更新日時 2015年02月05日

ローカル線の旅 井原鉄道井原線
 井原鉄道井原線は、岡山県総社市の総社駅から同市の清音駅を経て広島県福山市神辺町の神辺駅に至る井原鉄道の鉄道路線である。このうち総社駅 - 清音駅間は、西日本旅客鉄道(JR西日本)伯備線との共用区間で、両線に属する重複区間ともなっている。1966年(昭和41年)5月14日に国鉄井原線の起工式がおこなわれ国鉄新線として工事着手。起工に合わせるように1967年(昭和42年)に井笠鉄道の神辺線・矢掛線が、1971年(昭和46年)に本線が廃止となった。井笠鉄道の線路跡は日本鉄道建設公団に買収され活用されることになった。1980年(昭和55年)国鉄再建法施行により国鉄井原線は建設中止となった。1999年(平成11年)1月11日に井原線総社 - 清音 - 神辺間が開業。最初の営業列車の出発式は11時11分11秒と、年(和暦)、月、日、時、分、秒にすべて“1”が揃った時におこなわれた。
井原鉄道井原線
総社駅 - 清音駅 - 川辺宿駅 - 吉備真備駅 - 備中呉妹駅 - 三谷駅 - 矢掛駅 - 小田駅 - 早雲の里荏原駅 - 井原駅 - いずえ駅 - 子守唄の里高屋駅 - 御領駅 - 湯野駅 - 神辺駅
 総社駅(そうじゃえき)は、岡山県総社市駅前一丁目にある、西日本旅客鉄道(JR西日本)・井原鉄道の駅である。
 総社駅構造は単式ホーム1面1線とその反対側にある切欠きホーム1線、島式ホーム2面4線の、合計3面6線のホームを持つ地上駅で橋上駅舎を有する。1番線は2番線ホームの北側の切り欠き部にある。1・3番線を吉備線、2 - 4番線を伯備線、5・6番線を井原鉄道線が使用する。ホーム間の移動は跨線橋を使う。JRの駅は直営駅で、倉敷駅(管理駅)傘下の地区駅として駅長(部内的には倉敷駅助役)が配置され、清音駅 - 備中広瀬駅までの各駅と吉備線の足守駅 - 東総社駅までの各駅を管轄している。なお、備中鉄道部管轄時代は事実上新見駅の傘下だった。井原鉄道の駅は無人駅となっており、乗車券は自動券売機でのみの購入となっていたが、2013年3月限りで撤去され、車内での現金払い扱いとなった。なお、JR線のりばと井原鉄道線のりばの改札は別々になっている。JR側は開閉式の自動改札機と、自動精算機を備える。
井原鉄道井原線の総社駅 - 清音駅間の三輪七踏切より撮影。
井原鉄道井原線の総社駅 - 清音駅間の柿の木二踏切より撮影。
井原鉄道井原線の総社駅 - 清音駅間の旧国道踏切より撮影。
井原鉄道井原線の総社駅 - 清音駅間の軽部踏切より撮影。
 清音駅(きよねえき)は、岡山県総社市清音上中島にある、西日本旅客鉄道(JR西日本)・井原鉄道の駅である。
 清音駅構造は地上駅。配線上は単式ホーム1面1線と島式ホーム1面2線の合計2面3線であるが、島式1面の北側がJR線の2・3番線ホーム、南側を井原鉄道線の井原2・3番線ホームに分け、中間改札で仕切ることにより、2面5線という使い方となっている。井原鉄道の駅舎は島式ホーム上の中間改札付近にあり、改札外からは跨線橋で連絡している。井原鉄道の駅も委託駅であり以前は携帯型発行機で乗車券を販売していたが、消費税増税に伴う運賃値上げの際、印刷済みの常備券・補充券による発売に移行した。井原鉄道線とJR伯備線・上り(岡山方面)の乗り換えは同じホーム上で出来るが、井原鉄道線とJR伯備線・下り(高梁方面)の乗り換えは跨線橋を渡るか、もしくは井原鉄道線の改札外にあるエレベーターを利用しないといけない。当初は西側からしか入ることができなかったが、井原鉄道の跨線橋を反対側に伸ばすことで駅東口が設置された。この一環として井原鉄道の駅舎の手前(島式ホーム上)にもJRの簡易改札機と券売機が設置され、井原鉄道の跨線橋から直接JR改札内へ入場することができるようになった。
 井原鉄道IRT355形気動車は、井原鉄道の気動車。1999年の開業当初から使用されており、開業を記念して当時の郵政省が発行した「ふるさと切手」にも描かれている。1998年に新潟鐵工所の地方鉄道向け車両「NDCシリーズ」を元に製造されたが、当初からトイレを設置している。一般車両0番台10両とイベント車両の100番台2両の計12両でスタートしたが、2005年に200番台となった「夢 やすらぎ号」(水戸岡鋭治デザイン)1両が増備されて現在は計13両在籍している。形式名に冠されたIRTとは「井原鉄道の列車」を意味するIbara Railways Trainの頭文字をそれぞれ取ったもの。数字の355はこの車両の出力355PSにちなむ。
