更新日時 2011年11月26日
一畑電気鉄道広瀬線は、かつて安来市の荒島駅と島根県能義郡広瀬町(現:安来市)にあった出雲広瀬駅との間を飯梨川沿いに結んでいた一畑電気鉄道の鉄道路線である。月山富田城の城下町として栄えた広瀬は、江戸時代初頭に松江に繁栄を奪われ、山陰本線も町内を通過することはなかった。昔の繁栄を取り戻したいと考えた広瀬地区の住民が、山陰本線と広瀬を結ぶ鉄道を計画し、大正時代末期に広瀬鉄道を設立した。通例ならば能義郡の中心地安来駅を目的地とするが、資金面の問題から飯梨川を渡る鉄橋建設が困難だったことや建設距離が短くて済んだこと、そして島根県の県庁所在地・松江との往来を念頭に置いたことから接続駅を安来駅の一つ松江寄りになる荒島駅に設定した。地形的に困難なところはなかったため建設は短期間で済み、昭和時代初頭に開業して島根県では一畑電気鉄道北松江線に次いで2番目に電車の走った路線になるのだが、当初は旅客・貨物が多く活況を呈していたこの路線も時代の波に翻弄されることになった。第二次世界大戦中には国策により鳥取県米子市から南方に路線網を有し、(当時既に不要不急路線として休止状態〔後に再開されないまま廃止〕にあったが)島根県能義郡伯太町(現:安来市)にも乗り入れていた伯陽電鉄(現:日ノ丸自動車)と合併して山陰中央鉄道の広瀬線になり、戦後は独立して島根鉄道と名乗ったものの間もなく経営難から一畑電気鉄道に吸収され、同鉄道の広瀬線になった。しかし、モータリゼーションの進展や沿線の過疎化で乗客や貨物は減少し、それ故に老朽化した施設を更新することもままならない状態であった。一畑電気鉄道の一路線になって間もなくの一畑電気鉄道の株主総会で施設の老朽化が著しく、経営状況も芳しくないため廃止してバスに転換するという決議がなされた。そのことを知った広瀬地区の住民は「道路事情が悪い」「バスでは定時運行できるかどうか疑問」「バスの運賃のほうが高いので経済的な損失も大きい」などと主張して何年にも渡って強硬な廃止反対運動を展開し、島根県にも調停を要請した。しかし、広島陸運局(現:中国運輸局)が保安監査を行ったところ鉄道としての存続は困難という結論が出たことで地域住民側も折れ、32年の歴史に終止符を打った。1960年(昭和35年)6月20日 廃止。 | |
駅一覧 荒島(あらしま)- 仲仙寺(ちゅうせんじ)- 西赤江(にしあかえ)- 西中津(にしなかづ)- 田頼(たより)- 小原(おはら)- 飯梨(いいなし)- 植田(うえだ)- 鷺の湯(さぎのゆ)- 鷺湯温泉前(さぎのゆおんせんまえ)- 温泉前(おんせんまえ)- 出雲広瀬(いずもひろせ) |
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@荒島駅(あらしまえき)は、島根県安来市荒島町にある、西日本旅客鉄道(JR西日本)山陰本線の駅である。全ての快速列車が停車する。 | |
@荒島駅構造は単式・島式の複合型2面3線のホームを持ち、列車交換や待避が可能な地上駅。単式の1番のりば側に駅舎があり、島式の2・3番のりばへは跨線橋で連絡している。一線スルー化はされておらず、副本線である3番のりばに発着する列車を除き、方向別にホームを使い分けている。松江駅管理の無人駅であるが駅舎内に自動券売機が設置されており、乗車券の購入が可能。古くからの木造駅舎には荒島自転車駐車場という自転車置き場が増築されており、その管理人が駅舎内の窓口に立つが、この窓口での乗車券類の販売はない。また駅舎には荒島駅ふれあい館という展示室が設けられている。 | |
A一畑電気鉄道広瀬線廃線跡。 | |
B一畑電気鉄道広瀬線廃線跡。勝部踏切より撮影。 | |
C一畑電気鉄道広瀬線廃線跡。スクラップ置き場に続く道が廃線跡。 | |
C一畑電気鉄道広瀬線廃線跡。ここから先の廃線跡は県道180号線に付け変わる。 | |
D一畑電気鉄道広瀬線廃線跡。県道180号線。山陰道(安来道路)と交差する。 | |
E一畑電気鉄道広瀬線廃線跡。 | |
F一畑電気鉄道広瀬線廃線跡。仲仙寺(ちゅうせんじ)駅跡。(安来三中前バス停) | |
G一畑電気鉄道広瀬線廃線跡。 | |
I一畑電気鉄道広瀬線廃線跡。西中津(にしなかづ)駅跡。(西中津公会堂バス停) | |
J一畑電気鉄道広瀬線廃線跡。田頼(たより)駅跡。(田頼バス停) | |
K一畑電気鉄道広瀬線廃線跡。小原(おはら)駅跡。(西松井バス停) | |
L一畑電気鉄道広瀬線廃線跡。飯梨(いいなし)駅跡。(飯梨バス停) | |
M一畑電気鉄道広瀬線廃線跡。植田(うえだ)駅跡。(JA飯梨代理所前バス停) | |
N一畑電気鉄道広瀬線廃線跡。鷺の湯(さぎのゆ)駅跡。(植田バス停) | |
O一畑電気鉄道広瀬線廃線跡。鷺湯温泉前(さぎのゆおんせんまえ)駅跡。 | |
P一畑電気鉄道広瀬線廃線跡。温泉前(おんせんまえ)駅跡。橋台跡? | |
P一畑電気鉄道広瀬線廃線跡。当時の基礎関係か? | |
Q一畑電気鉄道広瀬線廃線跡。築堤が残る。 | |
R一畑電気鉄道広瀬線廃線跡。出雲広瀬(いずもひろせ)駅跡。 | |
S広瀬バスターミナル。一畑電気鉄道株式会社、出雲広瀬駅の文字が微かに見えるが、距離測定で測ると、この場所は、出雲広瀬駅駅より南へ1.2qほどの場所に有る。建物を移築したのか? | |
S安来市広域生活バス広瀬バスターミナル。 | |
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