列車交換設備を復活させる工事が実施された。(2008年10月撮影)
Eひたちなか海浜鉄道湊線の金上駅 - 中根駅間。(2013年7月撮影)
Fひたちなか海浜鉄道湊線の金上駅 - 中根駅間。(2013年7月撮影)
Gひたちなか海浜鉄道湊線の金上駅 - 中根駅間。(2013年7月撮影)
Hひたちなか海浜鉄道湊線の金上駅 - 中根駅間。(2013年7月撮影)
 I中根駅(なかねえき)は、茨城県ひたちなか市柳沢にあるひたちなか海浜鉄道湊線の駅である。駅構造は単式ホーム1面1線の無人駅である。1960年代までは委託駅として乗車券の発売があり、出改札口を備えた駅舎も存在した。かつては夏季の海水浴輸送時にのみ運転要員が派遣されて列車交換が実施され、このために常時は信号機の柱のみを設けておき、信号機の腕木を着脱していたと言われる。当時のホーム配置は相対式で、現在線の山側にホームが設けられていた。(2013年7月撮影)
 I中根駅(なかねえき)。(2008年10月撮影)
Jひたちなか海浜鉄道湊線の中根駅 - 那珂湊駅間の中丸川の鉄橋。(2013年7月撮影)
Jひたちなか海浜鉄道湊線の中根駅 - 那珂湊駅間の中丸川の鉄橋。(2008年10月撮影)
K上の橋は国道245号線 K連結・・・キハ222と???
Lひたちなか海浜鉄道湊線の中根駅 - 那珂湊駅間。(2013年7月撮影)
 L那珂湊駅(なかみなとえき)は茨城県ひたちなか市釈迦町にあるひたちなか海浜鉄道湊線の駅である。駅構造は単式・島式2面3線のプラットホームを持つ有人駅で、全列車が交換を行う。湊線の車両基地である湊機関区を有し、夜間滞泊も設定されている。ホームへの立ち入りは危険防止のため列車到着約5分前から発車後に限定される。ただし、レンタサイクル利用者は自転車が改札内に置いてあるためこの限りではない。駅舎の隣に飲食店(ファストフード店を経て弁当屋)があったがその閉店後は待合室を経て、リフォーム工事を機に現在は茨城交通那珂湊営業所となっている。(2013年7月撮影)
 L那珂湊駅。(2008年10月撮影)
 L那珂湊駅の駅名標も高田の鉄橋駅が出来たので変更されている。(2017年08月撮影)
 L那珂湊駅の河童。
 Lケキ100形。ケキ102は1957年に新潟鐵工所で製造された35t凸形機関車で、茨城線に配属された。同線廃止後は湊線に移り、貨物(気動車と貨車を牽引する混合列車も存在した)や勝田駅での貨車の入換え作業のほか、多客時は客車列車を牽引したこともある。貨物廃止後、使用されることが減り2005年に廃車になり、那珂湊機関区に留置されていたが、2009年に搬出された。同車は富山県の日本貨物鉄道(JR貨物)伏木駅貨物側線に移送され、同所にて修復作業が行われている。(2008年10月撮影)
 茨城交通ケキ102型ディーゼル機関車。新潟鉄工製のロッド式ディーゼル機関車で、茨城交通で貨物列車の牽引に活躍していました。昭和32年(1957年)新潟鉄工所で製造。「ケ」は軽油を燃料、「キ」は気動車。180馬力のエンジンを2台備えている。製造当初は茨城線に配属し貨物列車の牽引で活躍し昭和46年茨城線廃止、廃止後湊線(現在のひたちなか海浜鉄道)へ転属。昭和59年貨物扱い廃止。2005年に引退したあと、自走可能な状態で売りに出され、JR貨物北陸ロジスティクスが買い取り補修をしています。
 Lミキ300形 (300-103)2008年に廃止された三木鉄道から、旧型車両を更新する目的で2009年にミキ300形(ミキ300-103)を購入、同年6月11日に那珂湊駅構内に搬入し、そのままの形式名・車番・塗色で同年8月30日から運行を開始した。(2013年7月撮影)
Lミキ300形 (300-103)の車内。(2013年7月撮影)
