更新日時 2013年12月13日

ローカル線の旅 篠ノ井線
 篠ノ井線(しののいせん)は長野県長野市の篠ノ井駅から長野県塩尻市の塩尻駅までを結ぶ東日本旅客鉄道(JR東日本)の鉄道路線(幹線)である。事業基本計画および国土交通省監修『鉄道要覧』では篠ノ井駅を起点としているが、JR線路名称公告では塩尻駅を起点としており、また列車運行上は塩尻から篠ノ井へ向かう列車が下り、逆が上りとなっている。東京、名古屋の両都市圏からの特急列車が中央本線から当路線に直通しており、長野県中部の塩尻市・松本市と同県の県庁所在地長野市とを連絡する役割も担う。日本貨物鉄道(JR貨物)による貨物列車も運行されている。途中、急峻な山間部を走るため、姨捨駅や2か所ある信号場のうち1か所がスイッチバックになっている。
東日本旅客鉄道 篠ノ井線
塩尻駅 - 広丘駅 - 村井駅 - 平田駅 - 南松本駅 - 松本駅 - (平瀬信号場) - 田沢駅 - 明科駅 - 西条駅 - 坂北駅 - 聖高原駅 - 冠着駅 - 姨捨駅 - (桑ノ原信号場) - 稲荷山駅 - 篠ノ井駅
 篠ノ井駅(しののいえき)は、長野県長野市篠ノ井布施高田にある、東日本旅客鉄道(JR東日本)・しなの鉄道の駅である。両社の共同使用駅(JR東日本の管轄駅)であり、出札・改札業務はJR東日本が行う。
 篠ノ井駅構造は単式ホーム1面1線、島式ホーム1面2線を持つ地上駅である。橋上駅舎を有するほか、駅東西を横断する自由通路を併設しており、東口側には駅舎側に面したペデストリアンデッキが架設されている。JR東日本の直営駅(駅長配置)で、地区管理駅として姨捨駅、稲荷山駅、今井駅を管理している。
 全線で貨物列車が運行されている。コンテナ輸送も行われているが、寒冷地の長野県への石油(灯油・重油・ガソリンなど)輸送が盛んである。石油は、京葉地区や京浜地区、中京地区にある製油所から内陸の油槽所へ送られている。輸送の高速化のために、タキ1000形貨車で編成された高速貨物列車も設定されている。牽引機は、EF64形電気機関車やEH200形電気機関車である。
 稲荷山駅(いなりやまえき)は、長野県長野市篠ノ井塩崎にある、東日本旅客鉄道(JR東日本)篠ノ井線の駅である。
 稲荷山駅構造は相対式ホーム2面2線を有する地上駅。互いのホームは跨線橋で連絡している。篠ノ井駅管理の簡易委託駅(窓口営業時間:6:30 - 15:30)で、POS端末が設置されている。窓口終了後の為に乗車証明書 発行機が設置されている。
篠ノ井線の姨捨駅 - 桑ノ原信号場間の鎌砥踏切より撮影。
篠ノ井線の姨捨駅 - 桑ノ原信号場間の第4種踏切より撮影。
 姨捨駅(おばすてえき)は、長野県千曲市大字八幡姨捨にある、東日本旅客鉄道(JR東日本)篠ノ井線の駅である。標高551mの山の中腹に位置し、全国でも数少ないスイッチバック方式を擁する駅である。当駅のホームから見下ろす善光寺平は絶景として知られ、根室本線の狩勝峠、肥薩線の矢岳駅と共に日本三大車窓の1つに数えられる。2010年(平成22年)に駅舎のリニューアル工事が行われ、7月24日に記念式典が行われた。このリニューアルでは、1934年当時の様子の復元が行われ、手小荷物扱い窓口が再現され、内壁や天井、建具などの修繕が行われた。
 姨捨駅構造は相対式ホーム2面2線を有するスイッチバック方式の地上駅である。駅付近の本線は、稲荷山付近から冠着トンネルまでずっと25 ‰の上り勾配である。また、スイッチバックの引き上げ線内も奥へ向かって25 ‰の上り勾配になっていて、水平になっているのは駅の着発線付近のみである。かつては駅の着発線のさらに奥に66.7 ‰の急勾配が設置されており、ブレーキが効かずにオーバーランした車両を受け止める避難線となっていた。この線路の跡地は、姨捨変電所と駅利用者のための駐車場になっている。
