更新日時 2016年04月12日

廃線探索 有馬線
 有馬線とは、かつて兵庫県有馬郡三輪町(現三田市)の三田駅から同郡有馬町(現神戸市北区)の有馬駅までを結んでいた日本の国有鉄道(鉄道省)の鉄道路線である。1943年に休止(実質は廃止)された。古くからの温泉街である有馬温泉に初めて乗り入れた鉄道である。有馬線は、有馬鉄道によって建設された。もとは1907年に三田町-有田町間の軌道敷設特許状を有馬電気軌道発起人山脇延吉らが取得していたが実現できなかった。やがて1913年軽便鉄道として鉄道敷設免許を申請することになり1914年有馬鉄道に対し免許状が下付されることになった。1915年4月16日に開業と同時に鉄道院が借り上げ、国有鉄道線と同様の運営が行われた。1919年に正式に国有化され有馬軽便線となった。なお、有馬線を手放した有馬鉄道の山脇延吉らは、神戸と有馬・三田を結ぶ鉄道事業に着手し、神戸有馬電気鉄道(現:神戸電鉄)を開業させた。1928年、三田駅 - 唐櫃駅間(現在の有馬口駅)に神戸有馬電気鉄道の三田線が開業し、唐櫃で乗り換えが生じるものの、三田駅 - 有馬温泉駅間を頻繁運転で結ぶ(1934年12月当時は両線とも28分間隔で運行)ようになると、国鉄有馬線は競争上不利にならざるを得なかった。神戸有馬電気鉄道の有馬温泉駅が温泉街に近い場所に位置していたのに対し、国鉄の有馬駅は町外れに位置していたのも、国鉄有馬線には不利な条件であった。1943年、太平洋戦争が激しくなると、神戸有馬電気鉄道と並行していることや、温泉地への行楽路線であることもあって、不要不急路線として運行休止となり、鉄道施設等は撤去され、篠山で産出する製鉄用のマンガンなどの軍需物資輸送を目的に敷設が計画された、国鉄篠山線(1972年廃止)に転用された。その後運転が再開されることなく、事実上廃止のまま現在に至る。正式に廃止手続きがなされたという記録はなく、いつ廃止になったのか、または現在も休止線のままなのかは不明である。
有馬線駅一覧
三田駅 (0.0) - 塩田駅 (2.3) - 新道場駅 (4.4) - 有馬口駅 (8.1) - 有馬駅 (12.2)
 @三田駅(さんだえき)は、兵庫県三田市駅前町にある、西日本旅客鉄道(JR西日本)・神戸電鉄の駅。駅番号は神戸電鉄がKB29。
 @1943年までは、当駅を起点として有馬温泉まで国鉄有馬線が延びていた。現在でもJRの駅の保線基地の辺りにホームの跡が確認できる。
 @三田駅構造は相対式2面2線のホームを持つ地上駅で、橋上駅舎を有している。ホームの有効長は10両だが、電車の乗降口に合わせて嵩上げされた部分は8両分で、残りの2両分との段差がホーム上で確認できる。かつては上下線の間に中線が1本あった。中線には架線が張られておらず、複線化以降は尼崎側としか接続されていなかった。かつては神戸電鉄への搬入車両の留置に使用されたり、1994年に当駅 - 新三田駅間でトラックと衝突事故を起こした車両が留置されていたこともある。中線の撤去後は、完全に停留所となった。国鉄時代は1番のりば側に駅舎が併設されており、3番のりばとは跨線橋での連絡であった。3番のりばに隣接して4番のりばがあり、国鉄型配線にホームがない中線(2番線)を挟む構造だった。
A有馬線の三田駅 - 塩田駅間の廃線跡。廃線跡は太陽光発電の用地に転用されている。
B有馬線の三田駅 - 塩田駅間の廃線跡。この先武庫川を渡る橋梁が有った。
C有馬線の三田駅 - 塩田駅間の廃線跡。武庫川を渡った先は道路に転用されている。
D有馬線の三田駅 - 塩田駅間の廃線跡。この先は土地改良のため廃線跡の痕跡が残っていない。
 E塩田駅(しおたえき)は、かつて兵庫県有馬郡道場村(現・神戸市北区道場町)塩田にあった、鉄道省有馬線の駅(事実上の廃駅)である。有馬線の休止に伴い、1943年(昭和18年)に休止されたままとなっている。駅構造は単式ホーム1面1線のみを持つ地上駅。無人駅であったが繁忙期には駅員が派遣され業務に従事した。また有馬川で採取した砂利、砂、粟石をここから輸送しており貨物ホームが設けられていた。
F有馬線の塩田駅 - 新道場駅間の廃線跡。築堤跡が残る。
G有馬線の塩田駅 - 新道場駅間の廃線跡。築堤跡が残る。
H有馬線の塩田駅 - 新道場駅間の廃線跡。用水路に橋台跡が残る。
H有馬線の塩田駅 - 新道場駅間の廃線跡。
I有馬線の塩田駅 - 新道場駅間の廃線跡。旧有馬線の跨線橋が残る。
I有馬線の塩田駅 - 新道場駅間の廃線跡。割堀になっている。
J有馬線の塩田駅 - 新道場駅間の廃線跡。この先川を渡る築堤が残る。
K有馬線の塩田駅 - 新道場駅間の廃線跡。川を渡る橋台跡が残る。