 Lキハ3710形 (3710-01, 02)新製車両。1995年11月1日、1998年7月1日に1両ずつ入線。湊線の主力車両である。全長は18.5mでエンジンは、DMF13HZ (330PS/2000rpm) を1基搭載している。形式名称は3710(みなと)の語呂合わせ。塗色は当初茨城交通色だったが、2010年に2両とも公募によるデザインコンテストにより決定した「曙光の大地」をテーマとした下部に濃緑色・上部にクリーム色・その境界部に金帯・扉に黄色を配した新塗色に変更された。(2013年7月撮影)
 Lキハ22形 (222)羽幌炭礦鉄道の廃線に伴い1970年から1971年にかけてキハ221, 222, 223の3両が同鉄道から移籍。国鉄キハ22形の類似車。塗色は当初、羽幌炭礦鉄道色の臙脂地に白帯であったがキハ222は茨城交通色を経て旧国鉄気動車標準色に近い藍色地に窓周りベージュの2色塗装、キハ223は白地に赤・青帯の茨城交通色となった。キハ221, 223は廃車となっており、キハ222のみが車籍を有している。廃車後キハ221は阿字ヶ浦駅に留置されていたが2009年に撤去された。またキハ223は羽幌炭礦鉄道色に変更の上、埼玉県さいたま市緑区にある「ほしあい眼科」にて保存のため、2009年12月17日に搬出されている[17]。現存するキハ222は、羽幌炭礦鉄道のキハ22最後の1両であり、旅客営業車として旋回窓を有する唯一の現存車両でもある。(2013年7月撮影)
Lキハ20 429。首都圏色に塗り直されギャラリーとして再利用。(元キハ20 3)(2013年7月撮影)
L保線用のディーゼル機関車。(2013年7月撮影)
 Lキハ2000形 (2004, 2005)キハ2004は留萠鉄道の廃線に伴い1970年に同鉄道から湊線に移籍、キハ2005は1969年に同じく同鉄道から移籍した。国鉄キハ22形の類似車。キハ2005は1966年に東急車輛製造にて製造された車両で、ベンチレーターの形状がキハ2004と異なっている。塗色は2004が国鉄準急色の淡黄色地に赤帯、キハ2005は茨城交通色だったが、帯の配置が他車と違っていた(キハ3710形に近い)。キハ2005は2010年に国鉄急行色の肌色地に窓周りスカーレットの2色塗りに変更された。(2013年7月撮影)
M那珂湊駅と殿山駅の間の車道橋より。(2008年10月撮影)
 N殿山駅(とのやまえき)は、茨城県ひたちなか市浅井内にあるひたちなか海浜鉄道湊線の駅。駅構造は単式ホーム1面1線を有する地上駅で無人駅。駅周辺は起伏が激しく、住宅地より低い谷間にある。列車接近ベル(電鈴)が設置されている。なお、同駅のホーム部分の上屋と一体となったベンチは、廃止された茨城交通水浜線馬口労町入口停留所からの転用とされている。開業から長らく駅員無配置駅であったが、1996年(平成8年)9月から、通学・通勤時間帯は駅員が配置(夏季は駅員が阿字ヶ浦駅の業務を行うため無人)されていた。しかし、2010年(平成22年)5月14日の営業を最後に駅員の配置が廃止され、再び駅員無配置駅となった。(2013年7月撮影)
 N殿山駅。(2008年10月撮影)
Oひたちなか海浜鉄道湊線の殿山駅 - 平磯駅間。(2013年7月撮影)
 P平磯駅(ひらいそえき)は、茨城県ひたちなか市平磯町にあるひたちなか海浜鉄道湊線の駅である。駅構造は単式1面1線のホームを持つ。駅舎はスーパーマーケットの一角にある形態だったが、店舗はすでに閉店しており、2011年10月上旬までに撤去作業が完了した。1987年に当時直営スーパーだった茨交デーリーストア平磯店が入っていた複合駅舎に改築されたが、茨城交通がスーパー事業から撤退したあと、他社に譲渡されて営業していたが、近年は閉店していた。駐車場跡地は住宅地に変わっており、店舗跡も撤去工事が完了すれば、売却されるなど駅前も何らかの変化が予想される。(2008年10月撮影)