 本線上にホームは設置されておらず、通過列車は当駅のホームには入線しない。
 姨捨駅に停車する場合、上り列車は急な上り勾配が続く本線から左側に分岐して水平に行き止まりの引き上げ線に入り、そこで進行方向を後ろ向きに変え本線を横切ってホームに入線する。発車時は再び進行方向を前向きに変え、本線へ進む。下り列車は逆に本線から左側に分岐して水平のホームに入線し、発車時は後進し本線を横切って引き上げ線に入ったのち改めて前進する。
篠ノ井線の冠着駅 - 姨捨駅間の一本松踏切より撮影。
 冠着駅(かむりきえき)は、長野県東筑摩郡筑北村坂井にある、東日本旅客鉄道(JR東日本)篠ノ井線の駅である。
 冠着駅構造は相対式ホーム2面2線を有する地上駅。互いのホームは跨線橋で連絡している。明科駅管理の簡易委託駅であり、常備券・補充券を発売している。合併前の旧坂井村にあった唯一の旅客駅だが、当駅は旧坂井村の中心地から離れた森の中にある。これは、当駅の前身の信号場が森の中に設置されていて、旅客駅に昇格した際に新たに駅の用地を作らず、ホームや待合室の設備などを信号場の場所に設置したほうが合理的と考えたことによる。現在まで地域住民は徒歩か自転車、自家用車あるいは路線バスを利用して当駅まで来る。
篠ノ井線の聖高原駅 - 冠着駅間の須明踏切より撮影。
篠ノ井線の聖高原駅 - 冠着駅間の杉崎踏切より撮影。
 聖高原駅(ひじりこうげんえき)は、長野県東筑摩郡麻績村漆田にある、東日本旅客鉄道(JR東日本)篠ノ井線の駅である。普通列車のほか、特急「しなの」の一部と快速(「みすず」を含む)が停車する。
 聖高原駅構造は単式ホーム1面1線と島式ホーム1面2線、計2面3線のホームを有する地上駅。ホーム間の移動は跨線橋を利用する。留置線を有する。ホーム上に大きな仏像(聖観世音菩薩像)がある。明科駅管理の業務委託駅で、長鉄開発が駅業務を受託しており、自動券売機・みどりの窓口(営業時間 7:45 - 17:20 ※ただし途中休止時間あり)が設置されている。夕方から朝までは無人となる。
篠ノ井線の坂北駅 - 聖高原駅間の叶里踏切より撮影。
 坂北駅(さかきたえき)は、長野県東筑摩郡筑北村坂北にある、東日本旅客鉄道(JR東日本)篠ノ井線の駅である。
 坂北駅構造は単式ホーム1面1線と島式ホーム1面2線、計2面3線のホームを有する地上駅。単式ホームが1番線、島式ホームが2、3番線である。互いのホームは跨線橋で連絡している。明科駅管理の簡易委託駅。当駅は、JR線で唯一となる補充連続乗車券を発売する最後の一駅として長らく有名であったが、その他の常備券類や補充券(片道・往復用)ともども、2006年(平成18年)12月1日のPOS端末稼動開始により消滅した。
特急「しなの」は日中、坂北駅で行き違いをするため、運転停車することが多い。
篠ノ井線の西条駅 - 坂北駅間の第3西街道踏切より撮影。
篠ノ井線の西条駅 - 坂北駅間の東条踏切より撮影。
 西条駅(にしじょうえき)は、長野県東筑摩郡筑北村西条にある、東日本旅客鉄道(JR東日本)篠ノ井線の駅である。
 西条駅構造は単式ホーム1面1線と島式ホーム1面2線、計2面3線のホームを持つ地上駅。留置線は一部の線路が剥がされ使用できない。互いのホームは跨線橋で連絡している。明科駅管理の簡易委託駅で、POS端末が設置されている。自動券売機は設置されていない。
