更新日時 2011年01月01日

四国 地芳トンネル
 地芳トンネル(じよしトンネル)は、愛媛県久万高原町(旧柳谷村)・高知県檮原町間の四国カルスト直下に国土交通省が整備を進めている国道440号のトンネル。長さ2,990m、幅9.25m。建設が一時凍結されている高知、愛媛県内の国道について、四国地方整備局の事業評価監視委員会は2009年6月18日、「事業継続することは妥当」と結論付けた。国土交通省は地方の整備局判断を尊重するとしており、これで事実上の凍結解除が決まった。久万高原町と高知県梼原町を結ぶ国道440号地芳道路。コストに見合った効果が期待できないとして、国交省が2009年3月に建設を凍結していた。委員会では、工事方法の見直しによるコスト削減案や国の評価基準には含まれない防災・医療・産業面での効果を新たに提示した。委員からも「地域の特性を考慮して評価すべき」などの意見が出た。柏谷委員長は委員会終了後、「440号の工事は全体の86%進んでいる。中止すると、これまで投じた金が回収できず、工事を実施して効果を発揮する方がいいと理由を説明した。2009年11月7日に貫通。
ごうかく駅(久万高原町営バス)2009年7月。  地元の人は地芳道路の完成を願っているのであろう。2009年7月。
 @地芳トンネルの凍結解除が行われなければ、地元住民自らが、鍬を持ってトンネ. ルを掘りに行きたいぐらい、完成を望んでいる。 ・災害や積雪時には、地芳峠を越えられず、住民は地区に閉じ込められてしまう。2009年7月。
A地芳道路の橋梁工事中。2009年7月。
A地芳道路の橋梁工事中。2009年7月。
A地芳道路工事中。2009年7月。
B現在の地芳道路非常に狭い。 C県境の地芳峠。
C地芳峠の下に地芳トンネルが通っているらしい。
D地芳トンネル高知県側(旧道より見る目)2009年7月。
E地芳道路高知県側。2009年7月。
D地芳トンネル高知県側。2009年7月。
D地芳トンネル高知県側。2009年7月。
Dそれにしても、開通が2003年12月で約5年も完成してから使われていないとは・・・ 2009年7月。
D地芳トンネル高知県側目 2009年7月。
D地芳トンネル内に土の標本が保管されている。 D地芳トンネル内に電話か消火栓の切り込みが・・・
D地芳トンネル内は真っ暗だ・・・目 2009年7月。
D工事が完了していると思ったら奥から機械の動く音と光が見える。撤収だε=ε=ε= ヾ(*~▽~)ノ
2010年12月地芳トンネルの開通後の状況を確認に行った。
D地芳トンネル高知県側。綺麗に整備されている。
D地芳トンネル高知県側。交通量が殆ど無いので、撮影も余裕で出来る。
愛媛県と高知県との県境。愛媛県側を向く。 愛媛県と高知県との県境。高知県側を向く。
地芳トンネル愛媛県側。
地芳トンネルの愛媛県側は2010年4月に竣工したようだ。
A地芳道路。完成後。
A地芳道路。完成後。
工事名
平成15−17年度 地芳トンネル第1(その3)工事
活用技術名称(NETIS登録番号)
高圧多量地下水における長尺ボーリング技術
工事概要
 本現場は、松山市を起点とし久万高原町を経由し梼原町に至る一般国道440号の高知県と愛媛県の県境部分に位置し、県に代わり権限代行直轄事業として、地芳トンネル工事等を実施している。
 地芳トンネルは、県境に接する四国カルストの直下を横断する延長2,990mのトンネルである。
 現在、愛媛県側坑口より700mの地点で出現した高圧、多量の地下水(高圧大湧水帯区間550m)による湧水対策として、長尺先進ボーリング技術、高水圧・高地圧に耐え得る止水注入技術等の最新の技術を採用し実施している。

工事箇所 愛媛県上浮穴郡久万高原町西谷
工期 平成16年3月19日〜平成18年3月20日
工事内容 トンネル総延長 L=2,990m(愛媛県側工区延長L=1,387m)
トンネル掘削(NATM[タイヤ方式])
平成17年8月までの実績
・本坑 掘削L=907m(止水注入区間L=182m)
止水注入N=8回(総削孔長85,671m、総注入量6,728m3)
補助工法(AGF工法)L=12.5mN=554本、L=9.5mN=238本
・調査坑 掘削L=212m(止水注入区間L=177m)
止水注入N=6回(総削孔長25,397m、総注入量2,129m3)
補助工法(AGF工法)L=9.5mN=344本
・長尺水平調査ボーリング N=2回(L=250m、L=474m)
※AGF工法は、2004年11月号(バックナンバー)で紹介している。

活用技術の概要
 高圧湧水対策工を立案するにあたり、前方探査の手段として、シールドリバース工法による長尺先進ボーリングを採用した。
 これにより、目標探査距離(474m)を無事掘削でき、その結果湧水位置・湧水圧・湧水量や、採取したコアから地質状況等が把握でき、止水注入の必要範囲等に有効な資料を得た。
 シールドリバース工法は、水平ボーリング専用に開発された高トルク・高給圧力を有する穿孔機(TOPLS21型)と、高強度のシールドパイプを使用することにより、高圧・多量の地下水下での崩壊性の地質や断層破砕帯でも掘削可能な工法である。
 コアの採取方法は、外管と内管による二重管の同時回転で掘削しながら、穿孔機に内蔵されたウォータースイベルから外管と内管の間に送水し、先端で噴出された削孔水を内管に送り戻しながらコアとともに排出する。
 ケーシングのプログラムは、脆弱な地層の崩壊防止のためにケーシングパイプを途中で定管し、掘削径を落として順次掘削できるように、4回の段落としで計画した。



技術導入の目的(効果)
経済性 コア確認による確実な前方探査が広範囲で可能となるため、工事全体のコストダウンができる。
工程 コアチューブの出し入れがないため、施工速度が速い。
品質 2重管削孔のため、確実なコア採取が可能である。
安全性 ロッド撤去等の煩雑な作業が少ない。
施工性 小断面トンネル内でも省スペースで作業ができる。
環境 軟弱部分の削孔においても特別な地盤改良を必要としない。
現場のコメント
 当初は、500m級の長尺ボーリングが可能か、奥の断層で削孔不能とならないか疑問であったが、青函トンネルや飛騨トンネルで実績のある熟練工及び、工法自体の確実性によって、無事掘り切ることができた。


本坑出水状況(最大20t/分)

穿孔機(TOPLS21型)


3段目ビットセット状況


削孔状況
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国土交通省 四国地方整備局 四国技術事務所