井原鉄道井原線の清音駅 - 川辺宿駅間の下軽部三踏切より撮影。
井原鉄道井原線の清音駅 - 川辺宿駅間の下軽部踏切より撮影。
井原鉄道井原線の清音駅 - 川辺宿駅間より撮影。
川辺宿駅(かわべじゅくえき)は、岡山県倉敷市真備町川辺美トロ2281-3にある井原鉄道井原線の駅。
 川辺宿駅構造は神辺方面に向かって右側に単式ホーム1面1線を有する高架駅(停留所)。直接ホームに上がる形の無人駅であるが、地上に待合所がある。自動券売機等は設置されていない。
井原鉄道井原線の川辺宿駅 - 吉備真備駅間より撮影。
 吉備真備駅(きびのまきびえき)は、岡山県倉敷市真備町箭田別府後1102-11にある、井原鉄道井原線の駅。駅名は、奈良時代の政治家で、遣唐使に任命された吉備真備の故郷であることに由来する。なお、人名と駅名は「まきび」だが、町名は「まび」である。
 吉備真備駅構造は相対式ホーム2面2線で列車交換が可能な高架駅。直接ホームに上がる形の無人駅であるが、駅北側の文具店(有限会社太田文具)にて乗車券の購入が可能(休日・年始を除く)であるため、簡易委託駅の扱いを受ける[1]。高架下には待合所が設けられている。自動券売機は設置されていない。まび記念病院や介護老人保健施設・ライフタウンまびに隣接しているにも関わらずバリアフリー対策が不十分で、エスカレータ・エレベータが設置されていないため階段を使う方法しかアクセス方法がない。
 備中呉妹駅(びっちゅうくれせえき)は、岡山県倉敷市真備町尾崎井野1365-2にある井原鉄道井原線の駅。
 備中呉妹駅構造は神辺方面に向かって右側に単式ホーム1面1線のホームを持つ、築堤上の高架駅(停留所)。ホーム下の北西寄りに待合室があるが、自動券売機等は設置されていない。無人駅であり、ホームそのものへは直接上がる形になっている。
井原鉄道井原線の備中呉妹駅 - 三谷駅間より撮影。
三谷駅(みたにえき)は、岡山県小田郡矢掛町東三成にある、井原鉄道井原線の駅。
 三谷駅構造は相対式ホーム2面2線の列車交換可能な高架駅。ホームの東寄りから階段が降り、高架下の駅舎へつながる(ただし、ホームの出入りには駅舎を経由する必要はない)。無人駅であり、自動券売機は設置されていない。駅舎にある窓口はレンタサイクルの事務所となっており発券業務は行っていない。
井原鉄道井原線の三谷駅 - 矢掛駅間より撮影。
井原鉄道井原線の三谷駅 - 矢掛駅間より撮影。
井原鉄道井原線の三谷駅 - 矢掛駅間より撮影。
矢掛駅(やかげえき)は、岡山県小田郡矢掛町矢掛にある井原鉄道井原線の駅。
 矢掛駅構造は島式ホーム1面2線で列車交換が可能な高架駅。地上へはホーム西端の階段を使って出入りする。線路は東西ともY字分岐で、一線スルーにはなっていない。ホーム南西にある駅舎は、宿場町・矢掛をイメージした和風建築で、簡易委託による出札窓口もある。駅北側へも通路が用意されているが、駅北側周辺には田圃とわずかな人家があるのみである。
井原鉄道井原線の矢掛駅 - 小田駅間より撮影。
井原鉄道井原線の矢掛駅 - 小田駅間より撮影。
井原鉄道井原線の矢掛駅 - 小田駅間より撮影。
井原鉄道井原線の矢掛駅 - 小田駅間より撮影。
小田駅(おだえき)は、岡山県小田郡矢掛町小田にある、井原鉄道井原線の駅。
 小田駅構造は神辺方面に向かって左側に単式ホーム1面1線を有する築堤上の高架駅(停留所)。ホーム下の南東寄りに駅舎があるが、窓口はレンタサイクルの事務所となっており、出札業務は行われていない。また、自動券売機も設置されておらず、ホームへも駅舎を介さず出入り可能である。
井原駅(いばらえき)は、岡山県井原市七日市町にある、井原鉄道井原線の駅である。