篠ノ井線の明科駅 - 西条駅間の八木踏切より撮影。
篠ノ井線の明科駅 - 西条駅間の第3白坂トンネル。
 明科駅(あかしなえき)は、長野県安曇野市明科中川手にある、東日本旅客鉄道(JR東日本)篠ノ井線の駅である。普通列車のほか、特急「しなの」の一部と快速(「みすず」を含む)が停車する。また当駅始発の列車も設定されている。
 明科駅構造は単式ホーム1面1線と島式ホーム1面2線、計2面3線のホームを有する地上駅。互いのホームは跨線橋で連絡している。留置線を有する。直営駅(駅長配置)であり、管理駅として西条駅 - 冠着駅間の各駅を管理している。みどりの窓口(営業時間 6:10 - 21:00)・自動券売機が設置されている。
篠ノ井線の田沢駅 - 明科駅間の尻無トンネル。
 田沢駅(たざわえき)は、長野県安曇野市豊科田沢にある、東日本旅客鉄道(JR東日本)篠ノ井線の駅である。
 田沢駅構造は島式ホーム1面2線を持つ地上駅。留置線を有する。ホームへは地下通路で連絡している。松本駅管理の簡易委託駅で、POS端末が設置されている。「おはようライナー」の停車駅であるため、乗車整理券を窓口で扱う。
 北松本駅(きたまつもとえき)は、長野県松本市白板一丁目にある、東日本旅客鉄道(JR東日本)大糸線の駅である。松本駅からの距離はわずか700mしか離れていない。篠ノ井線が並走するが、篠ノ井線のホームはない(松本駅から国道とのクロス地点まで単線並列になっている)。
 北松本駅構造は島式ホーム1面2線を持つ地上駅で橋上駅舎を有する。橋上駅舎にはエレベーターが設置されている出入口は西口と東口があり、それぞれ「国道口」「お城口」という愛称がある。なお、松本駅の新しく完成した東西自由通路の出入口についても公募によって「アルプス口」「お城口」と名付けられたがお城口では紛らわしいので「美ヶ原口」に変更しようと議論されている。松本駅管理の業務委託駅で、長鉄開発が駅業務を受託しており、自動券売機・POS端末(営業時間 7:40 - 17:10 ※ただし途中休止時間あり)が設置されている。夕方から朝までは無人となる。
 松本駅(まつもとえき)は、長野県松本市深志一丁目にある、東日本旅客鉄道(JR東日本)・アルピコ交通の駅である。JR東日本とアルピコ交通の共同使用駅で、JR東日本が駅を管轄している。JR東日本の篠ノ井線と大糸線、アルピコ交通の上高地線が乗り入れている。JRの駅としての所属線は篠ノ井線であり、大糸線と上高地線は当駅を起点としている。篠ノ井線の列車については、塩尻駅を介して中央本線(中央東線・中央西線)へ直通する列車も多数設定されている。
 松本駅構造は0番線から7番線(0・6・7番線は切欠きホーム)まで、各ホームに2線ずつ、計4面8線のホームを持つ地上駅で、橋上駅舎を有している。改札口は1箇所で3階にある。その他3階に、JR東日本の設備として駅事務室・みどりの窓口(通常2 - 3窓口、営業時間:5:30 - 23:00)・びゅうプラザ松本(営業時間:平日10:00 - 19:00、土休日10:00 - 17:30)、VIEW ALTTE(ATM)がある。また、自動券売機(10機、うち2機は上高地線にも対応)、指定席券売機(4機、みどりの窓口内)、自動改札機(6通路、Suica非対応)を設置している。松本市も設備を有しており、市民サービススペース(自動交付機コーナー)と観光案内所がある。
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