更新日時 2022年05月23日

 タウシュベツ橋梁は、北海道上士幌町の糠平湖にあるコンクリート製アーチ橋。タウシュベツ川橋梁とも呼ばれる。よく晴れた風のない日に、湖面に橋が映るとめがねのように見える。またアーチ橋ということもあり、「めがね橋」の別名をもつ。古代ローマの遺跡を思わせるその姿は、周辺の景色とも調和しているとされる。第1回北海道遺産に選定された「旧国鉄士幌線コンクリートアーチ橋梁群」の1つである。もともとは、旧国鉄士幌線(1987年廃線)が1939年に十勝三股駅まで開通した際に、音更川の支流であるタウシュベツ川に架けられたものである。1955年に、発電用人造ダム湖である糠平湖が建設され、橋梁周辺が湖底に沈むことになったため、士幌線は湖を避けるように新線がひかれた。その際に、橋梁上の線路は撤去されたものの、橋梁自体は湖の中に残されることとなり、現在までその姿をとどめている。糠平湖は人造湖であり、季節や発電によって水位が劇的に変化するため、橋梁全体が水に覆われてしまう時期もあれば、水位ゼロとなって橋梁全体が見渡せる時期もある。その様子から、「幻の橋」とも呼ばれる。糠平市街に鉄道記念館があり、士幌線の説明資料や他の橋梁についての情報がある。タウシュベツ橋梁は、それを取り巻く糠平湖の水位によってその姿を大きく変える。降水量等に多少左右されるものの、概ね次のような推移をとるようである。3月〜5月頃:ほとんど水位ゼロとなり、橋梁全体が見渡せる。湖底には、ダム湖建設の際に切り倒された木の切り株が見える。5月〜6月頃:雪融け水が流入するため、徐々に水位をあげ、橋梁の下半分が水に覆われる。「めがね橋」に見える可能性あり。6月〜9月頃:さらに水位をあげ、7〜9割が水に覆われて線路敷設部周辺のみが覗く。若干の勾配があることが、観察できる。 9月〜12月頃:大雨が降るなどすると、完全に水没することもある。12月〜3月頃:氷が張る。発電用に水を抜くため、日に日に水位(氷面)がさがり、氷面を突き破って橋梁が現れる。冬期は一貫して水位が下がっていく。
廃線探索 士幌線
タウシュベツ川橋梁(2022年5月04日撮影)
タウシュベツ川橋梁(2020年8月11日撮影)
タウシュベツ橋梁(2019年08月03日撮影)
タウシュベツ橋梁(2019年7月14日撮影)
展望台より撮影(2010年3月23日撮影)
長靴とスノーシューを現地で買い雪中行軍を試みましたが・・・(2010年3月23日撮影)
 @2009年より、糠平三股林道は一般車輛の通行が規制された。国道273号の林道入口より徒歩で至ることになる(ただし熊出没の懸念から徒歩は避けた方が良い)。林道へ車で入りたい場合は、北海道森林管理局十勝西部森林管理署東大雪支署に事前申請の上、林道のゲートの鍵を借りる必要がある。
 片道4qの道のりを1時間かけて歩くしかない。(2009年06月28日撮影)
雪に中を歩き始めました。(2010年3月23日撮影)
下の写真と同じ場所を撮影しています。いかに雪が深いか解ります。(2010年3月23日撮影)
A音更トンネル方向の廃線跡。 Aタウシュベツ橋梁方向の廃線跡。
B士幌線の旧線(1955年7月まで)の廃線跡。 C草木が生い茂り年月を感じさせる。
D廃線跡に枕木が残っていた。 E廃線跡に続く道が通行禁止になっている。
F士幌線の旧線(1955年7月まで)の廃線跡。(2009年06月28日撮影)
G士幌線の旧線(1955年7月まで)の廃線跡。(2009年06月28日撮影)
H右、士幌線の旧線(1955年7月まで)の廃線跡。 I糠平三股林道から分岐部分の看板。
J糠平三股林道から分岐しこの小道が士幌線の旧線(1955年7月まで)の廃線跡。(2009年06月28日撮影)
Jこの小道が士幌線の旧線(1955年7月まで)の廃線跡。(2009年06月28日撮影)
K小道が士幌線の旧線(1955年7月まで)の廃線跡。 K見学者が数名いる。
K水没しかけているタウシュベツ橋梁。(2009年06月28日撮影)
K水没しかけているタウシュベツ橋梁。 K橋の上を歩くことは禁じられている。
K橋の上を歩くことは禁じられている。(他に見学者がいるのでさすがに歩けない)
K水没しかけているタウシュベツ橋梁。(2009年06月28日撮影)
 K数日前まで雨が降り続いた為、湖面の水位が上がりタウシュベツ橋梁は湖面に沈みかけている。例年だともう少し現れているらしい。次回全体が見られる時にまた来よう。(2009年06月28日撮影)
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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
出典: 出典: 「国土地理院の電子国土Web(地図画像)『上士幌町』を掲載」
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