更新日時 2012年04月01日

鹿島臨海鉄道鹿島臨港線
 鹿島臨海鉄道鹿島臨港線は、茨城県鹿嶋市の鹿島サッカースタジアム駅と茨城県神栖市の奥野谷浜駅とを結ぶ鹿島臨海鉄道の鉄道路線である。貨物線であるが、一時期旅客営業を行っていたこともあった。 大洗鹿島線と鹿島臨港線の2路線を有し、大洗鹿島線には (Oarai-Kashima Line) の頭文字を取った「OKL」のシンボルマークがある。元来は、鹿島臨海工業地帯への原料および生産品の輸送のため、1969年(昭和44年)に日本国有鉄道(国鉄)や茨城県、進出企業の出資により設立された貨物専業鉄道(臨海鉄道)であった。一時期、新東京国際空港(現在の成田国際空港)への航空機燃料の暫定輸送に対する地元への見返りとして鹿島臨港線北鹿島 - 鹿島港南間で旅客営業を行ったことがあったが、乗客が非常に少なかった事から航空機燃料暫定輸送終了(パイプライン化)と同時に廃止されている。近年は、旅客収入が貨物収入を上回っている。燃料輸送の終了後、貨物輸送量は一時大幅に減少したが、貨物のコンテナ化を進め、再び取扱量を伸ばしている。なお一時、大洗鹿島線でも貨物列車が運行されていた。鹿島サッカースタジアム - 神栖間は、2008年3月15日改正時点では貨物列車(高速貨物列車)が3往復運行されている。そのうち2往復は東京貨物ターミナル駅との間、1往復は越谷貨物ターミナル駅との間で運行されている。ただし、日曜日は東京貨物ターミナル駅発着の1往復は運休し、機関車の回送列車に変更される。列車の編成はコンテナ車が主体だが、神栖駅で解体される貨車が連結されることがある。このほか、1日1往復の回送列車が設定されている。神栖 - 奥野谷浜間には、1日1往復の貨物列車が設定されている。
鹿島臨海鉄道 鹿島臨港線(貨物線)
鹿島サッカースタジアム駅 - 神栖駅 - (鹿島港南駅) - 知手駅 - 奥野谷浜駅
 鹿島サッカースタジアム駅(かしまサッカースタジアムえき)は、茨城県鹿嶋市大字神向寺にある、東日本旅客鉄道(JR東日本)・鹿島臨海鉄道の駅(臨時駅)である。JR東日本の鹿島線と、鹿島臨海鉄道の大洗鹿島線と鹿島臨港線が乗り入れているが、鹿島臨港線は現在は貨物列車の運行のみで旅客営業は行っていない。JR鹿島線・大洗鹿島線の終点かつ、鹿島臨港線の起点であるが、平常ダイヤではJR鹿島線の旅客列車は乗り入れておらず、代わりに大洗鹿島線のすべての定期列車がJR鹿島線の鹿島神宮駅まで片乗り入れし、鹿島神宮駅を事実上のJRとの接続駅としているうえ、後述のように通常ダイヤでは当駅に停車しない。そのため、当駅から鹿島神宮駅までも実質「大洗鹿島線」区間のようになっているが、同区間はJR東日本の運賃がかかるJR線(鹿島線)区間である。このため、貨物駅(改称前の北鹿島駅)時代も時刻表には「北鹿島は全列車通過します」と表記した上で掲載されており、鹿島神宮経由のJR鹿島線⇔大洗鹿島線の連絡運賃は当駅を連絡駅として計算されている。当駅は隣接する茨城県立カシマサッカースタジアムで主にJリーグ鹿島アントラーズのホームゲーム等が開催される場合のみ旅客扱いを行う。それ以外の日はすべての旅客列車が通過し旅客扱いが行われないため(信号扱所、貨物駅の機能のみ)、旅客列車は通過あるいは交換のための運転停車のみであるが、会社境界駅のため、サッカー開催日以外も当駅発着の乗車券は発売される。サッカー試合開催日は、多くの乗客が利用するため、特に多客が見込まれる場合には、大洗鹿島線車両を使用したJR東日本の臨時増発列車が乗り入れることもある。JR東日本の管轄駅となっているが、営業日の改札業務や乗車券販売などは鹿島臨海鉄道の社員が行っている。隣の鹿島神宮駅からの営業キロは3.2kmと設定されている。運転士が用いる時刻表などでは、「鹿島スタ」と略して表示される。
