更新日時 2019年03月17日

岩手開発鉄道日頃市線・赤崎線
 岩手開発鉄道株式会社(いわてかいはつてつどう、英文社名 IWATE DEVELOPMENT RAILWAY CO., LTD.)は、岩手県大船渡市で貨物鉄道を営む鉄道会社である。現在は貨物専業であるが、1992年3月までは旅客輸送も行っていた。太平洋セメントが8割以上を出資する主要株主となっているが、当初の設立目的から大船渡市など地元自治体も出資しており、第三セクター方式の鉄道会社のはしりでもある。盛駅を起点とする全長11.5kmの日頃市線・赤崎線の2つの路線を有し、大船渡市の内陸部にある大船渡鉱山で産出される石灰石などを、同市赤崎町にある太平洋セメント大船渡工場まで輸送している。2003年度の貨物輸送量は265万tで、私鉄では上位クラスの輸送量であるが、年間400万t以上あった1990年代以前の輸送量に比べると減少している。地域振興と林産資源などの開発を目的として設立された。盛駅から釜石線平倉駅間を結ぶ鉄道を計画したが、太平洋戦争中は工事が中断し、日頃市線として盛 - 日頃市間の鉄道が開業したのは戦後の1950年である。当初は貨物・旅客輸送とも振るわなかったが、赤崎線盛 - 赤崎間と日頃市線日頃市 - 岩手石橋間を延伸し、小野田セメント(現在の太平洋セメント)大船渡工場の石灰石輸送を開始した後は経営が持ち直した。しかし旅客輸送人員は日本全国の旅客営業を行っている私鉄では常に最低で、1992年には旅客営業を廃止している。
日頃市線:盛駅 - 猪川駅 - 長安寺駅 - 日頃市駅 - 岩手石橋駅 9.5km 貨物線
赤崎線:盛駅 - 赤崎駅 2.0km 貨物線
龍振鉱業(株)住田事業所。 太平洋セメント長岩鉱山。
太平洋セメント長岩鉱山(旧小野田セメント長岩鉱山)設備。(2011年8月14日撮影)
 岩手石橋駅(いわていしばしえき)は、岩手県大船渡市日頃市町字石橋19-2にある岩手開発鉄道日頃市線の貨物駅である。駅構造は太平洋セメント大船渡鉱山(長岩鉱山)で採掘された石灰石を、同社大船渡工場へ発送する役割を担う。(2011年8月14日撮影)
 スイッチバック構造を持つ地上駅。本線から先に伸びる引き上げ線から折り返した場所に石灰石積込用のホッパーが1基設置されている。旅客営業のなごりで、2階建ての駅舎が残っている。単式ホームも残っているが、線路は撤去されている。(2011年8月14日撮影)
石灰石積込用のホッパー設備。(2011年8月14日撮影)
岩手石橋駅(2019年3月09日撮影)
石灰石積込用のホッパー設備の引き込み線。(2011年8月14日撮影)
 ⑥岩手開発鉄道日頃市線の日頃市駅 - 岩手石橋駅間の石橋駅前踏切より撮影。(2011年8月14日撮影)
岩手開発鉄道日頃市線の日頃市駅 - 岩手石橋駅間の石橋駅前踏切より撮影。(2019年3月09日撮影)
岩手開発鉄道日頃市線の日頃市駅 - 岩手石橋駅間。(2011年8月14日撮影)
岩手開発鉄道日頃市線の日頃市駅 - 岩手石橋駅間。第二盛街道陸橋。(2011年8月14日撮影)
岩手開発鉄道日頃市線の日頃市駅 - 岩手石橋駅間。(2011年8月14日撮影)
岩手開発鉄道日頃市線の日頃市駅 - 岩手石橋駅間。(2011年8月14日撮影)
 日頃市駅(ひころいちえき)は、岩手県大船渡市大字日頃市町にある岩手開発鉄道日頃市線の貨物駅である。貨物駅であるが貨物の発着は既に無く、列車交換が行われる信号場としてのみ機能している。(2011年8月14日撮影)
 日頃市駅構造は列車の交換が可能な2本の線路がある地上駅。旅客営業の名残で平屋建ての駅舎と相対式ホームが残っている。駅舎には柵が施され、中には入れない。なお、駅の盛側にはトンネルがある。(2011年8月14日撮影)
日頃市駅の倉庫。(2019年3月09日撮影)
 ⑪岩手開発鉄道日頃市線の長安寺駅 - 日頃市駅間の隧道。全長82m。日頃市駅側。(2011年8月14日撮影)
 ⑪岩手開発鉄道日頃市線の長安寺駅 - 日頃市駅間の隧道。全長82m。長安寺駅側。(2011年8月14日撮影)
岩手開発鉄道日頃市線の長安寺駅 - 日頃市駅間の橋梁。(2011年8月14日撮影)
 ⑫岩手開発鉄道日頃市線の長安寺駅 - 日頃市駅間の橋梁。第一盛街道陸橋。(2011年8月14日撮影)
