更新日時 2017年12月18日
豊稔池ダムは、香川県観音寺市にある現存する日本最古の石積式マルチプルアーチダム。2006年(平成18年)、国の重要文化財(建造物)に指定されている(指定名称は「豊稔池堰堤」)。命名は、香川県出身で大蔵大臣などを歴任した三土忠造による。讃岐山脈から流れ出る柞田川を上流で堰き止め、柞田川の左岸に広がる水田を潤している豊稔池ダムは、度重なる大かんばつへの対策として1926年(大正15年)に着工され、1930年(昭和5年)に完成した。このとき、地元住民による組合が部分請負が工事にあたり、延べ15万人による人海戦術により約4年の短期完成を実現するという地元一体となって成遂げられた公共事業であった。ダム補修工事により上流部はコンクリート補強されているが、下流部には当時の古い石積みが現存している。多連式アーチダムとしては、宮城県仙台市の大倉ダム(二連式)を含め、全国に二つしかなく、当時米国で最新技術であったマルチプルアーチが適用されるなど土木史、ダム技術史を語る上においても貴重な建造物である。 | |
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@豊稔池ダム及び豊稔橋。 |
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@豊稔橋自体は鋼鉄製の橋桁の為、後年に設置されたと思われる。 |
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@豊稔橋親柱。 |
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@豊稔橋の欄干の煉瓦は新し煉瓦の様だ。 |
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@豊稔橋の欄干の煉瓦には刻印が確認出来なかった。 |
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@豊稔池ダム。 堤高 - 32.3m 堤頂長 - 158.4m 堤体積 - 21,000m3 総貯水容量 - 1,590,000m3 有効貯水容量 - 1,590,000m3 流域面積 - 9.9km2 湛水面積 - 16ha 利用目的 - 灌漑 事業主体 - 香川県 施工業者 - 豊稔池土地改良区 着工年 - 1926年 竣工年 - 1930年 |
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A豊稔池ダム下流。対岸に渡れるようになっている。 |
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B豊稔池ダム。田植えの時期に行われる地上30メートルの堤からの放水や、ユル抜き行事(毎年7月中旬から下旬)の際には、そのヨーロッパの古城を思わせる概観と勢いよく流れ出る放水の絶景に多くの観光客が訪れる。 |
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B豊稔池ダム下流側のダム直下。 |
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B豊稔池ダム下流側のダム直下。 |
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C豊稔池ダム下流側。 |
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C豊稔池ダム下流側。階段が付いていてダム直下まで近づけます。 |
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C豊稔池ダム下流側。 |
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C豊稔池ダムの放水口。 |
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C豊稔池ダム直下。 |
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D豊稔池ダムの旧土砂吐樋門。 |
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D豊稔池ダムの旧中樋取水口。 |
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E豊稔池ダムの工事用火薬庫跡。 |
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F豊稔池ダムの碑。 |
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F豊稔池守護神。 |
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F豊稔池ダムの堤頂。 |
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F豊稔池ダムの堤頂。 |
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F豊稔池ダムの下流側。 |
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F豊稔池ダムの下流側。見学者が結構来ますね。 |
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F豊稔池。ダムによって形成された人造湖は豊稔池として2010年(平成22年)3月25日に農林水産省により「ため池百選」に選定され。湖畔には「豊稔池遊水公園」が整備されている。現在も、豊稔池からは約530haの灌漑を行っており、「大野原は月夜に焼ける」と詠われたり、旧大野原町の大野原音頭で「……里をうるおす豊稔池の、石積堤は城のよ〜う、城のよう……」と歌われているように、豊かな大野原平野を潤している水源として親しまれている。 |
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G豊稔池ダムの堰堤。。 |
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G豊稔池ダムのダム湖側。 |
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