 L新道場駅(しんどうじょうえき)は、かつて兵庫県有馬郡道場村(現・神戸市北区道場町)日下部にあった、鉄道省有馬線の駅(事実上の廃駅)である。有馬線の休止に伴い、1943年(昭和18年)に休止されたままとなっている。駅構造は単式ホーム1面1線のみを持つ地上駅。1915年(大正4年)に有馬線の開業に伴い、当駅が開業した。駅前には周辺から運ばれた農産物や干鰯、竹細工、筆軸、石筆、木材、清酒などの生産物が納められた倉庫群があり、また客待ちの人力車も常駐し盛況であったという。しかし、1928年(昭和3年)に神戸有馬電気鉄道三田線の開通により、駅から500m程の所に道場川原駅(1991年〈平成3年〉に神鉄道場駅に改称)が開業すると、瞬く間に客足を奪われる事となった。
M有馬線の新道場駅 - 有馬口駅間の廃線跡。廃線跡の痕跡が残る。
N有馬線の新道場駅 - 有馬口駅間の廃線跡。廃線跡の痕跡が残る。
O有馬線の新道場駅 - 有馬口駅間の廃線跡。この先は廃線跡の痕跡が残っていない。
P有馬線の新道場駅 - 有馬口駅間の廃線跡。旧国鉄用地の看板が残る。
Q有馬線の新道場駅 - 有馬口駅間の廃線跡。
R有馬線の新道場駅 - 有馬口駅間の廃線跡。コンクリート製の跨道橋が残る。
R有馬線の新道場駅 - 有馬口駅間の廃線跡。築堤に登ろうと思ったが草ぼうぼうで諦めた。
S有馬線の新道場駅 - 有馬口駅間の廃線跡。この先高速道路で分断されている。
@有馬線の新道場駅 - 有馬口駅間の廃線跡。廃線跡は道路に転用されている。
A有馬線の新道場駅 - 有馬口駅間の廃線跡。ここのオーナーが工場部分が廃線跡と言っていた。
 B有馬口駅(ありまぐちえき)は、かつて兵庫県有馬郡山口村(現・西宮市山口町)下山口にあった、鉄道省有馬線の駅(事実上の廃駅)である。有馬線の休止に伴い、1943年(昭和18年)に休止されたままとなっている。駅構造は単式ホーム1面1線のみを持つ地上駅。駅構内に、日本通運の営業所や山口信用購買組合の農業倉庫があったため、米を始めとする穀類や、山口村特産の竹籠・寒天を三田や神戸に運ぶのに役立った。1915年(大正4年)に有馬線の開業に伴い、当駅も開業した。山口村の要望で、当初は「山口駅」と言う名前で開業を望んでいたが実現せず、光明寺の付近に当駅の開業が実現した。1928年(昭和3年)に神戸有馬電気鉄道三田線の開通により約1km西に田尾寺駅が開業したため、客足を奪われることとなったが、1937年(昭和12年)に日中戦争が勃発すると、多くの出征兵が当駅から出兵したと言われている。
B駅前橋がここが駅跡の証拠として残る。ウィキペディア(Wikipedia)に載っている座標は間違い。
C有馬線の有馬口駅 - 有馬駅間の廃線跡。
D有馬線の有馬口駅 - 有馬駅間の廃線跡。道路が廃線跡。
E有馬線の有馬口駅 - 有馬駅間の廃線跡。道路が廃線跡。
F有馬線の有馬口駅 - 有馬駅間の廃線跡。道路が廃線跡。
G有馬線の有馬口駅 - 有馬駅間の廃線跡。この先高速道路で分断。
H有馬線の有馬口駅 - 有馬駅間の廃線跡。道路が廃線跡。
I有馬線の有馬口駅 - 有馬駅間の廃線跡。道路が廃線跡。

写真はウィキペディアより借用(当時の有馬駅)
 J有馬駅(ありまえき)は、かつて兵庫県有馬郡有馬町乙倉谷(現・神戸市北区有馬町)にあった、鉄道省有馬線の駅(事実上の廃駅)である。有馬線の休止に伴い、1943年(昭和18年)に休止されたままとなっている。1915年(大正4年)に有馬線の開業に伴い、終着駅として当駅も開業した。当駅は有馬温泉の温泉街の最寄り駅として、時計塔や駅前広場を持つ大掛かりな物であった。開業に先立ち、当駅のすぐそばを流れる有馬川に「乙倉橋」という木橋が架けられたが、1928年(昭和3年)に鉄筋コンクリート橋に架け替えられた(1995年(平成7年)に阪神・淡路大震災で被災したため、再改修されている)。同年11月28日に神戸有馬電気鉄道有馬線の開通により、温泉街により近い有馬温泉駅(当駅から南に700m程離れている)が開業したため、客足を奪われる事となった。駅構造は単式ホーム2面2線のみを持つ地上駅。廃止後、駅跡には診療所と宿泊施設「ミント・リゾートイン・アリマ」が建ち、往時を偲べるものは残されていない。しかし、乙倉橋には「有馬駅と乙倉橋」という看板が残されている。また、「ミント・リゾートイン・アリマ」の南側に広がる土地は、現在も西日本旅客鉄道が管理している。ただ、JR化後に西日本ジェイアールバスによって開設されたJR高速バス「有馬エクスプレス号」は、利用者の利便性の観点から旧有馬駅周辺には停留所を設けず、有馬温泉駅近くの太閤橋そばにある有馬温泉バス停留所を発着ターミナルとしている。
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出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
出典: 「国土地理院の電子国土Web(地図画像)『三田市・北区・西宮市』を掲載」