更新日時 2015年02月25日
ベンガラ館(べんがらかん)は岡山県高梁市にある赤色顔料ベンガラをテーマとする博物館。1707年の生産開始以来日本唯一のベンガラ産地として繁栄した吹屋地区にあったベンガラ工場跡を活用して開設された。明治時代のベンガラ工場の建物と製造用器具を忠実に復元し、ベンガラの製造工程を紹介している。実際に使用された古い製造用器具の展示もされており、隣接する陶芸館ではベンガラで絵付けされた九谷焼、伊万里焼、京焼等の陶磁器が展示されている。弁柄(べんがら、オランダ語: Bengala、紅殻とも表記)あるいは酸化鉄赤(英語: Red Iron Oxide)は、赤色顔料・研磨剤のひとつ。酸化第二鉄(赤色酸化鉄、酸化鉄(III)、Fe2O3)を主要発色成分とする。ベンガラである。Color Index Generic Nameは合成酸化鉄赤が Pigment Red 101 で、天然酸化鉄赤が Pigment Red 102 である。化学組成は鉄の赤錆と同様といえる。硫酸鉄を高温で熱し、苛性ソーダで中和したものである。 | |
住所 岡山県高梁市成羽町吹屋 TEL 0866-29-2136 入館料その1 大人200円 小人100円 /団体割引 20人以上10%割引 入館料その2 周遊券 4施設 大人850円 ※20名以上大人750円 休業日 12月29日〜31日 |
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A高梁市ベンガラ館。 | |
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A吹屋弁柄の由来:弁柄とは印度地方に産出する黄土(天然酸化鉄)より命名されたと伝えられる。日本でも古く装飾古墳時代から使われ徳川初期の長崎輸入品控にはスホウその他の色素とともにその名が記されている。吹屋の弁柄は宝永年間(1704年)より銅山の捨石の中から、硫化鉄鉱を拾い出し家内工業として極く素朴な製品が少量ずつ作り始め宝暦初年本山鉱山開発、ローハ製造その凝結に成功し、このローハを原料として弁柄の製造も工業化の折柄寛政年間(1790年)早川代官が地場産業として将来性を認め仲間組合を作らせ御免町人として許可その製造販売を援助奨励されてより個々には、隆退交替があれど組合としては、製品の優秀さと仲間組合の合理性により、明和年間大阪では一時盛んに製造されたダライコ弁柄との競争にも勝ち以来、徳川、明治、大正、昭和中期まで二百年間日本でただ一ヶ所の産地として繁栄を続け現在邸宅、調度などに、その面影を残している。 | |
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A弁柄(Fe2O3) | A焼き。 |
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Aローハ(FeSO4・7H2O) | A硫化鉄鉱(FeS2) |
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A窯場:原料のローハをよく乾燥させてホーロク(土器皿)に少量ずつ盛る。これを釜の中に二百枚前後積み重ね、下から松薪を焚き1〜2昼夜七百度位の火力で焼くと赤く変化した弁柄の基が出来上がる。これを「焼き」という。 | |
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A窯場の天井。 | A窯場。 |
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Aベンガラ館の展示室。 | |
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Aベンガラ館の展示室に掲載されている当時の写真。 | |
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Aベンガラ館の展示室に展示されている当時の資料。 | |
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Aベンガラ館の展示室に展示されている当時の資料。 | |
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Aベンガラ館の展示室に展示されている当時の資料。 | |
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Aベンガラ館の展示室に展示されている標本及び主な用途。 | |
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A弁柄の水洗い碾臼場(ひきうすば) | |
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A窯で焼いた「焼き」には不純物が多く混じっているため階段式の水槽で不純物を取り除く作業を行う。まず、窯場でできた「焼き」を水槽に入れて水を加えて攪拌し、しばらく時間をおいて階段式に設けられた水槽に順次流し込み水洗いをする(水簸という)水洗い水簸が終わると水車を動力とした石臼で碾き粒子小さくする。これを次の工程に移動する。 | |
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A弁柄の水洗い碾臼場(ひきうすば) | |
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A弁柄の水洗い碾臼場(ひきうすば)の水車。 | |
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A脱酸場。 | |
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A水洗い碾臼場で出来たものは酸性分が強いためここで酸を抜く作業をいう(あく抜きともいう)水洗い碾臼場でから送られてきたものを水槽に入れ、清水を入れて攪拌する。弁柄と水は溶け合わないので時間が経てば弁柄は沈殿し、硫酸分を含んだ「うわ水」を捨て、また清水を入れ同じ作業を数十回から百回くらい繰り返し脱酸する。こうして硫酸分の無くなった泥状の弁柄を干板に薄く流し、干棚に並べて天日で乾かす。乾燥した弁柄を鞭(むろ)にて「たたき箱」の中に落とし、トンコにかけて粒子を整え製品の「吹屋弁柄」が完成する。 | |
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A弁柄を運搬する木製のトロッコ。 | |
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A吉岡鉱山で採鉱された磁硫鉄鋼と黄銅鉱の混在した硫化鉄鉱石。 | |
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A弁柄の1年の出荷量。 | A吹屋の当時の写真。 |
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Aベンガラ館にある登り窯。 | |
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B吹屋町の弁柄を使った外壁。 | |
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B吹屋町の弁柄を使った外壁。 | |
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B吹屋郵便局は弁柄が使われている。 | |
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