 鹿島サッカースタジアム駅構造は島式ホーム1面2線を有する地上駅。鹿島線の留置線、貨物用(鹿島臨港線、大洗鹿島線との授受)の側線、機関車の留置線を有する。ここで機関車の付け替えが行われている。駅構内は一部を除き直流1500Vで電化されており、定期貨物列車として日本貨物鉄道(JR貨物)高崎機関区所属のEF65形電気機関車が乗り入れるほか、定期特急列車「あやめ」号に使用されるJR東日本E257系電車、鹿島線209系電車が夜間留置のため乗り入れる。前記したが、サッカー開催時にはJR東日本の電車が営業運転で乗り入れることもあり、ホームには5両編成の特急電車用停止位置目標も用意されている。同駅の跨線橋は歩行者専用の市道となっており、試合開催日には駅の利用者と線路を挟んだ向かい側に点在する民間駐車場からスタジアムまで行く観客との共用である。
鹿島臨海鉄道鹿島臨港線の鹿島サッカースタジアム駅 - 神栖駅間の跨線橋より撮影。
鹿島臨海鉄道鹿島臨港線の鹿島サッカースタジアム駅 - 神栖駅間の宮中第1踏切より撮影。
鹿島臨海鉄道鹿島臨港線の鹿島サッカースタジアム駅 - 神栖駅間の宮中第2踏切より撮影。
鹿島臨海鉄道鹿島臨港線の鹿島サッカースタジアム駅 - 神栖駅間の下津道踏切より撮影。
鹿島臨海鉄道鹿島臨港線の鹿島サッカースタジアム駅 - 神栖駅間の養鶏場前踏切より撮影。
鹿島臨海鉄道鹿島臨港線の鹿島サッカースタジアム駅 - 神栖駅間の養鶏場裏踏切より撮影。
鹿島臨海鉄道鹿島臨港線の鹿島サッカースタジアム駅 - 神栖駅間の跨線橋より撮影。
鹿島臨海鉄道鹿島臨港線の鹿島サッカースタジアム駅 - 神栖駅間の跨線橋より撮影。
鹿島臨海鉄道鹿島臨港線の鹿島サッカースタジアム駅 - 神栖駅間の跨線橋より撮影。
鹿島臨海鉄道鹿島臨港線の鹿島サッカースタジアム駅 - 神栖駅間のパラポラ踏切より撮影。
鹿島臨海鉄道鹿島臨港線の鹿島サッカースタジアム駅 - 神栖駅間より撮影。
鹿島臨海鉄道鹿島臨港線の鹿島サッカースタジアム駅 - 神栖駅間の栗生2号踏切より撮影。
鹿島臨海鉄道鹿島臨港線の鹿島サッカースタジアム駅 - 神栖駅間の栗生3号踏切より撮影。
鹿島臨海鉄道鹿島臨港線の鹿島サッカースタジアム駅 - 神栖駅間の通学道踏切より撮影。
鹿島臨海鉄道鹿島臨港線の鹿島サッカースタジアム駅 - 神栖駅間の栗生6号踏切より撮影。
鹿島臨海鉄道鹿島臨港線の鹿島サッカースタジアム駅 - 神栖駅間の国松国道踏切より撮影。
鹿島臨海鉄道鹿島臨港線の鹿島サッカースタジアム駅 - 神栖駅間の湖岸南部5号踏切より撮影。
鹿島臨海鉄道鹿島臨港線の鹿島サッカースタジアム駅 - 神栖駅間の泉川新道踏切より撮影。
鹿島臨海鉄道鹿島臨港線の鹿島サッカースタジアム駅 - 神栖駅間の新居切道踏切より撮影。
鹿島臨海鉄道鹿島臨港線の鹿島サッカースタジアム駅 - 神栖駅間の深芝浜道踏切より撮影。
神栖駅(かみすえき)は、茨城県神栖市東深芝にある鹿島臨海鉄道鹿島臨港線の貨物駅である。
 神栖駅構造は地上駅であり、コンテナホーム1面1線のほか、仕分線・留置線・車両基地(神栖車両区)などが構内にある。駅の事務所は構内の東側(道路側)に設置されている。また、1978年(昭和53年)から1983年(昭和58年)まで旅客営業を行っていた名残で、構内西側(和田山緑地側)に旅客ホームが残っている。車両基地が構内にある関係で、貨物列車だけではなく旅客列車用の気動車も乗り入れている。また、駅構内で鉄道車両の解体作業を請け負っており、解体予定のJRの電車や貨車が当駅まで輸送されることがある。鹿島臨海通運(鹿島臨海鉄道グループ)・全国農業協同組合連合会(全農)・昭和産業の専用線がそれぞれ駅に接続していたが、いずれもすでに廃止されている。なお、鹿島臨海通運専用線は日本通運と日本陸運産業(現在の日陸)、全農専用線はJA東日本くみあい飼料なども利用者となっていた。