 ⑬岩手開発鉄道日頃市線の長安寺駅 - 日頃市駅間の第一川内踏切より撮影。(2011年8月14日撮影)
 ⑭岩手開発鉄道日頃市線の長安寺駅 - 日頃市駅間の第五板用踏切より撮影。(2011年8月14日撮影)
 岩手開発鉄道日頃市線の長安寺駅 - 日頃市駅間の第四板用踏切より撮影。(2011年8月14日撮影)
 ⑯岩手開発鉄道日頃市線の長安寺駅 - 日頃市駅間の第三板用踏切より撮影。(2011年8月14日撮影)
 ⑰岩手開発鉄道日頃市線の長安寺駅 - 日頃市駅間の第二板用踏切より撮影。(2011年8月14日撮影)
 ⑱岩手開発鉄道日頃市線の長安寺駅 - 日頃市駅間の第一板用踏切より撮影。(2011年8月14日撮影)
 ⑲岩手開発鉄道日頃市線の長安寺駅 - 日頃市駅間の長安寺駅北部踏切より撮影。(2011年8月14日撮影)
 ⑲岩手開発鉄道日頃市線の長安寺駅 - 日頃市駅間の長安寺駅北部踏切より撮影。(2019年3月09日撮影)
 長安寺駅(ちょうあんじえき)は、岩手県大船渡市日頃市町長安寺にある岩手開発鉄道日頃市線の貨物駅である。貨物駅であるが貨物の発着は既に無く、列車交換が行われる信号場としてのみ機能している。(2011年8月14日撮影)
 長安寺駅構造は地上駅。列車交換ができる2本の線路と、保線車両の留置線1線がある。旅客営業時代の名残で、平屋建ての駅舎と相対式ホームが残っている。(2011年8月14日撮影)
岩手開発鉄道日頃市線の猪川駅 - 長安寺駅間の長安寺踏切より撮影。(2011年8月14日撮影)
 ②岩手開発鉄道日頃市線の猪川駅 - 長安寺駅間の中里隧道。全長63m。長安寺駅側。(2011年8月14日撮影)
 ②岩手開発鉄道日頃市線の猪川駅 - 長安寺駅間の中里隧道。全長63m。猪川駅側。(2011年8月14日撮影)
岩手開発鉄道日頃市線の猪川駅 - 長安寺駅間の橋梁。(2011年8月14日撮影)
岩手開発鉄道日頃市線の猪川駅 - 長安寺駅間の橋梁。(2011年8月14日撮影)
岩手開発鉄道日頃市線の猪川駅 - 長安寺駅間の第二千刈踏切より撮影。(2011年8月14日撮影)
岩手開発鉄道日頃市線の猪川駅 - 長安寺駅間の第一千刈踏切より撮影。(2011年8月14日撮影)
 ⑤岩手開発鉄道日頃市線の猪川駅 - 長安寺駅間の隧道。全長106m。長安寺駅側。(2011年8月14日撮影)
 ⑤岩手開発鉄道日頃市線の猪川駅 - 長安寺駅間の隧道。全長106m。猪川駅側。(2011年8月14日撮影)
岩手開発鉄道日頃市線の猪川駅 - 長安寺駅間。(2011年8月14日撮影)
 ⑦岩手開発鉄道日頃市線の猪川駅跡。猪川駅はホームが撤去されて、道路から駅に通じる階段が残るのみである。(2011年8月14日撮影)
岩手開発鉄道日頃市線の盛駅 - 猪川駅間。(2011年8月14日撮影)
 DD5653:DD56形 (DD5651 - 5653) 1968年から1973年にかけて新潟鉄工所で製造されたセンターキャブ式のディーゼル機関車。当初自重53tであったためDD53形であったが、1979年に機関をDMF31SB(500ps/1500rpm)からDMF31SDI(600ps/1500rpm)に換装し56tとなったため同時に改番された。1993年から直噴式機関への換装が実施されている。(2011年8月14日撮影)
 DD5601:DD56形 (DD5601) 1977年に新潟鉄工所で製造されたセンターキャブ式のディーゼル機関車。56t機で機関はDMF31SBI(600ps/1500rpm)を2基搭載している。(2011年8月14日撮影)
 DD5651:DD56形 (DD5651 - 5653) 1968年から1973年にかけて新潟鉄工所で製造されたセンターキャブ式のディーゼル機関車。当初自重53tであったためDD53形であったが、1979年に機関をDMF31SB(500ps/1500rpm)からDMF31SDI(600ps/1500rpm)に換装し56tとなったため同時に改番された。1993年から直噴式機関への換装が実施されている。(2011年8月14日撮影)
