更新日時 2014年01月11日

 赤山地下壕は、合計した長さが約1.6kmと、全国的にみても大きな壕で、館山市を代表する戦争遺跡のひとつです。昭和10年代のはじめに、ひそかに建設がはじまったという証言もありますが、今のところ赤山地下壕に関する資料が、ほとんど確認されていないため、つくられた時期は、はっきりしていません。しかし、このような大きな地下壕が,1941(昭和16)年の太平洋戦争開戦の前につくられた例はなく、当時の軍部が本格的に防空壕をつくりはじめたのは、1942(昭和17)年より後であることを、他地域の壕から知ることができます。また、全国各地につくられた大きな地下壕の壕と壕の間の長さは、一般的には10〜20m以上(長野市松代大本営予定地の象山地下壕は25mであるとされていますが、この赤山地下壕は5〜10mと狭いうえ、計画的に掘られたとは考えにくく、そのつくりから見て、終戦がさし迫った1944(昭和19)年より後に建設されたのではないかと考えられています。アメリカ軍の空襲が激しくなった太平洋戦争の終りの頃、この赤山地下壕が、館山海軍航空隊の防空壕として使われていたことは、壕内にある発電所跡や、終戦間際に、この壕の中で実際に館山海軍航空隊の事務をおこなったという体験や、病院の施設があったなどの証言からうかがい知ることができます。
 @豊津ホールで赤山地下壕の見学受付しヘルメットを借ります。「入壕料」は 個人:一般200円・小中高校生100円。館山市立博物館との共通観覧券。一般500円・小中高校生:250円。
A赤山地下壕は2007年4月に駅からハイキングで訪れていた。
B入口を入ると少し広い部分になる。入口から左へ90度分岐する。
C一旦狭くなり、再び広くなる。敵からの攻撃を防ぐための構造か?
C非公開部分は、低い柵があり立入禁止。ここを探索した方のレポートはこちら。
D非公開部分は、低い柵があり立入禁止(公開部分から撮影)
D赤山地下壕の公開部分。
 E赤山地下壕の公開部分。地層・隆起海岸:房総半島南部の海岸沿いは、隆起したことによる海岸段丘と海食崖が帯状に分布しています。また、沼地区には県指定天然記念物の沼珊瑚層があります。この地層や化石から見て、縄文時代は海水面が高く、谷の奥まで海が広がっていたことが解ります。房総半島南部は自然に海岸線が後退しただけではなく、度々の地震によって土地の隆起が繰り返され、4つの海岸段丘が形成されました。現在もその痕跡を見ることが出来ます。
F赤山地下壕の公開部分。
G非公開部分(公開部分から撮影) G赤山地下壕の公開部分。
H赤山地下壕の公開部分。
H赤山地下壕の公開部分。 I非公開部分(公開部分から撮影)
J非公開部分(公開部分から撮影)
 J非公開部分(公開部分から撮影)防衛省防衛研究所に、「館山航空基地次期戦備施設計画位置図」という図面があります。太平洋戦争末期につくられたこの図面を見ると、赤川地下壕の位置には「工作科格納庫」「応急治療所」「自力発電所」と記されています。天井が高い壕は、格納庫として使われたのかもしれません。
K赤山地下壕の公開部分。
 K赤山地下壕の公開部分。戦後の赤山地下壕は「忘れられた存在」になっていましたが、温度が年中一定していることから、昭和30年頃より、キノコ栽培に使われていました。国内の他の戦争遺跡にも、戦後しばらくキノコ栽培に使われていた地下壕があります。この風呂やボイラー、コンクリートブロックなどはその時に設置されたものです。
K赤山地下壕の公開部分。
L赤山地下壕の公開部分。
L赤山地下壕の公開部分。
L赤山地下壕の公開部分。穴から非公開部分を撮影。
L赤山地下壕の公開部分。
M一旦外に出て、赤山地下壕の山をぐるりとまわり、外側の坑口を撮影。
N赤山地下壕の西側出口。Lの部分の出口。
O道路の反対側にも穴が開いている。
O赤山地下壕の出口。コンパネで閉鎖されている。
 P頼忠寺:慶長期に里見家の家老を務めた堀江能登守頼忠を、開基とするお寺です。頼忠は、1614年に伯耆国倉吉へ配流となった里見忠義に従って彼の地へ赴いた後、1617年に没しました。またこの寺には頼忠の所領から10石の寺領が与えられていました。本堂に頼忠の木造が祀られ、墓地には供養塔があります。
Q村社熊野神社。
R赤山地下壕とは繋がっていないようだ。
R赤山地下壕とは繋がっていないようだ。
R赤山地下壕とは繋がっていないようだ。
S坑口がコンクリートで巻かれているため赤山地下壕と繋がっていそうだ。
@坑口がコンクリートで巻かれているため赤山地下壕と繋がっていそうだ。
A坑口がコンクリートで巻かれているため赤山地下壕と繋がっていそうだ。
B赤山地下壕と道路を隔てた坑口。
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出典: 館山市 赤山地下壕跡の見学
戦跡探索 赤山地下壕