廃線探索 名古屋臨海鉄道昭和町線

更新日時 2011年12月26日

 名古屋臨海鉄道株式会社(なごやりんかいてつどう)は、名古屋港東地域に置ける貨物輸送を行う鉄道事業者。駐車場・倉庫業なども行っている。日本貨物鉄道(JR貨物)、名古屋港管理組合、日本通運などが出資している。名古屋港南東地域は戦前から企業の進出が著しい地域であって、同地区からの貨物輸送は名古屋港管理組合の持つ専用線から名古屋鉄道(名鉄)築港線の東名古屋港駅へ送り、そこから大江駅・神宮前駅を経由して日本国有鉄道(国鉄)熱田駅へ運び、そこから全国へ搬出していた。しかし工業の発展で輸送量が増加すると、旅客輸送の多い名鉄常滑線を経由するこのルートでは、輸送に支障が出ることが予想されるようになった。そのため、操車場を名古屋東港に設けて東海道本線笠寺駅へ直接接続する臨海鉄道の計画が持ち上がった。こうして、国鉄と名古屋港管理組合の共同で1965年に設立されたのが名古屋臨海鉄道で、日本で3番目の例となるものであった。なお、この開業に伴い名鉄は減収になることが予想されたため、見返りとしてこの年から国鉄高山本線との直通運転を開始している。同年中に路線の一部を完成させ、営業を開始した。その後、1974年には名鉄築港線における貨物輸送の大部分が譲渡され、残りも1984年実施の国鉄ダイヤ改正で国鉄の貨物輸送整理に伴い全面譲渡となり、築港線及び名鉄における貨物輸送は消滅した。
東港線 : 笠寺駅 - 東港駅(3.8km)
昭和町線 : 東港駅 - 昭和町駅(1.1km)
汐見町線 : 東港駅 - 汐見町駅(3.0km)
南港線 : 東港駅 - 知多駅(11.3km)
東築線 : 東港駅 - 名電築港駅(1.3km)
 @名古屋臨海鉄道の東港駅:東港駅(とうこうえき)は、愛知県名古屋市南区滝春町12-3にある名古屋臨海鉄道の貨物駅である。東海市新宝町付近で分岐する専用線も当駅分岐扱いとなっている。名古屋臨海鉄道東港線、南港線、昭和町線、汐見町線、東築線が接続する中枢の駅。名古屋臨海鉄道本社の最寄り駅でもある。駅構造は十数本の着発線・側線を有する地上駅で、各線から集められた貨車を仕分ける操車場としての機能を持つ。構内東端には名古屋臨海鉄道の車両基地たる東港機関区や、貨車の検修庫が設置されている。また一部の私有貨車の常備駅に指定されている。かつては駅西隣にあった矢作製鉄(現・中部リサイクル)への専用線が存在し、銑鉄やケイ化カルシウム、硫化鉱物などの輸送が行われていた。操車場から3キロメートルほど南の東海市新宝町では、南港線から三洋化成工業名古屋工場へ続く専用線が分岐している。分岐点周辺には本線1線と仕分線1線、専用線、仕分線と専用線に接続する引き上げ線が敷設されている。専用線の入換作業は、本線で運行される名古屋臨海鉄道のディーゼル機関車が行う。
 AND601:ND60形 日本車輌製造製の64t級液体式ディーゼル機関車。「TOYOTA LONGPASS EXPRESS」の運行開始に伴い導入された。
 AND5529:ND552形 55t級液体式ディーゼル機関車。10両が在籍している。7両は自社発注機で、重連総括仕様となっている。このうちND552 3の現車は旧国鉄DD13 233のものに振り替えられ、一部の機器と車籍のみを引き継いでいる。 3両は国鉄DD13形の非重連仕様機を譲受したもの。このうちND552 13および16の現車は1998年に苫小牧港開発D56形のものに振り替えられ、一部の機器と車籍のみを引き継いでいる(D5604→ND552 13、D5605→ND552 16)。
AND55210:名古屋臨海鉄道の標準的色といえる青色塗装の機関車。日本車輌製造製。
AND5526:名古屋臨海鉄道の標準的色といえる青色塗装の機関車。日本車輌製造製。
AND5528左側とND602右側:名古屋臨海鉄道の標準的色といえる青色塗装の機関車。