 DD5652:DD56形 (DD5651 - 5653) 1968年から1973年にかけて新潟鉄工所で製造されたセンターキャブ式のディーゼル機関車。当初自重53tであったためDD53形であったが、1979年に機関をDMF31SB(500ps/1500rpm)からDMF31SDI(600ps/1500rpm)に換装し56tとなったため同時に改番された。1993年から直噴式機関への換装が実施されている。(2011年8月14日撮影)
 ホキ101:ホキ100形 (101 - 152) 小野田セメント大船渡工場への石灰石輸送用として新造された35 トン 積の貨車(ホッパ車)である。1960年に13両が配備され、2000年まで増備された。国鉄セキ3000形貨車との同一設計であるが、両側の下部の荷卸開戸が電動式となっているのが特徴。現在は45両が在籍する。(2011年8月14日撮影)
 ⑨岩手開発鉄道の車両基地。従業員の方に機関車見せてくださいと言ったら快く見せて頂きました(2011年8月14日撮影)。
岩手開発鉄道日頃市線の盛駅 - 猪川駅間の中井踏切より撮影。(2011年8月14日撮影)
岩手開発鉄道日頃市線の盛駅 - 猪川駅間の中井踏切より撮影。(2019年3月09日撮影)
 岩手開発鉄道の盛駅は、同線の拠点駅として機能しており、車両基地が置かれている。JRや三陸鉄道のホームの西側に、1面1線のホームがあるが、旅客営業廃止により立ち入り禁止となっている。(2011年8月14日撮影)
岩手開発鉄道の盛駅。駅名標が塗り直されている。(2019年3月09日撮影)
 盛駅(さかりえき)は、岩手県大船渡市盛町字東町裏にある、東日本旅客鉄道(JR東日本)・三陸鉄道・岩手開発鉄道の駅である。旅客路線としては、JR東日本の大船渡線と、三陸鉄道の南リアス線が乗り入れており、接続駅となっている。これに加え、岩手開発鉄道の日頃市線と赤崎線が乗り入れているが、この2路線は貨物列車のみの運行である。ただし日頃市線は1992年(平成4年)まで旅客営業を行っていた。なお、上記の路線がいずれも当駅が起点・終点である。(2011年8月14日撮影)
 JR・三陸鉄道の盛駅構造は単式ホーム1面1線と島式ホーム1面2線、計2面3線のホームを持つ地上駅。配線の関係上、南リアス線は3番線発着(大船渡線と直通運転する場合も含む)となっている。互いのホームは跨線橋で連絡している。JRの駅は直営駅(駅長配置)で、管理駅として細浦駅 - 大船渡駅間の各駅を管理している。JR駅舎には自動券売機、みどりの窓口(営業時間 5:30 - 19:00 ※途中休止時間帯あり)がある。三陸鉄道は社員配置駅(早朝夜間駅員不在)。三鉄駅舎には自動券売機、出札窓口がある。また構内には三陸鉄道南リアス線運行本部(旧・大船渡鉄道事務所)があり、南リアス線に使用される車両が配置されている。JR、三陸鉄道間をリアス・シーライナーなどで直通運転する場合は、当駅で方向転換する形となる。(2011年8月14日撮影)
 ⑪JR・三陸鉄道の盛駅。2012年に三陸海岸の復興支援の目的で、列車の運行は再開していないもののJR駅舎のリニューアル工事が行われた。駅のテーマは「海岸のまち」で、大船渡市の名所「碁石海岸穴通し磯」をイメージして駅舎入口にルーバー状のひさしを設置している。また待合室の床は碁石海岸を模して丸い石の模様で敷き詰め、境界線が波打ち際を表現するようにカーブを描かせたものとなっている。単式ホーム1面1線と島式ホーム1面2線、計2面3線のホームを持つ地上駅。南リアス線は3番線発着となっている。2013年4月26日からは、1番線と2・3番線の間の線路部分をかさ上げし専用道が整備されBRTが構内に乗り入れるようになった。専用道上に横断通路を設置し、BRTや三陸鉄道の利用の際に跨線橋を使わずに移動できるようになった。 (2019年3月09日撮影)
