ローカル線の旅 十和田観光電鉄

更新日時 2009年09月28日

 十和田観光電鉄株式会社(とわだかんこうでんてつ)は、青森県南東部で鉄道路線(十和田観光電鉄線)とバスを運営している鉄道会社。元々は地元資本による会社だったが、1968年の十勝沖地震からの復旧に多額の資金を要したことなどから、1969年10月に国際興業の傘下に入った。愛称は十鉄(とうてつ)。バスは十鉄バスと呼ばれることも多いが、会社コマーシャルでは十和田観光バス(とわだかんこうばす)と名乗っている。2008年3月1日、経営悪化によりいわゆる新旧分離方式での事業再建を図るため、すべての事業を新会社に譲渡した。十和田観光電鉄線(とわだかんこうでんてつせん)は、青森県三沢市の三沢駅から十和田市の十和田市駅までを結ぶ十和田観光電鉄の鉄道路線である。柳沢駅と七百駅との間で、地下を通る東北新幹線(2010年開業の区間)と交差するがどちらの路線にも駅は設置されない。
駅一覧:十和田観光電鉄線
三沢駅 - 大曲駅 - 柳沢駅 - 七百駅 - 古里駅 - 三農校前駅 - 高清水駅 - 北里大学前駅 - 工業高校前駅 - ひがし野団地駅 - 十和田市駅
 三沢駅(みさわえき)は、青森県三沢市大字犬落瀬字古間木、字古間木山にある、東日本旅客鉄道(JR東日本)・日本貨物鉄道(JR貨物)・十和田観光電鉄(十鉄)の駅である。
 JR三沢駅西口に隣接する場所にある。頭端式ホーム1面2線を持つ地上駅。ただし、乗り場に番号はふっていない。通常は西側(県道十和田三沢線寄り)のホームを使用するが、回送電車などが停車して使用できない場合は東側(東北本線寄り)のホームに停車する。このとき2両編成の車両だと十和田市寄りの部分がホームにかからないため、三沢寄りのドアより降車する措置がとられることがある。
 駅舎内に電車出札口・自動券売機2台・バス出札口・そば屋がある。JR・十鉄貨物受渡線が駅南側(古牧温泉東側)に残っていたが、現在は線路が撤去されている。
 大曲駅(おおまがりえき)は、青森県上北郡六戸町犬落瀬にある十和田観光電鉄十和田観光電鉄線の駅である。
 単式ホーム1面1線を有する地上駅。線路はほぼ南北に走り、その西側にホームが置かれている。無人駅で駅舎はないがホーム上に小さな待合所が設置されている。この駅は1935年に信号所として開設されたのが始まりで、1938年に駅に昇格となった。かつてこの駅は交換設備を有していたが1953年、その設備の使用をやめると同時に無人駅となった。なお、この地域周辺には「大曲」という地名は存在したことはない。駅名はこの付近で線路が大きく曲がるため「大曲」とつけられたという。
大曲駅 - 柳沢駅間の踏切から撮影。
柳沢駅(やなぎざわえき)は、青森県上北郡六戸町にある十和田観光電鉄線の駅。
単式ホーム1面1線を有する地上駅。駅舎はなく、待合室が設置されている。無人駅。
 七百駅(しちひゃくえき)は青森県上北郡六戸町犬落瀬にある十和田観光電鉄十和田観光電鉄線の駅である。十和田観光電鉄線の中間地点よりやや三沢方にずれた場所に位置するが、十和田観光電鉄線では唯一列車同士の行き違いが可能な駅となっており、七百車両区の車庫も併設されている。
 島式ホーム1面2線を有する地上駅。ホームの十和田市方が階段になっており、ここから駅舎へ構内踏切がのびている。このほかに当駅は側線を数本持っており前述のとおり七百車両区の車庫となっている。車両区は昭和60年(1985年)10月28日の十和田市駅の移転後、昭和61年(1986年)12月に、それまで十和田市駅構内にあったものを移設したものである。
 無人駅であるが、有人駅当時からの小さな駅舎が残っている。この駅で列車同士の行き違いが出来るようになったのは昭和5年(1930年)6月9日のことで、昭和46年(1971年)12月16日に閉塞方式が票券閉塞式から単線自動閉塞式に改められた後、昭和47年(1972年)の3月に無人化された。無人駅で改札口はないものの、七百駅の入場券が十和田市駅・三沢駅で記念品として売られている。
 2002年に余剰となっていた7904F・7909F・7911Fの両先頭車6両が同じく余剰となっていた7200系2両とともに青森県の十和田観光電鉄に譲渡された。VVVFインバータ制御車の他社譲渡はこれが日本初である。形式称号は7700系のまま、「デハ」の呼称が「モハ」に、車両番号の末尾2桁が若い順に01〜03に振り直されている。外観は側面のコーポレートマークの交換や、連結面に転落防止幌の設置や、前面貫通渡り板の撤去を行った程度だが、入線に際して自動放送装置などのワンマン運転対応設備と運賃箱・整理券発行器・運賃表示器・車内監視カメラ・非常通報装置が新設された。なお、車内のつり革には東急グループの東急百貨店とBunkamuraの広告が残っている。同時に座席モケットが新品に交換され、交通バリアフリー法に対応して、編成から外された車椅子スペース設置車のデハ7800形に代わってクハ7900形に一部座席を撤去した上で車椅子スペースが設置されている。また、オールステンレス車体、VVVFインバータ制御、SIV、平行カルダン駆動、ワンハンドルマスコンかつ電気指令式ブレーキ、冷房装置、車椅子スペースは十鉄としては本系列が初の導入となった。
