更新日時 2012年12月27日
塩江線(しおのえせん)は、香川県香川郡仏生山町(現・高松市仏生山)の仏生山駅と香川郡塩江村(現・高松市塩江地区)の塩江駅を結んでいた琴平電鉄(ことひらでんてつ、現・高松琴平電気鉄道)の鉄道路線。日本内地における、史上唯一の非電化標準軌鉄道線であった。 1929年に琴平電鉄の子会社である塩江温泉鉄道株式会社(しおのえおんせんてつどうかぶしきがいしゃ)の路線として開業したが、経営難により、のち親会社の琴平電鉄に吸収合併されて同社の塩江線となった。1941年に廃線となっている。 路線は「高松の奥座敷」と呼ばれる塩江温泉に至る国道・県道を沿うように敷設されており、廃止後60年以上を経てなお一部に廃線遺構が残る。また、廃線跡のうち仏生山駅から高松市香川町浅野にかけては道路となっているが、本路線がガソリンカーでの運行であったことから、この道路には「ガソリン道」という通称がある。さらにその先の同市香川町川東下から同市塩江町安原下にかけての廃線跡は香川県道269号塩江香川高松自転車道線(香東川自転車道)となっている。 | |
路線データ 路線距離(営業キロ):16.1km 軌間:1435mm 駅数:12駅(起終点駅含む) 複線区間:なし(全線単線) 電化区間:なし(全線非電化) 閉塞方式:通券式 |
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運行形態 当初狭軌の1067mm軌間で計画され、敷設免許も狭軌で取得されたが、1435mm標準軌用の貨車を本線格の琴平電鉄から直通させることを考慮し、1928年に軌間変更願を出して標準軌での敷設に変更している。直通貨車についてはガソリン機関車で牽引する計画であったが実現が遅れ、その間にトラック輸送の方が効率的と判断されて頓挫した。従って本路線はその全期間を通じ、旅客輸送専業の路線であった。 開業後間もない1930年時点の時刻は仏生山発午前5:14 - 午後9:54、塩江発午前6:04 - 午後10:44で、一日21往復、50分毎に運転されていたが、その後25分毎とし、本線格の琴平電鉄の全電車に接続するようにされた。しかし頻発サービスの効果は薄く、琴平電鉄合併後は再び50分毎運転に戻された。輸送実績は開業直後の1930年度がピークで、以後は年々低下し続けた。駅5か所、停留所7か所。 1930年当時の全線所要時間42分、運賃40銭。 車両はガソリンカーで、ほとんど1両での運転であった。 |
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日本一長く走りつづけた電車:この電車は、大正2年(1913年)に東京で製造され、スタートは京浜電気鉄道(現京浜急行電鉄)で29年間走りその後東京急行電鉄で、6年間走った後、昭和23年に高松琴平電気鉄道にやってきて、この香川県で54年間働き続けました。スタートから平成14年12月に引退するまでの89年間、日本一長く走りつづけた電車電車です。(2002年現在)また、引退当時日本で走っている現役鉄道車両としては、最古の電車でした。平成15年7月に高松琴平電気鉄道から香川県に寄贈され、ここさぬきこどもの国において展示されることとなりました。 | |
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@高松琴平電気鉄道 仏生山駅 | @この部分で塩江線が接続していた。 |
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@高松琴平電気鉄道 仏生山駅 | |
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@ガソリン道 昭和4年に開設された塩江温泉への交通手段として、全国でも珍しい、ガソリンを燃料とした小型電車のような車両が運行された。始発駅は現在のコトデン仏生山駅のホーム東側で、16Kmの行程を40分で走った。終点の塩江まで駅は12あり、1区5銭の料金であった。 昭和16年第二次世界大戦が始まると燃料の入手が困難になり、その車両の運行は廃止、残ったレールも昭和19年に当時は日本領土であった台湾精糖会社へ売り渡されたが、そのレール跡は地域住民の生活道路になり、誰言うとなくガソリン道と呼ばれるようになった。 今もこの道の南方(唐渡地区)には当時のトンネルが残り、香東川の上流(岩部地区)には鉄橋の橋脚が残されている。 仏生山歴史街道推進協議会 |
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@廃線跡は生活道路として使われている | A廃線跡は生活道路として使われている |
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B直線的に続いてきた廃線跡の道路はやがて登り坂となり、カーブしながら丘を登っていきます。 この辺りに伽羅土(からと)駅があった。坂を登りきった辺りがそうだと思います。 そのすぐ先で廃線跡の道路は右にカーブしていますが、その先は竜満池沿いの国道193号へとつながっている。 |
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C伽羅土(からと)トンネル | |
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Cトンネル内部のアーチ部分はレンガ巻。 | C待避口が有りこれが鉄道のトンネルである証し。 |
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D廃線跡は左に分岐します。 | Dその後、右にカーブして廃線跡は続きます。 |
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E高松空港の誘導灯の鉄橋 | F香東川橋梁跡 |
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F香東川橋梁跡 歩行者・自転車専用ですが、気がつかずに小型の車で渡ってしまった。 | |
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F香東川橋梁跡(せきはし 昭和55年10月竣工) | F塩江町に入ると道幅は狭くなり、鉄道廃線跡らしい雰囲気がします。 |
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Gくねくねと曲がりくねった道 | Gこの橋も廃線跡か? |