 三陸鉄道36-100形気動車(さんりくてつどうさんりく100がたきどうしゃ)は、三陸鉄道の普通列車用気動車である。1984年(昭和59年)の三陸鉄道開業時に導入された車両であり、開業時に16両が富士重工業および新潟鐵工所で新製され、翌年3両増備された。形式名称の「36」は、「さんりく」をもじって付けられたものである。36-100形:36-101 - 36-110の10両が製造された。両運転台・汚物処理装置付きトイレ(FRPユニット構造)を装備し、ワンマン運転対応の設備も有している。座席はセミクロスシートで車端部がロングシートとなっているが、クロスシート部分は左右の座席をずらした配置となっている。前面は、貫通路を強調したデザインとなっており、ホロを格納した時にホロが目立たない構造となっている。車体の色は、アイボリー地に赤色で「三陸」の「三」を3本線で表し、アクセントカラーを青として、赤・白・青の配色がなされている。(2011年8月14日撮影)
保線用モーターカー。富士重工製のTMC200?(2011年8月14日撮影)
保線用モーターカー。型式不明。(2011年8月14日撮影)
 ホキ100形 (101 - 152) 小野田セメント大船渡工場への石灰石輸送用として新造された35 トン 積の貨車(ホッパ車)である。1960年に13両が配備され、2000年まで増備された。国鉄セキ3000形貨車との同一設計であるが、両側の下部の荷卸開戸が電動式となっているのが特徴。現在は45両が在籍する。(2011年8月14日撮影)
ホキ100形 (101 - 152) (2019年3月09日撮影)
岩手開発鉄道赤崎線の駅 - 赤崎駅間の盛駅南部踏切より撮影。(2011年8月14日撮影)
岩手開発鉄道赤崎線の駅 - 赤崎駅間の盛駅南部踏切より撮影。(2019年3月09日撮影)
岩手開発鉄道赤崎線の駅 - 赤崎駅間。(2011年8月14日撮影)
岩手開発鉄道赤崎線の駅 - 赤崎駅間の第二盛川橋梁踏切より撮影。(2011年8月14日撮影)
岩手開発鉄道赤崎線の駅 - 赤崎駅間の盛川橋梁。(2011年8月14日撮影)
岩手開発鉄道赤崎線の駅 - 赤崎駅間の田茂山街道踏切より撮影。(2011年8月14日撮影)
 赤崎駅(あかさきえき)は、岩手県大船渡市赤崎町字普金56-3にある岩手開発鉄道赤崎線の貨物駅である。(2011年8月14日撮影)
赤崎駅。津波で流された壁は復旧済み。(2019年3月09日撮影)
 赤崎駅構造は石灰石鉱山がある岩手石橋駅から発送される石灰石を取扱う貨物駅。地上駅。太平洋セメントの専用線上に石灰石荷降ろし設備がある。荷降ろし設備でホッパ車から降ろされた石灰石は、ベルトコンベアを通じて太平洋セメント大船渡工場へ輸送される。ホッパー内は東日本大震災の津波の影響が残る。(2011年8月14日撮影)
赤崎駅舎はコンクリート造りの2階建てである。 赤崎駅レールエンド。
赤崎駅舎。(2019年3月09日撮影)
 太平洋セメント株式会社(たいへいようセメント)は、1998年に秩父小野田(1994年に秩父セメント、小野田セメントが合併)と日本セメント(1947年に浅野セメントから改称)が合併して設立されたセメント業界最大手の企業である。前身企業のうち小野田セメントが三井系で、秩父セメントのメインバンクは当時の第一勧業銀行、日本セメントのメインバンクは旧富士銀行であった。故に太平洋セメントは三井グループとみずほグループ(第一勧銀グループ及び芙蓉グループ)に属しているセメント会社といえる。「創業」ではなく、会社設立の年月では最も古い企業とされる。(2011年8月14日撮影)
 太平洋セメントにとって東北地方で唯一の生産拠点である大船渡工場の生産能力は年間約180万t。同社グループの約10%を占める。従業員は約150人。出口のセメント生産量に比例するが、年間約40万~45万tの廃棄物をセメント原燃料にリサイクルする能力がある。幸い地震と津波で人的な被害はなかった。だが、2つあるキルン(セメントを焼成する回転窯)のうち、1つが津波による津波の被害(塩害)を受けており、もう1つのキルンも地震で設備が損傷しているという。さらにセメントの原料を受け入れ、出荷する内航船のための港湾設備も損傷しており、全体の復旧には時間と資金がかかる見通しだ。(2011年8月14日撮影)
 大船渡工場は年間セメント生産高約176万t(平成19年度実績)の当社の東北における唯一の工場です。臨海工場の利点を活かし、セメント出荷量の85%を2,000~10,000t級の専用タンカー船で各地のサービスステーションに出荷しています。(2011年8月14日撮影)
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