 モハ3600形(旧東急3650系電車) 1990年(平成2年)に東京急行電鉄から譲渡を受けた車両。導入当初は十和田観光電鉄独自の塗装に施されていたが、2002年に営業運転から退くにあたって、東急時代のグリーンの塗装に施された。 東急での廃車後、デハ3655が両運転台に改造のうえ十和田観光電鉄へ譲渡され(モハ3603)、新設側運転台は平妻のままとされたため前後で違う前面を持つようになった。十和田観光電鉄での本車は、のちに東急7700系等の譲受による置換直前に十和田観光電鉄の標準色から東急時代のライトグリーン一色に塗り戻され、2007年現在も花見電車等のイベント用として走行可能な状態である。
十和田観光電鉄のED402は1962年、川崎車両で製作された35t級のELです。
ED300形:301(日立製作所製) 1951年(昭和26年)日立製作所凸形電気機関車です。
 昔は貨物輸送用で使われていましたが、貨物輸送廃止後は入れ換えや除雪等に使用されます。
貨物車。
古里駅(ふるさとえき)は青森県上北郡六戸町折茂にある十和田観光電鉄十和田観光電鉄線の駅である。
 単式ホーム1面1線を有する地上駅。線路はほぼ東西に走り、ホームは線路の北側に設けられている。簡単な構造の停留所で駅舎はなく、ホームの上に開放的な待合所が設けられているのみとなっている。無人駅。
 三農校前駅(さんのうこうまええき)は青森県上北郡六戸町折茂にある十和田観光電鉄十和田観光電鉄線の駅である。ホーム一本のみの簡単な駅で、開業は昭和44年である。しかし、青森県立三本木農業高等学校が駅前にあるため、十和田観光電鉄では三沢駅、十和田市駅につぐ乗降客を誇っている。
 単式ホーム1面1線を有する地上駅。線路は東西に走り北側に簡便なホームが設けられている。無人駅で駅舎はないがホーム上には上屋と長椅子が設置されている。駅の南側を十和田観光電鉄の線路と並行して三本木原水路が流れている。また、三沢十和田線に沿って十和田市と六戸町の境界があり、駅は六戸町にあるが、農業高校は十和田市にある。
三農校前駅 - 高清水駅間の踏切より撮影。
高清水駅(たかしずえき)は、青森県十和田市相坂にある十和田観光電鉄十和田観光電鉄線の駅である。
 単式ホーム1面1線を有する地上駅。線路はほぼ東西に走り、ホームは線路の北側に設けられている。簡便な停留所で駅舎はなく、ホーム上に待合所があるのみとなっている。無人駅。駅の南側を十和田観光電鉄の線路と並行して三本木原水路が流れている。
北里大学前駅(きたさとだいがくまええき)は、青森県十和田市にある十和田観光電鉄線の駅である。
単式ホーム1面1線を有する地上駅。無人駅となっている。
 工業高校前駅(こうぎょうこうこうまええき)は、青森県十和田市三本木にある十和田観光電鉄十和田観光電鉄線の駅である。
 単式ホーム1面1線を有する地上駅。線路はほぼ東西に走り、ホームは線路の南側にある。簡単な構造の停留所で駅舎はなく、ホームの上に開放的な待合所が設けられているのみとなっている。無人駅。
ひがし野団地駅(ひがしのだんちえき)は、青森県十和田市ひがしのにある十和田観光電鉄線の駅。
単式ホーム1面1線を有する地上駅。無人駅となっている。
十和田市駅(とわだしえき)は、青森県十和田市東一番町にある十和田観光電鉄線の駅である。
出札窓口と自動券売機が設置されており、窓口では硬券入場券・乗車券を発売している。駅舎は駅ビルとなっており、とうてつ駅ビル店(かつてはダイエーのFC店舗だった)を中心として、様々なテナントが立ち並んでいる。このことから「ショッピングセンター内にある駅舎」として、東北の駅百選に選定された。ところが、同駅ビルの再開発計画が打ち出されたものの、一時頓挫されて閉店に追い込まれた。その後に駅ビルの再開発計画が再び浮上した。バス案内所・旅行センター(ツーリストサロン)・バスのりばは1階にある。また、バスターミナル近くにあるタクシー乗り場では、十鉄の子会社であるとうてつ交通が独占的に乗り入れ・待機しており、市内の他のタクシー事業者(青森タクシー・奥入瀬タクシー/八甲タクシー(2社協同配車)・三本木タクシー・十和田タクシー)については乗り入れ・待機はしていない。
 単式ホーム1面1線を有する地上駅である。駅機能は2階にある。社員配置駅で、十和田観光電鉄鉄道部が併設されている。
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