 井原駅構造は島式1面2線のホームを持ち列車交換が可能な地上駅。直営駅かつ井原線最大の拠点駅となっており、駅舎のデザインは井原にゆかりのある那須与一の弓矢を模している。また、近年建築された新線にしては珍しく、ホーム西側には改札とを結ぶ遮断機付きの構内踏切がある。天井が高くガラス張りの開放的な駅舎内には改札窓口に自動券売機、そのほかには売店・飲食店・特産品展示販売スペース等がある。また、中央のコミュニティホールでは各種イベントが開かれ鉄道利用者以外にも開放されている。
井原鉄道井原線の井原駅 - いずえ駅間より撮影。
井原鉄道井原線の井原駅 - いずえ駅間より撮影。
 いずえ駅(いずええき)は、岡山県井原市下出部町(しもいずえちょう)にある井原鉄道井原線の駅。駅名は「出部」という地名を平仮名書きにしたものである。
 いずえ駅構造は駅のホームは高架橋に1面(神辺方面に向かって左側)あり、高架下に公衆トイレと駐輪場あり。無人駅で、直接ホームに上がる形になっている。自動券売機等は設置されていない。
井原鉄道井原線のいずえ駅 - 子守唄の里高屋駅間より撮影。
井原鉄道井原線のいずえ駅 - 子守唄の里高屋駅間より撮影。
 子守唄の里高屋駅(こもりうたのさとたかやえき)は、岡山県井原市高屋町三丁目にある、井原鉄道井原線の駅。
 子守唄の里高屋駅構造は神辺方面に向かって左側に単式ホームが1面1線有する高架駅(停留所)で、高架下には公衆トイレと駅前広場がある。直接ホームに上がる形の無人駅である。かつては駅東側のタクシー会社(日の丸タクシー)にて乗車券を販売していた。
井原鉄道井原線の子守唄の里高屋駅 - 御領駅間より撮影。
井原鉄道井原線の子守唄の里高屋駅 - 御領駅間より撮影。
井原鉄道井原線の子守唄の里高屋駅 - 御領駅間より撮影。
御領駅(ごりょうえき)は、広島県福山市神辺町下御領にある、井原鉄道井原線の駅。
 御領駅構造は相対式ホーム上下2面の高架駅で、列車交換設備あり。直接ホームに上がる形の無人駅であるが、高架下に待合所を有する。自動券売機等は設置されていない。
井原鉄道井原線の御領駅 - 湯野駅間より撮影。
湯野駅(ゆのえき)は、広島県福山市神辺町湯野にある、井原鉄道井原線の駅。
 湯野駅構造は神辺方面に向かって右側に単式ホーム1面1線を有する高架駅(停留所)で、高架下に公衆トイレ、待合室、駐輪場などが設置されている。直接ホームに上がる形の無人駅であり、自動券売機等は設置されていない。
井原鉄道井原線の湯野駅 - 神辺駅間より撮影。
井原鉄道井原線の湯野駅 - 神辺駅間より撮影。
井原鉄道井原線の境界杭 旧国鉄井原線の境界杭
井原鉄道井原線の湯野駅 - 神辺駅間の神辺西踏切より撮影。
 神辺駅(かんなべえき)は、広島県福山市神辺町大字川南にある、西日本旅客鉄道(JR西日本)・井原鉄道の駅である。JR西日本の福塩線と、井原鉄道の井原線が乗り入れ、接続駅となっている。井原線は当駅が終着駅であるが、ごく一部の列車が福塩線に直通する。福塩線の福山方面に限りICOCAが利用可能である。当駅から府中方面と、井原鉄道では利用できない。
 神辺駅構造は西日本旅客鉄道福塩線は相対式ホーム2面2線を有し、行違い可能な地上駅。一見すると2面3線に見えるが、下りホームの反対側の線路は保守車両用の線路である。福塩線では唯一の橋上駅舎を有する。ホーム間、跨線橋で連絡。井原鉄道井原線の駅舎は福塩線上りホーム脇にあり、同ホームと直結する乗換改札も存在する(ただし早朝・夜間は閉鎖)。単式ホーム1面1線を持つが、福山方面に直通する列車は福塩線のホームに発着する。こちらは2012年(平成24年)3月まで井原鉄道の直営駅であり、携帯型発券機や補充券(定期券・回数券・愛好者に発売の補充乗車券)で乗車券を販売し、早朝と夜間は無人となっていた。2012年(平成24年)4月から無人化されていたが、2013年(平成25年)以降不定期で窓口営業を再開し、窓口に営業日と時間を記したポスターが掲示されていた。2014年(平成26年)8月より、子守唄の里高屋駅の乗車券販売が終了したことや、井笠鉄道の廃業・井笠バスカンパニーへの移管による並行バス路線の廃止・減便による鉄道需要の増加などの観点から駅員が再配置されている。駅員の再配置後は、消費税増税に伴う運賃改定の際携帯型発券機を更新しなかったため、常備券・補充券と自動券売機(総社駅より移設)により販売されている。
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