 P平磯駅(ひらいそえき)は、かつては交換可能駅で対向式ホームであったが、駅舎改築時に駅用地の一部が店舗用地となり、ホームも改築されたため、当時の面影はない。(2013年7月撮影)
 P平磯駅。(2008年10月撮影)
Qひたちなか海浜鉄道湊線の平磯駅 - 磯崎駅間。(2013年7月撮影)
 R磯崎駅(いそざきえき)は、茨城県ひたちなか市磯崎町にあるひたちなか海浜鉄道湊線の駅である。駅構造は単式1面1線のホームを持つ無人駅である。駅付近はカーブがかかっており、ホームもカーブになっている。比較的遅くまで蒸気機関車時代の給水塔が残っており、1990年以降に駅周辺が整地された。(2013年7月撮影)
 R磯崎駅(いそざきえき)は、夏季を除く季節は当駅でほとんどの客が降車し、終点の阿字ヶ浦への車内はほぼ無人となる。(2008年10月撮影)
 Rキハ22形 (222)羽幌炭礦鉄道の廃線に伴い1970年から1971年にかけてキハ221, 222, 223の3両が同鉄道から移籍。国鉄キハ22形の類似車。塗色は当初、羽幌炭礦鉄道色の臙脂地に白帯であったがキハ222は茨城交通色を経て旧国鉄気動車標準色に近い藍色地に窓周りベージュの2色塗装、キハ223は白地に赤・青帯の茨城交通色となった。キハ221, 223は廃車となっており、キハ222のみが車籍を有している。廃車後キハ221は阿字ヶ浦駅に留置されていたが2009年に撤去された。またキハ223は羽幌炭礦鉄道色に変更の上、埼玉県さいたま市緑区にある「ほしあい眼科」にて保存のため、2009年12月17日に搬出されている。現存するキハ222は、羽幌炭礦鉄道のキハ22最後の1両であり、旅客営業車として旋回窓を有する唯一の現存車両でもある。(2008年10月撮影)
 S阿字ヶ浦駅(あじがうらえき)は、茨城県ひたちなか市阿字ヶ浦町にあるひたちなか海浜鉄道湊線の駅である。2010年10月から改修工事が行なわれ、ホームの嵩上げ(通常使用している1線のみ)とスロープ設置によるバリアフリー化が成され、同年12月より使用が開始された。ホームは現在2両分しか使われていないが、長さ(有効長)そのものは7両分あり、かつて上野駅から臨時急行「あじがうら号」が運行されていた名残である。駅舎内には自動券売機(タッチパネル式)が設置されて、湊線片道券、湊線往復券、湊線回数券、湊線フリー乗車券、JR東日本への連絡券が発売されている。また、臨時発売が行われるときがあり、その際には硬券が発売される。(2013年7月撮影)
 S阿字ヶ浦駅(あじがうらえき)。(2008年10月撮影)
 S阿字ヶ浦駅(あじがうらえき)駅構造は島式ホーム1面2線(駅の外側の1線のみ使用)と留置線を有するが、留置線は本線からのポイントが撤去されていて、使用することができない状況にあり、列車は那珂湊駅まで引き返して停泊する。かつては機回し線もあったが、勝田駅方とは逆側のポイントが撤去されていて、こちらも使用不可となっている。以前は駅員が配置されていたが、無人駅である。夏季の海水浴シーズン時を中心に那珂湊駅から駅員が派遣される。構内には廃車体が置かれ夏の海水浴客の臨時更衣室となっていたが、2009年3月25日に撤去・解体された。(2013年7月撮影)
 S阿字ヶ浦駅の留置車両は無くなっている。(2013年7月撮影)
S阿字ヶ浦駅のキハ222と留置されていたキハ221。(2008年10月撮影)
S阿字ヶ浦駅のキハ222とキハ2005。(2017年08月撮影)
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