 KRD64形(KRD64-1・KDR64-2、2両) 1号機は2004年(平成16年)、2号機は2009年(平成21年)に日本車輌製造で製造された64トン級ディーゼル機関車である。三菱のエンジン(S6A3-TA、560馬力)を2台搭載している。
鹿島臨海鉄道鹿島臨港線の神栖駅 - 神之池駅間の第11**踏切より撮影。
鹿島臨海鉄道鹿島臨港線の神栖駅 - 神之池駅間より撮影。
鹿島臨海鉄道鹿島臨港線の神之池駅跡。起点から13.0㎞。1976年廃止。
鹿島臨海鉄道鹿島臨港線の神之池駅 - 鹿島港南駅間の奥野岡谷踏切より撮影。
鹿島臨海鉄道鹿島臨港線の神之池駅 - 鹿島港南駅間の般若寺前踏切より撮影。
 鹿島港南駅(かしまこうなんえき)は、かつて茨城県鹿島郡神栖町(現・神栖市)に設置されていた鹿島臨海鉄道鹿島臨港線の駅である。1978年(昭和53年)から1983年(昭和58年)までの5年間営業していた。パイプラインの敷設によって行うことになっていた、鹿島港から新東京国際空港(成田空港)への燃料輸送が、敷設工事の遅れのため暫定的に鹿島臨海鉄道を用いることになった。これに伴う地元への見返りとして、鹿島神宮駅 - 北鹿島駅(貨物駅) - 神栖駅 - 鹿島港南駅間で旅客営業を実施することになり、旅客営業区間の終端として設けられたのが当駅であった。神栖駅などと違い、旅客専用の駅として設置された当駅は、旅客営業が暫定的ということもあって駅舎は建設されず、単式ホームに屋根とベンチがあるだけの簡易な構造の無人駅とされた。また閉塞も当駅を挟んだ神栖駅 - 知手駅(貨物駅)間で1区間のままとされ、鹿島港南駅に到着した列車は一度知手駅まで引き上げて折り返していた。廃止時のダイヤは朝・昼・夜に鹿島港南 - 鹿島神宮間の折り返し列車が3往復設定されているだけであった。当駅周辺は田園地帯の中であり、地元利用者も少なく、利用客は1日平均十数人程度であったという。このダイヤは知手側を基準に決定されており、列車が到着してから折り返し列車が発車するまで3・4時間開くため、乗りつぶし目的の鉄道ファンが列車で来ても、折り返す手段がなく困ったという逸話もある。パイプラインの完成に伴い、1983年に旅客営業は終了、旅客専用駅である当駅は同時に廃止された。現在の当駅の跡地は踏切となっている。
鹿島臨海鉄道鹿島臨港線の鹿島港南駅 - 知手駅間の旭電化踏切より撮影。
 知手駅(しってえき)は、茨城県神栖市東和田にある鹿島臨海鉄道鹿島臨港線の貨物駅である。地上駅で、臨時の車扱貨物の取扱駅であるが、神栖駅と奥野谷浜駅を結ぶ貨物列車が運転停車を行うのみとなっている。かつては、駅周辺に工場がある旭硝子や鹿島ケミカル、旭電化工業(現・ADEKA)、クラレ、鐘淵化学工業(現・カネカ)の専用線がそれぞれ駅から分岐していたが、これらはすべて廃止されている。このうち旭硝子専用線が最後まで使用され、液化塩素の発送があった。鹿島神宮駅 - 北鹿島駅 - 鹿島港南駅間で旅客営業運行が行われた際は、鹿島港南駅が閉塞の境となっていなかったことから、車庫のある神栖駅からここまで旅客車両を回送した上で折り返していた。
鹿島臨海鉄道鹿島臨港線の知手駅 - 奥野谷浜駅間の三菱ガス踏切より撮影。
鹿島臨海鉄道鹿島臨港線の知手駅 - 奥野谷浜駅間の3-3街路踏切より撮影。
鹿島臨海鉄道鹿島臨港線の三菱油化正門前踏切より撮影。
鹿島臨海鉄道鹿島臨港線の三菱油化踏切より撮影。
鹿島臨海鉄道鹿島臨港線の鹿島電解への廃線跡。
鹿島臨海鉄道鹿島臨港線の信越化学鹿島工場への廃線跡。(池向第2踏切跡)
鹿島臨海鉄道鹿島臨港線の三菱化学鹿島工場専用線の廃線跡。
鹿島臨海鉄道鹿島臨港線の三菱化学鹿島工場専用線の廃線跡。
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