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G廃線跡 | G廃線跡 |
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Hこの辺りに関駅跡が有った。 | H道路橋に架け替えられている。 |
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Hこの橋梁も新しいため、架け替えられたと思われる | |
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Iお寺を右カーブしている。かなりきついカーブなのでルートが若干違っていた可能性もある。 | |
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J来栖橋 昭和51年11月竣工 | |
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K中村地区では、民家の横に中村駅のホーム跡が残っています。ホーム跡は墓地として使われていました。 | K中村地区の廃線跡 |
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L中村駅跡から少し行くと、右に香東川を渡る沈下橋があって、道路は分岐しそこに橋脚が1基残っていました。 | |
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L塩江線は少し高いところを通っていた様で、橋脚とその前後には築堤も一部残っていました。 | |
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L中村トンネル 内部は生活道路として使われている為、照明がついていました。 | |
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L中村トンネル | |
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M中村トンネルを抜けた先には、第三香東川橋梁の橋脚が2基残っています。 | |
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M第3香東川橋梁跡 地形が急なのでこの様に香東川へ張り出して走っていたみたいですね。 | |
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N第三香東川橋梁跡から廃線跡の道をしばらく行くと、御殿場トンネルがあります。今度のトンネルはさっきの中村トンネルよりも長く、カーブしています。同じように道路トンネルとして使われており、照明が取り付けられていました。 | |
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N御殿場トンネル | |
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N待避口があります。 | N御殿場トンネル塩江側 |
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O沈下橋 | O廃線跡 |
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Pトンネルを抜けると廃線跡の道路は香東川に沿って続き、しばらく行くと川沿いに第4香東川橋梁跡の橋脚があります。円柱形の橋脚があり、先ほどの第三香東川橋梁に比べると随分低いところを走っていた様です。 | |
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Q塩江中脇の中の吊り橋 昭和63年3月竣工 | Q塩江中脇の道 |
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R奥に見えるのが塩江中 | Rこの奥にトンネルが・・・ |
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R岩部トンネル 仏生山側 | |
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Rトンネルの中に井戸の跡? それとも地震計でも設置されているのか? |
Rこの出っ張りから廃線後に施工された様だ。 |
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R中はヒンヤリとしている。 | R待避口 |
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R岩部トンネル 塩江側 | |
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Rトンネルを抜けるとまた廃線跡が続く | |
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岩部トンネルから廃線跡を進むと国道193号沿いに高い橋脚が1本立っています。塩江温泉鉄道は岩部トンネルを抜けると、ここで香東川を渡っていました。遺構としては橋脚1本しか残っていませんが、その高さや対岸までの距離からして、かなり規模の大きい橋が架かっていたにではないかと推測します。橋を渡った先は塩江美術館があり、そこから終点塩江までは香東川の対岸を走っていたと思われます。 | |
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対岸の塩江美術館 | |
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塩江美術館敷地内 | このルートが廃線跡か・・・ |
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Sこの駐車場は操車場跡か? | S大向橋 |
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S大向橋 | Sこの橋は道路橋に架け換えられています。 |
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S大向橋 | S病院駐車場この辺が塩江駅跡か・・・ |
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