 AND55215:名古屋臨海鉄道ND55215。国鉄時代のDD13の塗色を彷彿とさせる写真の機関車は元国鉄のDD13 306号機で日立製作所製。
 Aコキ200に液化酸化エチレン専用タンクを乗せている。三洋化成工業専用線に到着する液体酸化エチレンや水酸化ナトリウム(苛性ソーダ)などの化学薬品である。苛性ソーダはタンク車によって昭和町駅(東亞合成名古屋工場)などから輸送されていた。一方、液体酸化エチレンはコンテナ車に積載されたタンクコンテナによって千鳥町駅(日本触媒川崎製造所千鳥工場)から輸送される。この輸送もタンク車が用いられていたが、2008年(平成20年)にタンクコンテナに切り替えられた。
 Aホキ9775石灰石専用:岐阜県大垣市赤坂町の矢橋工業の敷地内の駅から、新日本製鐵株式会社名古屋製鐵所まで毎日3往復、石灰石を積んだ専用の貨物列車を運行しています。 高品質の鉄鋼を作るためには、鉄の不純物を取り除き純度を上げる石灰は欠かせない存在です。鉄鋼の生産量に合わせて何万トンという石灰が必要とされています。日々、岐阜と愛知を繋ぐ貨物ラインは、わが国でも鉄鋼を原料とする製造業が盛んなこの地域の根幹部分を支え続けてきたといっても過言ではありません。
Aコトラ146676。 Aオトキ28664。
B日立製作所製OD25。
B富士重工製TMC100A。エンジン無し?給水車?
B名古屋臨海鉄道の東港駅 - 昭和町駅間の滝春踏切より撮影。この先は東亞合成名古屋工場内。
C名古屋臨海鉄道の東港駅 - 昭和町駅間の昭和町線の廃線跡。
C名古屋臨海鉄道の東港駅 - 昭和町駅間の昭和町線の廃線跡。
D名古屋臨海鉄道の東港駅 - 昭和町駅間の昭和町線の廃線跡。駐車場に線路が残っている。
E名古屋臨海鉄道の東港駅 - 昭和町駅間の昭和町線の廃線跡。
F名古屋臨海鉄道の東港駅 - 昭和町駅間の昭和町線の支線跡。東亜物流貨物門。
F名古屋臨海鉄道の東港駅 - 昭和町駅間の昭和町線の支線跡。東亜物流貨物門。
 G名古屋臨海鉄道昭和町駅(しょうわまちえき)は、愛知県名古屋市港区昭和町にある名古屋臨海鉄道昭和町線の貨物駅である。昭和町線の終着駅。定期列車はない。東亞合成名古屋工場の南側に沿って走る昭和町線のほぼ全線が昭和町駅の構内となっている。工場は愛知県道55号によって東西に分断されており、昭和町駅も同様に分断されている。駅構内からは、東亞合成が保有する専用線が分岐している。駅の出発線・到着線は駅構内西側にあり、貨物列車はすべてここを発着する。出発線・到着線の周囲には貨車留置線が数本敷設されているほか、東亞物流の倉庫へ向かう荷役線が分岐している。東亞物流の荷役線は使用されていないが、1990年代頃までコンテナ車が入線していた。出発線・到着線の西側、線路の終端には苛性ソーダの荷役設備が置かれている。現在は荷役設備付近で線路が途切れているが、かつてはその先、宇部興産名古屋セメントセンターや石川島播磨重工業名古屋工場まで専用線が伸びていた。駅構内東側には、液化塩素の荷役設備と苛性カリの荷役設備が設けられ、荷役線や留置線が敷設されている。なお液化塩素の荷役設備に隣接して、タンクローリー用の液化塩素の荷役設備が設置されている。駅構内の入換作業は、駅まで貨車を牽引した本線用のディーゼル機関車によって行われていた。貨物列車は1日2本発着するため入換作業も1日2回行われていたが、2009年3月のダイヤ改正で定期列車は廃止された。無人駅で駅舎は存在せず、入換作業は機関車に同乗する係員が行う。
H名古屋臨海鉄道の昭和町駅駅構内の廃線跡。
I名古屋臨海鉄道の昭和町駅駅構内の廃線跡。
J名古屋臨海鉄道の昭和町駅駅構内の廃線跡。
J名古屋臨海鉄道の昭和町駅駅構内の廃線跡。
K名古屋臨海鉄道の昭和町駅駅構内の廃線跡。
L名古屋臨海鉄道の昭和町駅駅構内の廃線跡。
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